ひとつなぎの部屋に改修してみた
こんにちは
今回はボクの仕事のお話をしていこうと思います。
昨年の10月頃から着工していた一つの物件で、現場は集合住宅。
内容は内装の改修工事です。
改修工事と言っても幅広くて、部屋の一部分や水回り(キッチンや洗面やトイレなど)を新しくしたりする場合もあります。
いわゆる、リフォーム、ですね。
今回の場合は全ての部屋を改修していく、フルリフォームという感じの工事を倉島木工所で請け負った自社物件です。
改修前は、昔ながらの和室があったり昭和感が漂う内装。
それが好きな方はその雰囲気を活かした仕上げにしていきますが、今回はその辺りは全て撤去して一体感のある部屋にしたい、というのがお客さんからのご要望でした。
では、ここからは改修後どんな仕上がりなっていったか、を一緒に見ていこうと思います。
お付き合いくださると嬉しいです。
|一体感を作り出すために
まず、部屋全体の印象、雰囲気です。
壁面や天井のベースは白。
白色は光の反射率が高いので、全体を明るく見せる効果があります。
また白は膨張色でもあり、視覚的に空間を大きく見せるといった点も特徴の一つ。(※他の色や物を引き立てる名脇役的な効果もある)
大きな面となる壁面と天井はクロス貼、木枠は既存(元々あったもの)を利用して白く塗装し直してあります。(新設の枠も白塗装仕上げ)
細かいところですが、壁と天井の境に見切り材(回し縁)はありません。
そうすることで、周囲に境がなくなり一つの空間が続いていく状態が作り出されます。
これは、他の色とは異なる白色の「圧迫感を軽減させ空間に広がりを感じさせる効果」によって「一体感のある空間」を可能にしたのだと思います。
|建具や家具で機能的に
こうして、部屋の周囲を整えたところで、造り付家具や建具が加わると住居が機能的になっていきます。
一体感を損なわせず、部屋として機能させていく時に建具は効果的です。
例えば、リビングとワークルームを隣り合わせで作りました。
その境には引戸があります。
作業に集中したいとき、来客があったときなどは引戸を閉じる。
反対に普段は引戸を開けて(隠しておいて)、広がりのあるリビングにしたり、と引戸の開閉によって部屋をコントロールすることが可能になります。
また、今回の改修工事では家具もなるべく造り付で進めてきました。
造り付け家具は現場に合わせて壁面と一体にして製作することを言います。
この辺りはボクらの得意分野であり、用途や希望に合わせて作れてしまう強み。
ワークルームのデスクやクローゼット収納など各部屋の収納は造り付です。
お客さんがどのように使い、どのような物を収納するか、その量や種類をヒアリングしてそれらに対応した造りが出来るのも造り付け家具の利点だと思います。
周囲の背景(白ベースの壁面など)を整え、家具・建具で機能を加え、人が触れるところなど適度に木(自然素材)で温かみを出し、住居全体がシンプルかつ柔らかい雰囲気になったんじゃないかなぁと思います。
そして、ここから先は住み手の用品(家電や雑貨やディスプレイ品など)で色味が加わってくるので、ボクらが設えるのはこの程度が丁度良かったりします。
ということで、
今回はボクの仕事のお話をさせていただきました。
家にまつわる何かしらのヒントになりましたら嬉しいです。
それではこの辺りで失礼します。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
ではまた
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