西国三十三所観音巡礼【新那智山 今熊野観音寺】 京都
巡礼の日。
京阪電車の東福寺駅で下車。
歩いて15分ぐらいか、途中寄り道しながらだったので定かでないが
本町通りを北に向かい、東福寺を通り過ぎて東に上がっていく
泉涌寺の手前にあるお寺。
こちらの参詣、楽しみにしていた。
というのは、前々回の六波羅蜜寺で御朱印をいただいたときにお話しした方が
観音寺をおすすめというか、よくおっしゃっていた。
はじめて聞くお寺だった。
第十五番霊場
今熊野観音寺(いまくまの)
宗派 真言宗泉涌寺派
開創は825年、嵯峨天皇の勅願で弘法大師によって開かれた。
そう、ここにも弘法大師さま。
なだらかな泉涌寺の参道の途中を左を入る。
赤い橋、鳥居橋を渡る。
下を流れるのが今熊野川。
橋を渡り参道を抜け階段を上がってすぐにお目見えするのが
『子護大師』
足元に3人の子供が囲んでいる、いつもの大師さまの厳しい修行のいで立ちとは
だいぶ違った、なんとも和やかで優しい姿で、はじめ誰かわからなかった。
大師さまの後ろの階段を上がると正面に本堂。
もみじが色づき始めていた。
本堂の中は煌びやかに輝き華やかなお堂内。
御本尊の十一面観世音菩薩は弘法大師御作と伝えられる、身丈一尺八寸
秘仏で、代わりに同じお姿の御前立様は立たれている。
弘法大師がここに開創した由緒は
開創の弘法大師をお祀りするお堂。
大師堂の手前に、ぼけ封じ観音という観音様がいらっしゃった。
しっかりお参りするべきだった!
そして山に朱が鮮やかに目立っている塔、医聖堂。
医界に貢献された方が祭祀されている多宝塔。
医聖堂からの鐘楼に下りる森の道、静寂で気持ちが良い。
山を下り、子護大師様を後に鳥居橋に向かう途中の道で
季節外れの緑の交差が美しかった。
そしてもみじの色の重なり。
真っ赤に紅葉したものも美しいが、ワタシはこんな色のグラデーションが好き。
とてもいいお寺だった。
やはり、山のお寺がいい!
何よりも静かで、京都でもこんなに落ち着いてお参りできるお寺があり安心した。
そしてこの巡礼をしなければ、おそらく訪れることはまずなかったであろう場所。
知るきっかけになりよかった。
これから訪れるお寺は初めてのところばかり。
楽しみ。
御詠歌
昔より立つとも知らぬ今熊野 仏の誓いあらたなりけり
紅葉を楽しむならもう少し先がよさそう。