うめーうめーとカラスは鳴いた。
畑の落花生は、食べる分ずつとって茹でるのだけど、ここのところ忙しかったり雨が降ったりで、残りの落花生がまだ4株残ったままだった。
今日、自分たちが食べる分と、お隣さんに庭の柿を持っていくついでに、好きだと言ってたから落花生もおすそ分けしようかと畑に入った。
ブロッコリーや芽キャベツの虫を点検したり、あちこち畑の様子をチェックしていると、
落花生の殻が落ちている。
前回落としたのかな
と思ったけど、そこに落ちているのはおかしい。
しかも、まるでそこで食べたように殻が割れて落ちてるなんて、おかしい
と気づいたのは、少し後のこと。
落花生の畝に行き、さあ、収穫するぞ
と見てみると、なんだか少し荒れている。
横たわった葉の上に、また落花生の殻。
ようやくここで気づいたのだ。
やられた‼︎
と。
犯人はカラス。
ここ数日、カラスが畑に3羽くらいいて、何度か畑の様子を見に行ったのだけど、
その時は、赤くなったピーマンが一つ落ちていたから、ピーマンを食べたのかと思っていたのだった。
あんなにカラスが度々いて、ピーマンもそれほど荒らされた様子もなくおかしいと思ったのに気づかなかった。
落花生は、ナスの株の間に植えていたので、見えにくく、ついこの前まで落花生は何事もなく収穫できていたから、まさか食べられているとは思わなかったのだ。
落花生は一株ずつ収穫して食べて、3回食べた。
残りの4株全部カラスにやられていた。
カラスは上手に葉を少しよけただけで、落花生を食べていた。
残っているのは殻だけだった。
ちょっと土の中を見てみたけど残っていない。
さぞかし美味しかっただろう。
3羽のカラスがうひゃうひゃ喜びながら、うめーうめーと食べている様子が目に浮かぶ。
庭の手入れをしていたダンナサンにカラスに食べられたことを報告する。
えぇっ
と驚きながらも
「分け合って食べたらいいやん」
と言われ、
そうやね
と
カラスも食べていかなきゃね
と自分を納得させる。
私たちは3株でカラスは4株だけどね。
私たち人間2人は3株で
カラス3羽で4株
数の割合としては合っているのか?
やっぱり念には念をと、もう一度、落花生が残っていないか深く土を掘ってみる。
あった!
ほんの少しだけど。
茹でるほどもないけど。
それぞれの株の土深くのところに数粒ずつ。
来年の種にちょうどいいくらいに。
武士の情けか⁈
落花生たちが土の中にもぐって隠れてるところも想像したりして。
ありがとう。
残してくれて。
ありがとう。
見つからないように隠れていてくれて。
とはいえ、来年はカラス対策考えよう。