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「サステナビリティ×クリエイティビティで企業の課題解決を目指す」カンパニーCEOインタビュー#1(ブランドソリューションカンパニーCEO 徳山耕平)

クラダシは今年、11期目を迎える7月1日より、新経営体制になりました。これまで取締執行役員CEOとして事業を推進していた河村晃平が創業者の関藤竜也からバトンを受け、代表取締役社長CEOに就任し、さらに、社内カンパニー制を導入しました。

カンパニー制の導入は、

  • 組織・人員配置を最適化すること、

  • 各カンパニーの役割や執行責任者(CEO)の責務をより明確にし、意思決定と業務執行のスピードを上げること、

  • それにより、4つのカンパニーそれぞれの事業成長を加速や、さらなる新規事業の創出をすること

を目的としています。
中期経営計画のテーマとして掲げている「フードロス削減のインフラに」の実現に向け、主軸のECに加え、新たにブランドソリューション、サプライチェーンソリューション、ロジスティクスソリューションとカンパニーを4つに分けることで、食品サプライチェーンにおける機能拡張と新規事業の創出にコミットし、この業界において必要不可欠なインフラになることを目指していきます。新体制になったクラダシの各カンパニーCEOが、それぞれどんな想いで事業を推進していくのか、どんな未来を描いているのか、伺います。

第一弾はブランドソリューションカンパニーCEO 徳山耕平(とくやま こうへい)です。

サステナビリティ×クリエイティビティの力で企業の課題解決を目指すブランドソリューションカンパニー。CEOとして何を考え、どんな方向に向かっていこうとしているのか伺いました。


<経歴>
2007年    慶応義塾大学院 修了
同年        株式会社ザイマックス 入社
                総務人事部にてグループ全体の中途採用や新卒採用に従事、 2012 
     年に事業部門に異動し、商業施設マネジメントや新規事業に従事
2016年    株式会社Loco Partners(Relux)入社
     人事・広報・営業・管理の責任者として従事
2020年    株式会社クラダシ 入社
                人事・組織開発・新規事業開発など幅広く活躍
                CHROを経て、2024年7月より現職


新たな挑戦:「0→1」の現場を求めてクラダシへ

ーーまず、これまでの経歴を教えてください。

クラダシは私にとって3社目になります。新卒で当時、まだベンチャー企業だった不動産会社のザイマックスに入社し、人事として300人→5,000人規模になる過程の採用や組織開発、新規事業の立ち上げなど多くの経験を積ませてもらいました。

その後、子どもが生まれたことなどをきっかけに、自分自身の時間の投資先を再考するようになり、「Relux」という旅館・ホテルの予約アプリを運営するスタートアップのLoco Partnersに転職しました。同社に入社したのは、「つながりをふやす」という当時のミッションのもと、人口減少に立ち向かう日本の観光立国を、国内需要だけでなくインバウンド需要も取り込み、地域に人の流れを起こし、地域経済の活性化に貢献できるところに共感したからです。Loco Partnersでも、30人規模から200人規模までの組織拡大・事業成長に、さまざまな形で、時には人事部長・広報部長・営業部長を兼務しながら、携わり、KDDIグループジョインも経験しました。

ちょうど丸4年が経過し、KDDIジョインからも3年が経過したタイミングで、より0⇒1フェーズを求める根っからのベンチャー精神と、Loco Partnersの同僚だった河村との縁もあり、2020年にクラダシにジョイン。人事・広報・事業開発など本当に何でも、クラダシを大きくかつ面白くしていくことに関わってきて、今に至ります。

ーー改めてクラダシへの入社を決めた理由は何でしたか。

2つありまして、1つ目は私自身、実は子どものころから、環境問題に意識が向いている人間ではあったので、そこに事業として本気で向き合うということに魅力を感じたこと。そして2つ目は、これまでの経験を生かすことができそうだと感じたことです。ザイマックスでも商社・小売の皆さんとビジネスをする際にフードロスという課題は事業から切り離すことはできないというお話は聞いていましたし、Loco Partnersでもホテル・旅館様の経営課題として、フードロスは大きなキーワードでした。今まで関わってきた方々とお仕事ができたり、点と点とつないでいったりすることができそうだと想像でき、非常に面白そうだと感じたのが入社の決め手になりました。

▽過去の徳山さんの記事はこちら

組織改編:人事から離れる葛藤と事業開発の面白さ

ーークラダシでは人事、広報、その後事業開発と幅広い業務に従事したのち、CHROを経て、今回ブランドソリューションカンパニーのCEOに専念することを決められたと思います。就任にあたっての想い・葛藤を教えてください。

私が入社した時、クラダシは正社員だけでいえばまだ4~5人の小さな会社でした。そこから人事の責任者として4年間取り組んできて、やはり責任感もやりがいもあったので、人事から離れるのはどうなんだろうという葛藤はありました。個人的にも、人事と事業の両輪をまわしていく存在がスタートアップ企業にどんどん増えていくと日本経済も良くなるという信念を持っているので、その道から離れていいのだろうか…と。ただ、その一方で、ブランドソリューションの事業もこの1~2年ほどやってきて、手ごたえや喜んでくださるクライアント様がいることも実感できてきた時期ではあったので、純粋に面白そうだなという想いもありました。

ーー当初は複雑な気持ちや迷いもゼロではなかったのですね。

そうですね。ただ、人事・組織という観点から見ても、このカンパニー制の導入は意味のあるものだと感じています。たとえばEC事業とブランドソリューション事業だけを比較してみても、事業の性質も求められる能力もかなり違ってくると考えています。

これは、別の角度から見れば、クラダシで働くメンバーのキャリアの選択肢を広げることにつながるといいなという想いがあります。ライフステージの変化や興味関心の変化があったとき、あるいは自分自身も気づいていなかった能力に気づいたときに、転職や独立するのではなく、社内でキャリアチェンジの選択の機会があるのは、会社にとっても働く人にとってもとてもメリットがあることではないでしょうか。そういう意味でも、これからブランドソリューションカンパニーを成長させていく意義があると思っています。

サステナブル×クラダシで新たな価値を提供:ブランドソリューションカンパニーの挑戦

ーー改めて、ブランドソリューションカンパニーの事業内容を教えてください。

かっこつけていえば、主に企業様向けのコンサルティングを行っています。具体的には企業が抱える、ブランディングやプロモーション、更にはサステナビリティ取り組みについて、抱えられている課題に対し、解決方法を一緒に模索していくということを行っています。例えば、特定の商品のプロモーション課題であれば、その手法を検討するところから、コピーライティング、LPの制作、クライアントのSNS活用の設計や運用まで、幅広く展開しています。

私やチームメンバーが、広報やPR、人事などに深くかかわってきたからこそわかる上流の課題整理もお役に立てているポイントではないかと自負していることに加え、何より「Kuradashi」の55万人のオンラインユーザーや実店舗の「Kuradashi」たまプラーザ テラス店というリアルな場を活用することができることが、私たちの強みだと実感しています。

ーーこれまでもさまざま魅力的な企画を打ち出されてきたかと思うのですが、特に印象深い企画はありますか。

ターニングポイントになったのは、「Save Ice Project」ですね。2022年の秋に森永乳業さんとタッグを組んで行った企画なのですが、担当者の方と何度も課題を話し合う中で出てきたのが「アイス生産の大変さ」についてのお話でした。アイスは夏に消費量が大きく増えますが、設備や人員の都合上、夏に一気に生産量を増やすことはできません。そこでメーカーさんは前の年から夏に向けたアイス生産を始めます。

ただ、アイスは夏の気温が1度、2度違うだけで売り上げが左右される商品でもあります。売り上げ予測を立てることはほぼ不可能であり、予測が外れれば商品が不足して大きな問題に発展したり、逆に余剰が発生して行き場に困る可能性があるという現状を知りました。アイスは賞味期限が無いものも多いですが、季節フレーバーのようにその時期しか売ることができないものもあったり、当然に保管するだけで倉庫代・光熱費がかかってくるので、生産と販売の課題は他の商品以上に深刻なのです。

ーー賞味期限のないアイスとフードロスは遠い存在だと思っていましたが、意外とそうではないんですね。

そうなんです。そこで、スタートしたのが「Save Ice Project」という企画でした。当時少し困り始めていたフレーバーのアイス4種類を詰め合わせにして40個入りセットで「Kuradashi」で販売しました。これが想像以上に好評で。1ヶ月かけて売ろうと考えていたものが、ありがたいことに1日で売れてしまい、急遽追加でアイスを納品をしてもらう事態になりました。森永乳業さん内でも話題になったと聞いています(笑)

ーーここに加えて、もう1つクラダシらしい取り組みを組み合わせたと伺いました。

はい。1組限定アイス1,000個入りセットの販売です。まずは多くの人にアイスを楽しんでもらいたい、そして、この取り組みをあわよくばメディアの方にも、取材・報道していただきたいと思い、1,000個セットという量のアイスを企業・法人様限定で販売しました。ちょうどコロナ禍が明けかけていて、企業の集まりや大学の学園祭がリアルで開催されようとしていたタイミングでしたので、皆さんに楽しんでもらえるのではないかという期待がありました。

結果的には約10団体が購入したいと手を挙げてくださって、最終的に児童養護施設さんにお届けすることに決まりました。狙っていたテレビ取材も入っていただくことができて、かなり大きな成果を出すことができたと自負しています。

ーーその後も森永乳業さん含め、さまざまな企業様と組んで企画を行っていますよね。

ありがたいことに、さまざまな方面からお声がけいただけるようになりました。そして森永乳業さんと次はもっと面白いことをやりましょうと、第二弾としてビエネッタ40周年のプロモーション企画を行わせていただいたり、また、「私たちのバレンタインは2月15日から始まります」という企画は2022年からコツコツ続けてきましたが、2024年は規模を拡大し、東京ミッドタウン八重洲での開催が実現しました。オファーを頂く企業様のジャンルも徐々に多様になってきていると感じています。

ビエネッタ40周年

▽2022年~2024年バレンタイン企画の詳細は以下をご覧ください
2022年の概要はこちら
2023年の概要はこちら
2024年の概要はこちら

2024年バレンタインのイベント会場

ーーこのようなプロモーション施策を企画するにあたって、クラダシならではの強みはありますか?

一気通貫かつスピード感があるところかなと思います。例えば、クラダシでは、1つの商品単体をどう売るかということだけではなく、企業のブランドイメージをどう作っていくか、場合によっては、どう人材の採用につなげていくのかというところまでも、一緒に考えることができます。また、先述の通りEC「Kuradashi」には55万人の会員がいて、たまプラーザ テラスにも実店舗を持っているので、そういった自社のアセットも活かして、ソリューションを提供することが可能です。自ら社会貢献活動も幅広く行っているクラダシだからこそ、自治体や非食品企業など、関わっているステークホルダーが非常に多く、そこから企業様の課題に合わせて、提案やパートナー探しができるのも強みだと考えています。

活躍の場、拡大:ブランドソリューションカンパニーの目指す未来

ーーこれからブランドソリューションカンパニーはどこを目指していくのでしょうか。

先ほどお話ししたこととも重複しますが、最近では食品メーカー様以外の業界の方からもご相談をいただける機会も増えており、今後はこの流れを更に拡大していきたいと考えています。
サステナブルな取り組みを行っている企業様は現在進行形で増えていると思うのですが、それだけでは人を集めること、注目を集めることは難しいのが現状です。そこで、クラダシと連携することで、新しいこと・面白い取り組みを行えると期待を寄せていただけているのかなと感じています。

ーー少しフードロスから離れてしまう気がするのですが…

確かに、おっしゃる通りかもしれませんが、ミッションである「ソーシャルグッドカンパニーでありつづける」につながるよう、広くサステナブルな取り組みは発展させていきたいと考えています。また、直接的なフードロス削減になるわけではないですが、私としては「循環」であるとも考えています。フードロスとは別の領域での活動が食品メーカー様にクラダシを知ってもらえるきっかけになるかもしれませんし、消費者の方々に、サステナブルな選択肢やフードロスという課題について、または、クラダシという会社を知っていただく機会の増加にもつながると思っています。そういう意味でも、これから事業の領域を広げていきたいです。

ーー広報や啓発活動のような意味合いもあるということですね。

そうですね。フードロス含め「サステナブル」という概念は、まだ日本全体として一定の距離感があるものだと感じています。同時に、本心から大事なことだと思っているけれど、方法が分からず、行動することができていない個人や団体も多いのではないかとも感じています。クラダシがハブとなり、それぞれが持っている課題と課題をつなげていくであったり、取り組んでみたけれどいまいち価値になっていないというようなものを価値にする手助けをするであったり、さまざまな場面で個人や団体、企業を「つなぐ」存在になれたらと思っています。大きい話になってしまいますが、このような活動を通じて、今の世の中の空気感を少しでも変えることができれば嬉しいです。

ーーブランドソリューションカンパニーは仲間を募集していますよね。
最後に、採用候補者の方にメッセージをお願いします。

面白いことを一緒にやりたい人、お待ちしています。個性あふれる人がたくさんいるチームを作りたいという想いがあります。特にブランドソリューションカンパニーにおいては、自由な発想や創造性が代えがたい武器になると思っているので、それぞれの強みや個性を活かして仕事に取り組んでもらいたいと考えているからです。今のチームメンバーもバラエティーに富んでいて、私自身、非常に楽しく、頼もしく、お仕事させていただいています。そんなチームを一緒に大きくしてくださる方と働くことができれば光栄です。

▽クラダシの採用情報はこちら

次回はロジスティクスソリューションカンパニーについて築地 雄峰(つきじ ゆうほう)さんにお話をお伺いする予定です。お楽しみに!


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