「小津の起源」(小津和紙創業の地)
三井と並ぶ松坂出身の豪商
★ジャンル【企業】
★場所 中央区日本橋本町3−6−2
★最寄駅 JR総武線新日本橋駅、東京メトロ銀座線三越前駅
これまでの23区発祥の地一覧
★碑文
「伊勢商人、小津清左衛門長弘は、当時江戸随一の商業地であった大伝馬町(現在地)に、承応2年(西暦1653年)創業しました。爾来、幾多の事業の変遷を経て 『紙商小津』として現在に至って居ります。」
★解説
小津和紙は和紙などを販売する小津商店の和紙部門のブランド名です。碑のある小津本館には和紙店舗、小津史料館、小津ギャラリー、小津文化教室などがあります。資料館は中央区のまちかど展示館として、江戸時代からの小津家の資料を無料で見学でき、また手漉き和紙体験工房があり、わずか500円で和紙づくりができます。
ギャラリーには全国の様々な和紙が展示され、その歴史や特徴を知ることができ、もちろん買うこともできます。碑の脇には、和紙の主要原料となるコウゾ、ミツマタ、ガンピなどが植えられていて、ここで和紙の全てを学ぶことができるのです。
小津家は現在の三重県、伊勢国松坂の出身で、紙以外にも伊勢の特産であった綿織物を扱って豪商となりました。松坂(現在は松阪と表記)は伊勢商人の中核の地で、三井グループの三井家もここの出身です。三井の江戸進出は1673年(延宝元年)ですから、小津家の方が江戸では先輩です。
小津清左衛門長弘は、武士だった父がその地位を捨てて近郊から松坂に移り商売を始めてから生まれました。1625年(寛永2年)のことで、当時は大坂の陣が終わって徳川の世になってまもない頃。江戸が大規模な開発によって日本の中心になろうとしており、松坂からは多くの若者が成功を夢見て旅立って行きました。
長弘も15歳で江戸に出て呉服商で勤め、一旦松坂に戻ったのち、再度江戸に出て今度は紙問屋に勤めます。29歳の時に廃業する紙問屋を譲り受けて独立したのが現在の小津和紙の始まりです。この時開業資金を貸してくれたのが国学者として有名な本居宣長(もとおり のりなが)の先祖だと言います。
松坂には小津を名乗る一族が多く、いずれも商人として活躍しました。本
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