
③『西田幾多郎 『善の研究』2019年10月』若松英輔(100分 de 名著)
折につけ思い出す西田哲学。
内容が難しいので、これを隅から隅まで理解することなど私にはとてもできないのですが・・・・(なので以下に書くことも思っきしの間違いやもしれぬのですが、素人の限界故どうぞお許しを)
実在と純粋経験。
西田哲学に出てくる用語は、言葉の捉え方からして自分の感覚と食い違う。時代の隔たりがあるせいで『我々が「今」の感覚でもって読むと意味合いが違ってたりするよ!という部分が多い』という点については、若松先生からのご指摘注意喚起がありました(文中に)。
がしかし「実在」と「純粋経験」って言葉、ふたつに限って言えば、時代の隔たりとは関係のない派閥が存在してるよーな気がすんですよ。西田風の捉え方をする人もいれば、解説よんでもイマイチしっくりこない人もいる(たぶん)。で、私はどちらかといえば後者の側だ。ライル先生の哲学みたいなやつに共感しちゃうタイプだからです。
まず西田は、自分が考える「経験」とは「事実そのままに知るの意」(第一編「純粋経験」 第一章「純粋経験」)であり、「全く自己の細工を捨てて、事実に従うて知る」(同前)ことであるといいます。
私は本家の『善の研究』を読んでないので、こういう場であまりあーだこーだ書いちゃいけないのかもしれませんが、それでもやっぱり、ここんとこがよくわからない。
西田先生「細工を捨てて」っておっしゃってるけど、この「細工」って何? それが細工かどうかってのはどうやってみわけるのでしょうか? もしもここんとこを個々人の判断でもって直感的に「細工か細工以外か」って見分けてるんだとしたら、私のようなあまり直感の働かない人間にはお手上げの難しさであります(←だからライル先生みたいなほうに寄ってっちゃう)。
こういうひとつひとつの判断をどうやって下すのか。ってのを考えるのに、面白い基準をくれてるのがmbtiとか岡田4類型の使ってる視点だと思う。判断の仕方が人によって全然違う可能性があるよ!みたいなことを教えてくれる。特に岡田先生の4タイプ「注目」「司令」「法則」「理想」って分け方は、わかりやすい上にリアルの中で使いやすい。
たとえばなにかしらの判断を下す時の4タイプごとの傾向。
岡田先生の動画をちょこっと見ただけの素人想像ですので違ってたらホントごめんなさいなのですがーーー
「注目」なら「(みんなのノリが)こうだからこう」
「司令」なら「(世間的・社会通念上・合理的損得を鑑みて)こうだからこう」
「理想」なら「(個人な直感・フィーリング的に)こう」・・・みたいなイメージ(繰り返しますが間違ってたら本当にごめんなさいネ!)。
しかし「法則」だけはよくわかんない。私はこのタイプに属してると思われるのですが。(※気になる方はぜひ本家の動画をご覧になってみてください!)
ちなみにですが、「細工か細工以外か」みたいな抽象的な判断を下す時は、私ならばまずは「判断不能と判断」してから「正しい判断を下すための材料」を外の世界に探しにいきます。
(※「りんごか、りんご以外か」みたいな一目瞭然のやつは迷いませんよっ、もちろん)
何につけ、だいたいいつもこのパターン(entpだからかな?)。なので結論など早々簡単に出るもんじゃない。たとえば「親が子にふるう権力はどこまでOKか」の答えを探してウン十年・・・みたいなことになる(←人生最初にぶつかった課題をいまだに保留中)。
こんな調子なので瞬時の判断とか絶対に無理。「細工を捨てて」をスパンとやるのが難しい。もしもこーゆうのがサラっと峻別できちゃうんだとすれば、それは「理想」肌の西田先生ならではの腕力故では?と思ってしまう。
余談ですが西田先生は「infj予想」って書き込みを目にしたことあります(個人的には当たってると思う)。
西田哲学って面白い。
正直に言えばあまり共感しないタイプの哲学なのですが、だけどとっても魅力的。なんていうか、自分の感覚と違ってるせいで余計に面白いカンジがするのです。
しかしです。私には一生かけても西田哲学のなんたるかを理解できそうにはありません。たぶん原書の読解も無理(若松先生による翻訳がないと誤訳が多発しそうで)。
折につけ、ひっぱり出しちゃ読み直してみたい本(100分のほうを)。