死にたい気持ち
鬱になった。
体調不良で職場に行くのが辛くなり、休む日が続いて、精神科に行ったら、中等度の鬱と言われた。診断書をもらってすぐに休職した。
毎週病院に通い、薬を飲みながら過ごして1ヶ月。少し調子が戻ってきた。一番つらいときよりはマシになってきた。一番つらいときは「死にたい」以外のことを頭に思い浮かべることができなかった。
夜、眠ってもいい時間になると、死にたい気持ちや不安な気持ちが少し緩やかになる。眠っている間は考えなくて済むからだ。起きるとまた、死にたい気持ちが襲ってくるので、空腹も喉の乾きも尿意も我慢してなんとか起きないように、自分は寝ているのだと思って布団に縮こまったりした。
それでも1日数回はトイレに起き、水を飲み、なにかしら食べた。ときどき、排尿痛があったので膀胱炎になったんだと思う。洗濯はしばらくできなかった。パジャマのままでいれば下着以外の洗濯は溜まらないと考えて、パジャマで過ごす時間が多くなった。それでも、4日くらい下着を替えないときもあった。
シャワーに入れない日もあった。長いときで3日に一回くらい。鬱としてはまだマシな方なのかもしれない。けれど、元気な日にシャワーに入らない選択をするのと、元気がなく仕方なくシャワーに入れないとでは、違う。
体質なのか、1日風呂に入らないと髪の毛が脂っぽく束になるので、それが自分としてはすごく嫌だった。あと、股に垢が溜まることや、だんだん痒くなったり、出来物ができて痛くなったりするのも不快だった。普段どおり毎日シャワーに入れれば、清潔に保てるのに。
何日も着たパジャマは汗を吸って、だんだん、ぺっとり冷たくなってくる。枕も、布団も。それも不快だった。自分の考える清潔で健康な暮らしからどんどん遠ざかってゆくのが悲しくて、泣いた。泣くと涙が布団に染み付いて、それがまた冷たくて、みじめな気持ちになった。
今は死にたくなくなってきたけど、その代わり、生きてゆく不安や焦りの気持ちがある。ちょっと負荷をかけたら、また「死にたい」に戻ってしまう気がする。脆い。
シャワーに入れる日も増えたし、洗濯もできるようになってきた。着替えたり、買い物に行けるようにもなってきた。料理も少し、やれるようになってきた。
でも、仕事に復帰すれば、覚えなければならないことがたくさんあって、やらなければならないことも増える。やりたくないことも増える。帰宅しても、寝坊を恐れて「早く寝なければ」と毎日せかせかした気持ちになって、追い込まれてしまう。
同じことを繰り返してしまうのではないかと、不安になる。
くらむぼん
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