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Audible『ゼロからの「資本論」』斎藤幸平(2023・NHK出版)

ほんとはこちらが読みたかったのですが。↓ Audibleにみつけられなかった残念。

柿埜真吾先生のライバル?斎藤先生。
先日聴いた『自由と成長の経済学「人新世」と「脱成長コミュニズム」の罠』の中で、柿埜先生がボッコボコに論破されようとしていらっしゃったのが、こちらの斎藤先生なのだ。

あなたがこの入門書を手に取った理由はなんでしょうか。毎日が楽しくてしょうがない人がこの本を積極的に手に取る確率は低いはず。

いえいえ全然。毎日楽しくてしょうがないけど積極的に手に取ってますよ~~(^^)
こういう書き出しをされてるってことは、きっとこの本は、毎日がツラくてしょうがない人たちに向けて書かれた本なんでしょうネ。

こちらは難解な資本論をわかりやすく解説してくださる本です。
聴いてると「たしかにたしかに!」と頷ける箇所も多々あった。にも関わらず、やはり共産世界なんてイヤだなと思ってしまうのはなぜだろう。いいお話もいっぱい出てくるのに、なぜか、どーしてか、どーゆうわけか腰が引けてしまう。

たとえばこういうの。
くだらないものを生産せずともよくなるとはどういうことなのか。 
「くだならいもの」と「くだるもの」との違いは? 「ムダな商品」と「ムダくない商品」の境目はどこ?
こういうの、誰がどーやって決めるんですか? 

過剰な広告や頻繁なモデルチェンジ、計画的陳腐化なども不要になります。マーケティングや広告、コンサルティングのような使用価値を生まない仕事はもっと削られてもいいはずです。

ここで例にあげられているものの中には確かに眉をひそめたくなるよーな「いらんもん」も含まれている。

・・・・だけどなあ。
中身がどーこーってよか、私、この『誰かに良し悪しを決められるかんじ』がイヤなんだよな。
私、思想でも宗教でもなんらかの世界観を押し付けてくるタイプのものは、内容の立派さとかに関係なくなんでも好きじゃない。中身じゃなくて、そのスタイルが嫌いなのだ。イエス様は嫌いじゃないけど、キリスト教は嫌い。アンパンマンは嫌いじゃないのに、あの設定がイヤ・・・みたいな(※個人の偏った好みです。悪しからず!)。
うまく表現する方法がわからないのですが、とにかく「かたち」としての在り方が好きじゃないのだ。

それから、もうひとつ。

詳しくは知りませんが、マルクス先生は昔の人たちが形成してた「共同体」への評価が高いんですってネ? どの動画かは忘れちゃったけど、ぴよぴーよ先生の解説でも聞いた記憶がある。(↓ 哲学系のどれかの動画で)

だがしかし、部族社会の平等とは「そんなえーもんでもなかったんじゃないか?説」をあちこちでおみかけします。直近では放送大学人類学の講義。

サンの人々は気前よく肉を他人に分け与えるが、けっして生まれつきの「お人よし」なのではない。独占したい欲望、人より注目されたい願望、人を支配したい欲望が垣間見られることもある。だからこそ、ことあるごとに「分けろ」「人間は独り占めしないものだ」といった言葉を口にするのである。また、彼らは他人から妬まれることを非常に恐れている。
平等主義社会とは、不平等の淵を覗き込みながら、かろうじて踏みとどまっている社会なのである。

総合人類学としてのヒト学(’18)第4回 食べものをとる / 今村薫教授

↓ こちらにもウンザリするような嫌がらせ&足の引っ張り合いによる平等がレポートされておりましたヨ(まだ読了しておりませんのでオチは知らんのですが)。

↓ 部族社会の殺人率の高さ。「原始的な狩猟採集社会に暮らす人たちの世界は争いもなく平和」なんやなかったんかい!という肩すかし。

↓ 年端もゆかぬ幼子ですら「他人より損をしたくない!」という心理&行動をみせつけてくるんデスよ(驚)!というビックリな実験結果。お得の平等・平均化。

田舎が嫌がられるのは共同体の同調圧力がウザいからじゃなかったのか。「めんどくさい共同体から逃げたのと引き換えに、オレらは孤独になっちゃったよネ・・・(哀愁)」ってのが今の我々の姿なのかと思ってました。
これをまた昔に戻すの?イヤで逃げてきたのに?
いつか共産社会が到来することがあったとしても、結局はそれにガマンできないやつらが共同体の裏側でコッソリと「勝手」をやりはじめ、資本主義・自由主義がうごめきだし、息をふきかえす・・・! みたいなことになるんじゃないのか。

ーーーと、素人のつぶやきはこれくらいにして(^^ゞ

この界隈のご本はスラ~っと1回聴いたくらいじゃ素人には「何がよくてどうするのが正しいのか」みたいなことはまーったくわかりません(^^)/

今回は以上!


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