読書メモ『ほんとうの定年後「小さな仕事」が日本社会を救う』(坂本貴志 著)
定年後について不安を煽る記事をよく見かけます。自分も定年後についてnoteに書いていますが、定年後をテーマにした書籍も多数出版されています。
『ほんとうの定年後』は統計データを基に定年後の実態を明らかにし、日本の社会のために定年後の人たちが担うべき仕事について説いた本でした。
老後の不安には「健康」「お金」「孤独」のいわゆる「老後の3K」があります。
これらの不安をこの本は解消してくれます。
まず「お金」についてです。
しかしながら、
と、歳を重ねるに連れて、支出は減少していくのです。心配ごとのひとつである医療費についても、
つまり、
統計データによる説明には納得感があります。
次に、「健康」を維持し、「孤独」を避けるためには、仕事を続けることです。
これにはちょっと驚きました。定年後に雇用延長しても65歳で区切りがつきます。年金も支給されるので、65歳から新しい仕事をする人も少ないことでしょう。しかしながら、フリーランスとして仕事をするシニアが多いのだそうです。
しかも、地元などで、仕事の量や質、責任が少なく、難しい人間関係も発生しづらい「小さな仕事」こそが望ましい仕事であり、実際にそうした「小さな仕事」をする人が多いといいます。
定年後に望ましい仕事は、
・健康的な生活リズムに資する仕事
・無理のない仕事
・利害関係のない人たちと緩やかにつながる仕事
だというのは賛同しました。
日本は少子高齢化でますます人手不足は進むでしょう。そうした中で、例えばコンビニの店員や荷物の配送などのような、生活に密着した仕事であればあるほど、価値ある仕事になります。そうした地域に根差した小さな仕事を定年後の人々が担うことで、自分自身の老後の豊かな生活の実現と、社会への貢献を無理なく両立できると説きます。
私も65歳になりましたが、おかげさまで仕事があり、しかもフリーランスなので無理なく進められています。仕事も選んで利害関係に悩まされないようにしています。
この本を読んで、生き生きと活躍している先輩たちをみていると、「老後の3K」に不安になる必要はなく、70代になっても小さな仕事を楽しく続け、次世代のために役に立てれば幸せだなと思いました。