見出し画像

自分のために書く文章とは?書くことを通して「まだ見ぬ自分」に出会うこと

1回目の記事では「文章に対する苦手意識の正体は?」ということを書きました。

2回目は「自分のために書く文章とは?」について書いていきます。

文章術の本を読んでいると、文章の目的は「人を動かすこと」という記述を目にします。

たしかに自分の意見、自分が有益だと思った情報を文章で伝え、読者の心を動かし、考えを動かし、行動までも動かすことができれば個人の備忘録にとどまらずビジネスでも通用します。

でも、好きじゃなければ楽しくなければ、そもそも続けることすらできない。好きだから興味があるから楽しいから続けられる、と僕は考えます。

なので、いったん「他人の評価」や「誰かのため」を横に置き、自分を喜ばすための文章を書いてみませんか?

というところで本題。
自分のために書く文章ってどんなものだと思いますか?

自分のために書く文章とは?

それは「まだ見ぬ自分」と出会うための文章です。

言い換えるなら自分のために書く文章は「発見すること」が目的です。

書くことが発見することの証明として、ちょっと実験に付き合ってもらってもいいですか。

今、あなたの目の前には何が見えていますか?

その中から1つを選び、よく観察してください。そして、どんなことでもいいので気がついたことをできるだけたくさん書き出してください。

僕の目の前にはコップに入った麦茶があります。

ディズニーランドに行ったときのお土産に買ったコップ。自分は旅行に行くとコップを買いたくなる癖がある。時間が経ったからコップの周りに水滴がついている。今まさに氷が溶けてカランと心地よい音がした。

僕はコップを見るまで、これらのことを気にもしていませんでした。

注意深く観察したことで対象の変化を見逃さなかったり、記憶が思い起こされたりしました。

書くことが自分への理解を深める

書く過程において、

  • 目の前で起こった出来事

  • 見る、聞くなど五感で感じたこと

  • 心や頭に浮かんでくる感情や思い

を「なぜそう思ったのか」「どうしてそうなったのか?」と観察することが発見につながります。

すると、

こんなふうに物事を捉えている自分がいる
こんなふうに世界が見えている自分がいる
こんなふうに自分は考えている自分がいる

と自分への理解が深まります。

よく文章を書くと「本当の自分がわかる」と言いますが、ニセモノの自分がいるわけではありません。

どの自分も本当の自分なんです。

家族といる自分。友だちといる自分。恋人といる自分。それぞれで見せる顔が違うように自分の中にも、まだまだ知らない自分がいます。

感情や思い、記憶を深掘りすると、自分が大切にしている価値観や信念に気づくことができます。

つまり「まだ見ぬ自分」とは、自分でも自覚していなかった価値観や信念です。

見ようとしなければ見えない

出自はわかりませんが、

見ようとしなければ見えない。
聞こうとしなければ聞こえない。

という言葉があります。おそらくガリレオ・ガリレイの言葉を後世の人が変化させたものでしょうか……それはさておき。

仕事、家事、勉強。
僕たちは日々時間に追われています。

つい「やりたいこと」よりも「やらなければいけないこと」を優先してしまいがちです。

書くことを通じて丁寧に自分の気持ちを紐解いていくと、自分本来の気持ちをも発見することができます。

今まで見えていなかった夢を秘めた自分。
今まで聞こえていなかった願望を抱えた自分。

書くことは、そんなまだ見ぬ自分に出会わせてくれます。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?