「HSP」をポジティブに捉えると子育ての視野が広がった
僕の記事にいつもたくさんのスキとコメントを残してくださる「たごさん」というお方が、以前こんな記事を書いていました。
noteのクリエイターさんの中には、プロフィールの中で「HSP」や「HSC」という言葉を用いられる方が時々いらっしゃって、僕も少し興味がありました。最近話題になっているんだろうなと感じながら、僕はよく理解していなかったからです。
「HSP」や「HSC」のことを知ると、
「あ、こういう人(子ども)いるいる!」
と感じることがたくさんあり、教師も「HSP」について知っておくだけで随分対応の仕方が変わるような気がしました。
そこで今回は、「HSP」について掘り下げていきたいと思います。
➣「HSP」、「HSC」とは?
まず、「HSP」、「HSC」とは何かを調べました。
「HSP」とは、「ハイリー・センシティブ・パーソン」の略で感受性が高く非常に繊細な心をもつ人のことを指します。
「HSC」は、「ハイリー・センシティブ・チャイルド」の略。人一倍繊細な心をもつ子どものことです。
「HSP(HSC)」の人は、常に高いアンテナを張り巡らせている状態にあり、些細なことにも敏感に反応します。そのため、心にストレスや生きづらさを抱えることが多く、疲れやすい傾向にあります。
学校で気にすべきは、「HSC」の方です。今までは往々にして「メンタルが弱くて傷つきやすい子」とひとくくりにされがちでしたが、「HSC」や「繊細さん」なんていう言葉が出てきたからには、適切な対処法や、特性の生かし方を学んでおいた方が良さそうです。
「新しい状況に馴染むのが苦手」
「大人数(集団)が苦手」
「がやがやした音や大きな音が苦手」
「他人が怒られていても自分ごとのように思う」
「痛みに敏感」
など、「HSC」の子がもつ特性を理解すると、学校という場所がいかにストレスの多い場所であるかが分かります。
そのような子に、他の子も当たり前のようにやっているんだからという理由で、無理に何かをやらせたり、我慢をさせ続けてしまったりすると、完全に逆効果です。甘やかしているように感じるかもしれませんが、過度なストレスを取り除いたり、休ませてあげることも時には重要なのです。
➣HSP診断テストをやってみた
さて、ここまで調べてみて思いました。
「僕もきっとHSPだ」と。
そこで僕もやってみました。
HSP診断テスト。たごさんの記事にあったものです。
結果は、
HSP度「中」の判定でした。やっぱり。僕もHSPなんだ。いろんなことが気になって、生きづらいと感じることもしばしばあったので、きっとそうなんだろうなと思っていました。
ちなみに、妻も僕の1点下の、HSP度「中」の判定でした。
僕たち夫婦は、同じくらいのHSP度であることが分かりました。そして、僕や妻がHSPであるということは、僕の身の回りには普通にたくさんのHSPの人がいるんだろうなと思いました。
➣HSP夫婦の子どもは「HSC」?
4歳の長女もきっとHSCだろうなと思う節が多々あります。たぶん僕や妻よりもっとHSC度高めです。
先日、あることができたお祝いに、長女が以前からずっと行きたがっていた大きなすべり台のある室内プールに連れて行くことにしました。車で片道40分の長旅です。長女は浮き輪を持って今か今かと到着を待ちわびていました。
やっとプールに到着し、プールを上から眺めてみます。長女はまだワクワクしています。
ニコニコしながら着替えを済ませ、いざ、念願のプールへ!
・・・と思いきや、プールの直前のシャワーの大きな音にビビり、前に進むことができません。
そのシャワーは、なぜか「ぶぉぉぉおおおおーーーーん」という大きな音と共に、小さい水の粒子を吹き出す仕組みになっていて、その音が毎回大きく鳴り響いていました。
何とか駆け抜けるようにしてシャワーを通過したのですが、これで長女のHSCスイッチがオンになりました。ここからは、僕が「これはきっと長女のHSC特性だ」と感じたプールでの出来事を一気に紹介します。
・ひとまずプールを3分ほど眺める
・回るプールを一周し、歩いてプールを一周して全体像を把握する
・ひとまず腰くらいの深さのプールにずっと浸かる
・お兄さんお姉さんの遊んでいる様子をじっと観察する
・気に入った場所でも人が多くなってきたら逃げるように移動する
・ピンポンパンポーンという放送の音にビビる
・楽しみにしていた滑り台は小さいものをパパと一緒に1回滑って終わり
・滞在時間50分でお家に帰る
わずか50分の中で、おそらく、いや間違いなく長女はHSCであると自信を深めた時間となりました。プールで大はしゃぎしながら水をかけ合ったり、すべり台で遊んだりする僕の予想とは大きく違い、長女と温泉のようにチャポンと浸るプールの時間を過ごしました^^;
➣「HSC」の特性を生かす
例え、長女がHSCであることがはっきりしたとしても、僕にやれることは今と変わりません。長女の様子を見て、長女が疲れすぎないように調整しながらサポートする。それだけです。
できないことは無理にやらせずに、長女のやる気が出るのを待ち続けます。できることはどんどんやらせて少しでも「自己肯定感」を高めてあげられるようにします。
長女は繊細で、傷つきやすいところがありますが、それでよかったところもあります。それは、どの子にもやさしくしたり、相手に合わせたりすることができること。周りの子のことをよく見ていて、感性が豊かなので、人に合わせることが得意なんだと思います。
昨年、長女の保育園の先生が懇談会の時に教えてくれました。
そして僕も、ほどほどにHSPでよかったのかなと思います。(いろいろ調べてみると僕は「HSP」の中でも外交的な「HSS」と呼ばれる部類なのかもしれません)
それは、HSCの子どもの気持ちが何となく分かるからです。
大人数。
大きな音。
何かを無理矢理やらされること。
新しい環境。
僕も全部苦手です。
だから、相手の気持ちになって考えることができます。無理に何かをさせようという気持ちにはあまりなりません。
最初は、「HSP」や「HSC」はネガティブな要素と感じていましたが、あくまでも1つの特性であり、場面や使い方次第だなと感じました。
HSCの良さはたくさんあります。
幸せを感じやすい
病気や怪我が少ない
成績がよい
モラルのある行動ができる
他者への気づかいができる
生きづらさの面だけでなく、こうした良さをたくさん見つけて認めてあげたいですね。
そして、僕自身もHSPの特性を生かしつつ、HSCの子どもたちの心に寄り添ってあげられる親・教師でありたいなと思いました^^
参考:こども学びラボ