キャッチガール・ストーリー。
やぁ、いらっしゃい。今日もお疲れ様だったね。
ランチがてら打ち合わせをする時、何だかんだ目上の方が多い訳。
あんまし食べないし、別に食べなくてもいいんだけど流石に頼まない訳にもいかないじゃん。
軽いものを頼んで食べるけど、おじさんは大体断ってもスイーツを進めてくる。あれは一体どういう考えなのだろう、と。
キャッチ業界。
客引き行為が厳しく是正されている昨今、声掛け集客は鈍化の一途をたどる昨今。
「風営法」という法律がある。
正しくは「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」という法律だね。
この記事を書いてるのが9月18日。
度々条例とか変わるし、違ったらごめんね。
キャバクラやラウンジのように従業員が客を接待する形態の店。
そしてパブ・スナック・バーなどのように接待がなくても深夜0時を超えて飲食物を提供する形態の店は、いわゆる「風営法」の規制対象になる。
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これらのお店は同法律第22条にて
「客引きをすること」
「客引きをするために道路や公共の場所で人の身辺に立ちふさがったり、つきまとったりすること」
が禁止されている。
まぁ、業種問わず立ちふさがったり、つきまとったりするのって結構やばいけどね。地域の条例では業種問わず厳しく処罰されるものもある。
今回はそんなキャッチの中で生きてきた人のお話だよ。
飲食店専門。
割と前のお話になるんだけど、久々にランチしたことで話題に上がった懐かしいお話。
H氏は繁華街に多く立ち並ぶ飲食店へ誘導する専門のキャッチガール。
元々、キャッチをしていた先輩の顔利きと引き継ぎがあって、契約店舗十数店舗との絡みがあって、業界ではそこそこ名前の通った人物。
既に過去の話ではあるが、コロナ前では多くの飲食店が賑わっていた。
SNS、Google Maps、ポータルサイト、クーポン雑誌。
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等々、あらゆる媒体で顧客の集客導線を張り巡らされていた繁華街は構造上、勝ち組と負け組の格差がはっきりしていた。
そのどれにも費用や労力がかかるし、ユーザー層も異なってくる。
飲食店の取り扱い商品、座席、価格帯、営業時間。
等々、マッチする相手には響くし、そうでなければ見向きもされない。
当時は大手が非常に強い風潮もあり、大きな宴会は大きなハコを持つ大手に集まりがちな時代だった。
店舗と通行人の見極め。
基本的に、H氏は一番人通りの多いところでターゲットを見つけるようにする。
H氏自体はスラッとしていて、ハツラツとしており、ビジュアルもいい。
長期に渡り、人気があったこともうなずける。
契約店舗は俗に言う「一般的な居酒屋」が多かった。
その為、分かりやすいのはサラリーマン風の複数人を中心に声をかける。
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とはいえ、一般的な居酒屋といっても種類は様々。
枝豆、たこわさ、軟骨からあげ。そんなオッサンど定番のラインナップから始まるものもあれば、オリーブ、キッシュ、ピンチョスのようなバルタイプのお店だって含まれる。
客層、座席数なども見た瞬間に把握しておかないといけない。
店舗の空き情報も常時チェックを絶やさない。
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4人組でも後から増援が来るかも知れない。
詰めれば6人席で対応が出来る等も、状況判断は大事。
2人組なんかだと全然問題なくオシャレ系カウンターバルなども案内がしやすい。
どうあれ、各店舗の構造や客層は知っておく必要性がある。
収益構造。
H氏の活動も数年になってくる頃、懇意の店舗も結構増えてきた。
キャッチの為、店舗に誘導したお客さんの数や単価によって紹介フィーが変動する。
基本的には平日15%、祝前日10%。
懇意店では平日20%、祝前日12%。
一例だが、5,000円コース×4人を平日に入れれば3,000円のキャッチバック。
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勝負は夕方17時ころから頑張って20時過ぎ。
あまり遅くなると、2軒目利用が多くなり店自体が対象から外れだす。
そして、身の危険もある。
繁華街ということで、酔っ払いから声をかけられることもあるが、明らかにキャッチしてますという雰囲気を出していれば、回避も容易い。
人が多いということが逆に身を守れる術になる。
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祝前日は人通りも多く、30分も頑張れば2~3組は誘導が出来る。
お店が混み合う前に放り込んでいく必要がある。
氏の契約店舗はあまり集客媒体を使わないアナログ式が多い。
その為、グルメサイト経由等での急な予約というのもあまりない。
10組動員出来れば、1日5万ほど上がることもある。
逆に雨とかだと最悪。
文字通り、話にならない。
顧客人気。
また、路上で仲良くなることが得意なH氏は、動員したお客さんと事前にLINE交換をすることもある。もちろん業務用。
気になる店があったら相談してね。と交換した相手も嫌がらない。
こういうお客さんが増えてくると、キャッチの途中で動員希望のLINEが来たりする。
待ち合わせはいつもの大通り。
人数と予算を聞いておいて、店舗の候補を提示する。
同じ店より、ちょっとテイストを変えて率の高い店に動員出来ればしめたもの。ここで契約店の多さが光り出すって話。
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ピークの時はほぼ毎日、路上に立って動員ということで月間100万円を超える凌ぎを見せていたH氏。
美容や健康にも気を使っていて、常に女子力を高く維持していた。
短い時間だからこそ、ビジュアルで選考から落とされることを避けたい。
そんなプロ意識が日々H氏を奮い立たせていた。
ちなみに美味しいタイプのターゲットは観光客や旅行客。
どこがいい店かも分からず、街並みに圧倒されている人も多く案内に頼る人も少なくなかったそう。
これから。
H氏がキャッチを引退してから数年。
今では落ち着いて普通にママをやっている。
時々SNSを更新するくらいのもので、昔のイケイケは鳴りを潜めた。
結局、世の中がコロナ禍パンデミックに陥る前に業界から退いたタイミングは最高だったのかもしれない。
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飲食店動員が風営法対象ではないにせよ、規制は厳しくなる一途。
昔のように今どき路上声掛けも厳しい時代。
引き際はある程度の段階で決めていたそう。
本来の予定よりは長くなったけど、結果いいとこだけ持って抜けきったといった感じだね。
ぼったくりなども出回っていて、規制は今後も強くなる可能性もある。店を利用する人はある程度自分で判断して行くことを推奨する。
ぼった店に連れてかれないよう気をつけてね。
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ここまで見てくれてありがとう。
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それでは、また。
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