葛藤の正体
行動を妨げる思考
行動についての記事で何度か触れていますが、
私たちは純粋にやってみたいと興味を持ったことでも、
それを妨害する思考が出てくるものです。
なぜそのように反対の思考が出てくるのでしょうか。
そして、その反対の思考によって、
まるで自分の中に2人いるような葛藤が生まれ、
苦しむということがあります。
今回はその葛藤の正体について考察してみます。
右脳人格と左脳人格
行動についての記事でも書いていますが、
私たちの思考、感情は右脳と左脳で異なったものを生み出します。
やってみたいなど直感的なものは右脳で、
それに対して批判的な思考を生むのは左脳の働きによります。
この2つがまるで異なる人格のように頭の中で会話をします。それが葛藤の正体です。
『Whole Brain』という本では、
右脳と左脳で異なる人格を持っていて、
それらの人格を適切に扱うことによって、
葛藤から解放され、
より幸福な人生を歩むことができると述べられています。
異なる人格を適切に扱うために、
右脳と左脳の働きについて整理すると、
右脳は今を生きています。
今どのように感じるか、をもとに考え、
行動に移します。
純粋な子供のような感じです。
反対に、左脳は過去と未来を考慮し、
感じ、考えます。
過去と未来について考える時、不安や恐怖が生まれます。
人間はネガティブよりな思考をするため、
比較するものがあるとネガティブな方に感じ、考える傾向があるからです。
葛藤が起きている時、右脳の欲求に対して、
左脳が過去や未来を分析し、
自分の身の安全を守るように予測し、
行動を制御します。
その多くが、本能の欲求を妨げるものになりがちです。
否定的な感情や思考により、変化を避けるようになります。
現状維持を選びがちになるのです。
これは自分を守るために左脳が好む方法です。
アレルギーで、
炎症を起こし外敵を倒そうとするあまり、
喉が腫れて窒息してしまうことがあります。
これと同じように、
身を守るためという動機であっても、
否定的な思考や感情が出すぎると自分を苦しめてしまうのです。
過剰な防衛反応によって自分がダメージを負うのです。
チームを作る
このようなことに対処するために、
まず自分の中に異なる人格があるということを知っておくだけで、思い悩むことは減るでしょう。
自分の中の感情や思考に、今の人格が表に出ているか分析することで、どういった選択をするか決めることができます。
無意識に出てきた人格をそのまま尊重し、
表に出させ続けておくか、
今は出番ではないから。
と違う人格に交代してもらうことを選ぶことができます。
私たちはつい、自分は1つの人格であると思ってしまいます。
これは『影響力の武器』という本で述べられていますが、一貫性を維持したいという働きがあるためです。
自分の思考、感情、行動がいつも一致していないと気持ち悪いと感じてしまうのです。
しかし、脳の構造的には一貫した感情や思考を持つことは難しいことです。
複数の人格があることを認めましょう。
それは生存のために必要だったのです。
そして、一貫していないことを許しましょう。
その上で、自分はどうしたいか、
1つ上の次元でどの人格を選択するかという視点を持ちましょう。
複数の人格をチームのように活用することで、
より幸福に生きることができます。
人格が違うということは、
得意なことが違うということです。
得意なことを適切な人格に任せ、対応することで、よりスムーズに物事を運ぶことができます。
すると、人格が違うことは葛藤を生むネガティブなものでなく、苦手を補う調和を生みます。
あなたは1人ではありません。
常に、性質の違うキャラクターがあなたを守っているのです。
このことに気づくことが、より良い人生にあなたを導くでしょう。
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