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本の紹介「日本の七十二候を楽しむ」 白井 明大(文) 有賀 一広(絵)

日本には彩豊かな四季があります。春夏秋冬の四季には、それぞれ六つの節気があり二十四節気と呼ばれています。ここまでは知っている人が多いと思いますが、更に、それぞれの節気が三つ(初候、次候、末候)の候に分けられ、それらを七十二候といいます。

秋であれば、立秋から始まり(各季節の始まりは全て「立」、立春、立夏、立秋、立冬)、処暑、白露、秋分、寒露、霜降という六つの節気があります。

この中の寒露(十月中頃)の候を紹介します。初候は「鴻雁来る(がんきたる)」、次候は「菊花開く」、末候は「きりぎりす戸に在り」といいます。ここで、候の名前は初候とか次候ではなく「 」の中に書かれた季節のできごとなのです。菊の花が咲いたり、虫の音が聞こえたりといったその季節のできごとが名前になっています。これらの季節のできごとである候が七十二あります。

各季節の候を見るとあらためて季節の豊かさを感じることができます。各候には、その候の説明の他、旬の野菜、魚、草花、野鳥、行事等が紹介されています。更に、全てのページに可愛い挿し絵があります。うぐいす、菜の花、タンポポ、ひばり、桜餅、牡丹、かえる、たけのこ、祭り、あやめ、うなぎ、ほおずき、まつむし、おはぎ、彼岸花、さんま、栗、鶴、紅葉、りんご🍎、鮭、羽子板、福寿草等々、季節感満載の挿し絵を見ているだけでも楽しくなってきます。

日々の生活が忙しい人も、たまの休日にこの本を持って外に出れば、移りゆく季節を感じ心が豊かになるかもしれません。

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