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「自閉症・情緒支援学級」の設置を求めて ~発達障がいをもつ子どもたちの学び~
こんにちは、杉並区議会議員の倉本みかです。(無所属・児童福祉司)
この記事を見て頂きありがとうございます。
皆さんは「自閉症・情緒支援特別学級」という言葉をお聞きになったことがありますか?
「自閉症・情緒支援特別学級」とは
「自閉症・情緒支援特別学級」とは、(以下「自閉症・情緒支援学級」)
知的な発達には遅れがないけれど、
自閉症または発達障がいにより、
意思疎通や対人関係において課題を抱える子どもたちが、
情緒の安定やコミュニケーション能力の向上を目指して通う、
少人数制の固定級のことです。
2022年に実施された文部科学省の調査では、
全国の公立小中学校で「発達障がいの可能性がある」と推定された小中学生は8.8%となり、10年前の前回調査の6.5%より多くなりました。
人数にすると70万人を超えるとのことです。
多くの子どもたちが適切な支援を求める中、
全国的にも「自閉症・情緒支援学級」の設置は進んでおり、
23区内でも
*世田谷区 *文京区 *大田区
*江東区 *目黒区 *豊島区
*葛飾区 *品川区 *北区 *港区
にてすでに設置が完了。
来年度には渋谷区、墨田区にて開設される予定となっています。
しかしながら現在、杉並区には「自閉症・情緒支援学級」がありません。
杉並区では設置はもとより
区議会でもこの学級について議論がなされたことがほとんどありませんでした。非常に遅れているのです。
私は昨年4月に議員になりましたが、
かねてよりこの学級の設置が必要であると考えていました。
そのような中、保護者の方からこの学級の設置を求めるご相談を受け、令和6年11月、
「自閉症・情緒支援学級の早期設置を求める請願」の紹介議員となり、
保護者の方と一緒に区議会に請願を提出したのです。
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現状の課題
では杉並区において発達障がいをもつ子どもたちは今、主にどのような指導を受けているのでしょうか。
東京都の「特別支援教室」(=「通級」と呼ばれている)
区が委託する事業所で療育等を受ける 杉並区の「学齢期発達支援事業」
民間の「療育」への通所
まず一つ目の「通級」と呼ばれる東京都の「特別支援教室」ですが、
これはほぼすべての小中学校で指導が受けられるものの、
東京都の巡回による指導で、
週に1回、1~2時間と決まっています。
固定学級ではないので、
普通学級から授業を抜けてきて、またクラスに戻っていきます。
そのため、一番多く聞かれるのが「指導の時間の不十分さを感じる」という声です。
国が昨年3月に発表したまとめでは、この「特別支援教室(通級)」で指導を受ける
小中学生・高校生は令和3年度に全国で
18万人余りとなり、過去最多を更新しています。
こうした需要の高まりにより、
同教室での指導を待つ「通級待ち」が生じたり、学習継続を希望しているのに
受け入れ人数の兼ね合いから、
十分とは言えないまま「通級への通学」の必要性がないと判断され、
本人の意思とは関係なく通学を終了させられてしまうケースが発生していると報道されています。
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そしてもう一点、
最も懸念されることとして、
「特別支援教室(通級)」には一定の出席日数を満たす児童でないと利用できないという条件があります。
つまり、発達障がいの特性ゆえに不登校になっている子ども達の場合、
不登校であるために「特別支援教室(通級)」に通えない、という本末転倒なことが起こりうるのです…。
発達障がいの特性ゆえに不登校になっている場合、
杉並区では「さざんかステップアップ教室」等の不登校教室の対象となりますが、
この教室の主目的は不登校の解消であって、
発達障がいに対する支援ではないので、
子どもたちが必要とする専門的な指導が受けられる環境とは言いがたいです。
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また、2番目に挙げた杉並区の「学齢期発達支援事業」についてですが、これは杉並区を通して民間の事業所に利用するもので、
小学校3年生まで、月4回、一回45分までの助成と決まっています。
なので、それを超える部分や教材費については自己負担となりますが、
少しでも負担を減らせるように、この制度の利用をぜひおすすめします。
(もちろん、この制度を経ずに事業所を利用することもできます。そして「通級」との併用も可能です。)
しかし民間の事業所の利用については、
いずれにしても空きがなくては入れません。「待ち」が発生していたり、
受け入れ枠がいっぱいになると新規の受付を停止してしまうところもあるようです。
「自閉症・情緒支援特別学級」開設のメリット
では「自閉症・情緒支援特別学級」を開設することでどのようなメリットが得られるでしょうか?
発達障がいへの専門的な指導、支援を受けられる
現在の「通級」指導では不十分という理由で民間の療育を併せて利用しているご家庭において、子どもの負担・家庭の経済的負担がなくなる
周囲の理解があるので いじめや不登校が防げる
特別支援教育の知識がなく「指導できない」と言う教員に無理をさせることがなくて済む
情緒支援学級の固定級に通うようになった子どもたちの分、「通級」などの受け入れ枠に余裕がでる …などなど
様々なメリットがありますが、やはり一番は「固定級として」「継続的に」発達特性に合わせた指導が受けられる、ということです。
前述のように、今後、設置予定の2区で新たに設置されれば、
特別区でも半分の区に「自閉症・情緒障害特別支援学級」が設置されることとなります。
そして、すでに設置済みの区においては教室の数をさらに拡大していっています。
つまり、全体的に見れば
「設置するか しないか」ではなく
「開設した上で さらに設置を広げていく」
という方向にあるのです。
他区のように杉並区も
区長がイニシアチブ(先導)をとって区の総力を挙げて実施すべきだと思います。
開設の大きな根拠となっているのは
『障害者差別禁止法』において
行政に「合理的配慮の提供」を義務付ける規定であり、
こうした法の要請がありながら「自閉症・情緒支援特別学級」を整備しないことは、
この規定に違反しているとも言えます。
一日も早い開設が必要です。
私は一人でも多くの子どもたちが
じぶんらしく学び、課題を乗り越えて、社会で活躍していってくれたなら、と願っています。
発達障がいを抱える子ども達や保護者の方々のため、杉並区においてもこの学級が設置されることを目指して、引き続き、
全力で取り組んでいきたいと思います。
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ここまでお話してきた内容の詳細、
杉並区での障がいのある子どもたちへの特別支援教育、療育や放課後デイサービスなどについてのご要望、困っていることや分からないこと、
ご相談がありましたらお気軽に
倉本みかまでご連絡いただければと思います。
TEL 080-4717-0788
メール suginami.kuramoto@gmail.com
〒166-8570 杉並区阿佐谷南1丁目15番1号
杉並区役所 議会棟3階 区議会議員 倉本みか
よろしくお願いいたします。