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One-man Gourmet

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食の伝道師 " 鳴海邦彦が自らの鼻と舌、そして脚で見つけた隠れた名店を食べ歩く。
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2020年7月の記事一覧

ワンマングルメNo.57「ラーメンは二郎系がそれ以外かである。神よ我を許したまえ"ラーメン タロー 五反田の陣"抗しがたき甘き脂の誘惑」

最近疲れているせいかジャンクなものが無性に食べたい。  そんなわけで年甲斐もなく久々の二郎インスパイア系。  以前から気になっていた東急池上線"大崎広小路駅にほど近い"ラーメン タロー 五反田の陣"に足を運んだ。  店内に入りおもむろに左手の発券機で「小ラーメンW豚入(950円)」を購入。  空いているカウンター席に座ると、発券機から出てきた豚の絵柄が描かれたプラスチック製のチケットをカウンターに置き「麺かためで」とファーストコール。  待つことしばし、出来上がる直

ワンマングルメNo.56「ハイクオリティな自家製麺と上品な出汁つゆが奏でる肉そばのシンフォニー 高本製麺所 "豚うまネギうどん"」

 神谷町交差点から愛宕グリーンヒルズMORIタワーに向かい200メートルほど進んだ左手、「芝学園下」きわにある"高本製麺所"は、神谷町や愛宕に職場があるサラリーマン、OLなら知らぬ者がいないほど有名な立ち食いそば屋である。  この店のそば・うどんとも自家製麺。数あるメニューの中でお勧めなのが"カレー(そば・うどん)"と"豚うまネギ(そば・うどん)"。特に"豚うまネギ(そば・うどん)"は超お勧め。  店正面に「(有)高本製麺所」と書かれた木看板を掲げた昔懐かしいレトロな店構

ワンマングルメNo.55「五反田のガード下で至高の立ち食いそばを食らう。自家製麺とスペシャルソースが織りなす至福の逸品。五反田 後楽そば」

 有楽町駅ガード下時代からの常連であった後楽そば。立ち食いそば屋でありながら、後楽そばと言えば焼きそば、焼きそばと言えば後楽そばというほど言われるほど焼きそばファンには絶大な知名度を誇る後楽そばだが、有楽町周辺の再開発のため有楽町駅の少し離れたガード下に移転、しかしそれもつかの間、JR有楽町駅の耐震工事のために多くのファンに惜しまれながら立ち退き閉店となった。  それから数年後、後楽そばは五反田駅ガード下、ソニー通りに面したかつて寿司屋が入っていた場所に不死鳥の如く復活した

ワンマングルメNo.54「鰹節問屋直営の立ち食いそば屋"そばよし"の至福」

 日本橋の本店も含め、京橋、神谷町と都内に3店舗を展開する"そばよし"は、鰹節問屋が直営する異色の立ち食いそば屋である。  良質な鰹節をふんだんに使った"命の出汁"に、甘味を抑えた返しを合わせ、化学調味料を一切使わずに仕上げた贅沢なそばつゆは、温かいそばにも冷たいそばにもベストマッチする。もちろんそばは配合にもこだわった自家製麺を使用している。  "そばよし"は京橋店には足繁く通っていたが、たまたま今日は神谷町で所用があったので、神谷町店を来訪した。  店内右手の発券機

ワンマングルメNo.53「葉山一色でヌーベル・シノワ。 和樂(かずら)にて"五目炒飯"と"海老のマヨネーズあえ"を食す」

 炒飯は、火加減、具材とも非常に奥が深く、ごまかしが効かない分、料理人の腕が如実に表れる一品である。  極論すれば、炒飯が美味しければその店の大半の料理の味は大体予想がつく。  炒飯マニアの自分が惚れ込んでいるのが御用邸にほど近い葉山 一色のヌーベルシノワ "和樂(かずら)"の五目炒飯である。  口に含むと脂部分はトロっと蕩け、肉の部分はしっかりとした歯ごたえを感じさせる自家製チャーシュー、大ぶりで絶妙の火加減でプリップリに仕上げられた海老、意外な味のアクセントになるハ

ワンマングルメNo.52「料理の美味さは太鼓判。表参道の気取らないビストロバル "表参道ワイン食堂Den"」

 気楽にフレンチとワインを楽しみたい時によく立ち寄るのが、表参道交差点の交番裏路地を入ったすぐのところにある"表参道ワイン食堂Den"。  高級フレンチレストランが立ち並ぶ表参道・青山エリアにあって、"表参道ワイン食堂Den"まさにフランスのどこの都市にもある街のビストロそのもの。ふらりと立ち寄り、手軽に呑んで食べて尚且リーズナブルという使い勝手の良いお店。1人でがっくり呑んで食べるもよし、仲間とわいわい盛り上がるもよし、もちろん二人きりのデートでもOK。  この店のお勧

ワンマングルメNo.51「マーロウのプリンで気分はパラダイス」

 久しぶりのマーロウ。  マーロウは重厚なビーカーの入れ物で全国的に有名な、南葉山 秋谷に本店を構えるプリン専門店。  現在は秋谷本店以外にも葉山マリーナをはじめ、葉山・逗子エリアを中心にイートイン可能なレストランを多数オープンさせ、さらに、横浜や都内の有名デパートなどにも出店している。  数あるマーロウのプリンの中で、特に好きなのが北海道産のフレッシュクリームをふんだんに使った「北海道フレッシュクリームプリン」。滑らかな口溶けはまさにビロードのような舌触り。一口含むと

ワンマングルメNo.50「家系のカリスマ"髭の店長"が作る戸越銀座のソウルフード"らー麺 家道(いえみち)"」

 東京でも一二を争う人気商店街である品川区戸越銀座商店街。  様々な店が軒を連ね、終日買い物客で賑わっている戸越銀座商店街だが、個人的に満足できるラーメン店が見当たらないのが長年に渡る不満点だった。と思っていたら灯台もと暗し、本日ついに池上線「戸越銀座」駅から中原街道方向に100mほど進んだところに好みの家系ラーメン店を発見した。その名は"らー麺 家道(いえみち)"。  新中野武蔵屋系の人気店らしく、ランチタイムにピークを過ぎた14時あたりでも店内はほぼフルの状態。座席は

ワンマングルメNo.49「ラーメン激戦区 目黒に醤油ラーメンの真打ち登場 "中華そば 竹むら"の衝撃」

 目黒はラーメン激戦区である。名の通った名店が軒を連ねる権之助坂近辺は激戦区 目黒の中でもコアゾーンとも言える熱いエリアである。  そんな権之助坂エリアの中にあって、ひっそりと店を構えているのが"中華そば 竹むら"である。  "中華そば 竹むら"は練馬の名店"ます田"の系列である。そのため"ます田"同様、鶏出汁ベースの深いコクのあるスープと全粒粉のストレート麺が一杯の基本となる。  まずスープは大山鶏を贅沢に使い出汁をとり、そこに真昆布、椎茸からとった出汁を加え10時間

ワンマングルメNo.48「真鶴半島で磯料理を食すなら文句なくこの店。"うに清"の磯料理に思わず舌鼓」

 真鶴でイチ推しの磯料理の店"うに清"は、小田原方向から国道135号線を熱海方向に走り、JR真鶴駅前を左折して県道739号線(真鶴半島公園線)を南下、左手にダイバーの聖地"琴ヶ浜海岸"左手に見てしばらく進んだ右手にある。  観光地である真鶴半島には数多くの磯料理店があるが、正直、観光客向けの「高かろう、悪かろう」の店も散見されるのも事実。そんな玉石混交の真鶴磯理店の中にあって、"うに清"は価格、質、雰囲気、サービスともすべてのおいてクオリティの高い良店である。  "う

ワンマングルメNO.47「渋谷 道玄坂上にカレーの名店あり。"CURRY KAILAS(カリー カイラス)」

 渋谷駅から109を横目に見ながら道玄坂を上がり、頂上付近の道玄坂交差点を渡り、左に曲がってすぐの右手に"CURRY KAILAS(カリー カイラス)"はある。  カイラスのカレーはスープカレーのようなシャバシャバ系とは異なり、ドロっとした粘度の高いルーが特徴。個人的には好みのタイプ。  味はいわゆる「お母さんのカレー」系で、東銀座のKONWAビル地下のカレースタンド"RASA(ラサ)"に近い。味の特徴として、スパイシーでコクが有るタイプ。じっくりと煮込まれ、ただ辛い

ワンマングルメNo.46「夜の銀座で世界の海老を堪能 "マダム・シュリンプ " の甘い誘惑」

 日本人は世界でも類を見ないほど"海老"好きな民族である。そんな日本人にとって、まさに"夢のレストラン"言っても過言ではない海老専門のレストランが花の銀座にある。  その名は" マダム・シュリンプ "。  海老好きが憧れる海老料理の殿堂"マダム・シュリンプ"は、新橋の土橋交差点から外堀通り(通称"電通通り")を有楽町の数寄屋橋方向へ歩き、外堀通りが花椿通りと交わる交差点少し手前、1階が薔薇専門店のプラーザ銀座ビル地下2階でひっそりと営業している。  この店の売りはな

ワンマングルメ No.45「変わりゆく渋谷で変わらぬ味を守り抜く台湾料理の老舗 " 麗郷(れいきょう)」 "

 日に日にその姿を変貌させてゆく街 "渋谷"  昔から渋谷で遊んでいた古い人間からすれば、相次ぐ再開発で古き良き渋谷の風情や空気感がどんどん希薄になり、良く言えば「近代的でクリーン且つ合理的」、悪く言えば「無味乾燥で味気ない冷たい」街へ変わりつつある渋谷に一抹の寂寥感を感じる。  そんな渋谷の中でも、唯一、渋谷本来の猥雑で人間味溢れるエリアが"百軒店(ひゃっけんだな)"である。  かつて花街があった円山町を包括する百軒店(ひゃっけんだな)のメインストリート" 道玄

ワンマングルメ No.44「麹町"ラ•タベルナ"の看板メニュー "牛肉の薄切りステーキ スパゲティとバターライス添え"を食さずして大食いを語るなかれ。」

 麹町のイタリアン"ラ•タベルナ"は、日本テレビの本社が麹町にあった頃からの常連。当時はランチタイムともなれば、局のスタッフ(特に制作回り)や周辺のオフィスで働くサラリーマンで物凄い賑わいだった。  この店のメニューはデフォルトで大盛りが当たり前。そんなメニューの中でも、体力勝負の局制作スタッフたちの旺盛な食欲を満たし続け、未だに名物料理としてダントツの人気を誇っているのが"牛肉の薄切りステーキ スパゲティとバターライス添え"である。  "添え"という表現がこれほど似つか