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エッセイ

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初演からのバトンを。    久野那美

初演からのバトンを。    久野那美

※ウイングホットプレス6月号 裏面に書かせて頂きました文章を、
noteにも載せてみます。

ウイング再演大博覧會に初参加する、「トレモロ」さんのご紹介です。トレモロさんは、早坂彩さん演出で、久野那美作「Port-見えない町の話をしよう-」を2024年6月21-23日、ウイングフィールドで上演されます。

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「見逃した芝居は面白い」ウイング再演大博覧會が15年ぶりに行われます。

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洗濯物の分別の仕方について。

「誰が」ではなく「どの側面が」という問題。

誰が強者で誰が弱者かということを、「どの側面において?」を抜きに判断することはできないと思うし、誰かが「常に配慮すべき側の」健常者で誰かが「常に配慮されるべき」障碍者であるとも私は思わない。

弱い人ではなく、それを弱いとみなす価値観が、

正しい考え方ではなく、それを正しいとみなす価値観が、

あるのだと思う。

「弱者とは誰のことか?」「障碍者とは

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それは演劇なのか?

それは演劇なのか?

「存在を認識されないこと」は否定されることよりはるかに哀しい。次元の違う、解決不能な哀しみ。相手が認識していないものについては議論することも説明することもできない。相手が認識していないものについて切実に語る姿は、認識していない相手から見れば、観念的な言葉を弄して虚構を語るスノッブな態度に見えるだろう。(あるいは、認識していないことを非難したりマウントとったりしているように見えるかもしれない。)

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原因と対策

原因と対策

個人がミスをした時。謝って反省して善後策の指示を仰げば責任者が解決してくれるし自分も経験値が増えるのに、反射的に「そもそも体制に問題があったのではないか?」と<正義の提案>をすることで個の問題ではないところに視点をずらして個別の問題を共有できないところに味方をつくって自分を守る→ことで問題を個人の手におえない形而上学的な大きさに広げて具体的な解決から遠ざけて、結局自分も周りも傷つける……………とい

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