アオハルの成長痛【推薦図書】
推薦図書は、映画とラーメンをおすすめするのと同じく本当に悩ましい。
どうせ迷いつづけてしまいそうなので、
コロナ禍で読んだ中で、ふと浮かんだ2冊を挙げてみます。
(※作品のあらすじはネタバレしたくないのでしません。)
①君たちはどう生きるか
少年コペルくんの成長を描いた作品です。
彼の成長を読みながら、思っていたこと。
我が子はどうなるのかな、
自分にはこういう青春ができなかったな。
我が子と自分に投影しながら、広く思い巡らす一冊でした。
コペルくんの相談相手の叔父さんのように我が子をサポートをしたい。
もちろん母のような気持ちで見守りたい。
そして、子どもにはあんな仲間たちに出会ってもらいたい、と。
読む前にはタイトルで少々、うっ…となってましたが、
読後にあらためて、どう生きるか、と自問する良い機会かもしれません。
図らずも今度ジブリ映画で意味を持つ小説ということでは、少しタイムリーな選書になりました。(映画化を知る前に読んでいたのでただの偶然…)
②飛ぶ教室
こちらはなんとかクリスマスムード楽しもうと忙殺される年末前に読んだ一冊。ちなみに文庫の装丁もかわいい。
寮暮らしの少年たちの成長を読みながら、
我が子にこんな友情やエピソードはうまれるかな。
自分には出来なかった青春だな、と思い巡らせました。
少年たちと周りの大人たちの模様も描かれており、
両方の気持ちに入り込める作品です。
目の前の現実に疲れた時にどうぞ。
温かな気持ちももらえるし、
涼しくなりたい夏でもクリスマスシーズンを楽しめます。
以上、2冊のご紹介でした。
<後記>なぜコレ?
なぜこの2冊の本だったのか。
コロナ禍の無意識の抑圧に反応していたのかも?
子どもの未来を勝手に妄想していたのかも?
自分が出来なかった青春だから憧れたのかも?
そう、仲間との青春の心の葛藤というやつを正面からぶつかることができなかったからかもしれません。
今思えば少々悔やまれますが、性分からしてどうやってもできなかったろうと思うのです。
この本たちには自分にできなかった憧れが多分に含まれます。
時代や場所は違えど、胸を熱くするものがあります。
世代を超えて読み継がれ、読む年代で感じ方が変わる、何度も味わえる作品だと思います。
少年たちが仲間とぶつかり、
心の葛藤や痛みを感じる青春。アオハル。
このような仲間とのドラマはなかったけれど、
思いかえすとひとりで葛藤した時間はあったはず。
かつてひとりでくすぶり葛藤した私の心の成長痛も
ちょっとだけダークサイドなアオハルだったと思えるくらいの年齢になりました。
それと、大人になって、もうひとつ気づいたのは、
大人になってからも、いろんなかたちでお仲間は見つけられるということ。
大人たちにだって毎日葛藤だらけで、なんとか向き合ってるんだから、
いまだに心の成長痛はありますよね!