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2021年8月の記事一覧
私の愛する本格ミステリ
優柔不断な性格のため、ベスト3はなかなか決められそうにありません。やむを得ず、僕の人生に多大な影響を与えた三作品を選ぶことにしました。題して、「黒田研二の作り方」。これであなたも黒田研二になれる!(なりたくありません)
一.遭遇編
幼い頃から読書は好きでしたし、子供向けに翻訳されたミステリ小説も数多く読んできたつもりですが、なぜかそれらはほとんど記憶に残っていません。思い出すのは、映像作品ば
初めて出会った講談社ノベルス
品行方正だった少年時代、僕は〈ショートショートランド〉という小説誌に夢中になっていた。
泡坂妻夫や都筑道夫、岡嶋二人などを知ったのもこのときだ。
それまでSF一辺倒で、ミステリといえばクリスティしか読んだことのなかった僕が、以降、国内ミステリばかりを読みあさるようになる。
綾辻行人の『十角館の殺人』に衝撃を覚えたのは、〈ショートショートランド〉の休刊に涙を流してから二年後のこと。
法月綸
名作ミステリーDVDガイド
「名探偵ポワロ」 エルキュール・ポワロは、ミステリの女王アガサ・クリスティーが生み出した小柄なベルギー人。
これまでにも様々な俳優が、この名探偵を演じてきたが、クリスティーは「どいつもこいつも、みんな大男ばっかり!」と、彼らをあまり気に入っていなかったそうな。
いわれてみれば、彼女の没後に制作されて大ヒットした「ナイル殺人事件」や「地中海殺人事件」のポワロ(ピーター・ユスチノフ)も、全然小柄じ
私の愛したキャラクター
早乙女ボンド之介&金大事包助 SF作家横田順彌が生み出した名探偵、早乙女ボンド之介と金大事包助。
ふざけているのは名前だけじゃない。
早乙女ボンド之介は早乙女主水之介とジェームズ・ボンドの血を受け継ぐ男。父親は皮革用ボンドという名の諜報部員で、00711(ダブリュオーセブンイレブン) のコードナンバーを持ち、セブンイレブンの店員に姿を変え任務を遂行している。
一方の金大事包助はあの金田一耕助
倒錯のレーザー・レーサー
私、黒田研二――北島康介みたいにカッコよく泳げるわけではありませんが、それでも一応、学生時代から水泳を続けてきた体育会系スイマーであります。
三段腹を震わせながら泳ぐその姿を、周りから「チョー気持ち悪い」と非難されてもなんのその、マスターズ大会での優勝を目指し、日々練習に励んでいる次第。
とはいえ、なかなか思ったようにタイムは縮んでくれません。もし、スピードが金で買えるなら、そりゃいくらだっ
愛犬ロックに癒されて
メタボ検診(特定健康診査・特定保健指導)の案内状が届いた。うーん、正直面倒くさい。
「四十歳を過ぎたら、定期的に人間ドックを受けなくちゃダメだよ」と、周りからうるさくいわれることも多くなったが、こちらは気楽な独り身。僕が死んで誰かが困るわけでもなし、べつに長生きできなくてもいいんだけどなあ、なんて考えることもしばしば。いや、厭世的とかそんな大げさなものじゃなく、単に面倒くさがり屋なだけなんですが
あとがきのあとがき『ナナフシの恋』
「メフィスト」読者には本格ミステリファンも多いでしょうから、そんな皆様に向けての新作PR。
まずは簡単にタイトルの説明を。ナナフシとはナナフシ目ナナフシ科の昆虫。
植物の枝にそっくりな形をしているため、敵はなかなかその姿を見つけ出すことができません。
サブタイトルの mimetic は「模倣の、撮態の」という意味。そう――本書のテーマは撮態であります。
最近の黒田は全然本格を書かな