見出し画像

【読書感想文】台所に人生がある

たまたまツイッタXに流れてきて知ったエッセイ本。

「キッチン」ではなく「台所」という言葉をチョイスしているところも、惹かれた要因だと思う。
なので、普段文章にするときは「キッチン」と表記するけれど、今回は「台所」で書き進めていく。

生きていくためには食べる必要がある。
どんな状況におかれても、人は生きるために台所に立ち、料理を作るのだ。
だからこそ台所には、その人のドラマがあり、人生が詰まっている。
心が温まるお話もあれば、ほろりと涙が流れるお話もあった。

読みながら気づいたけれど、どうやらこの本はシリーズの何冊めからしく、以前取材したお宅に再訪問しているお話もあった。
長い時間を経ると、同じ台所でも、また違った物語が生まれている。

一日三食作っていると、台所に立つ時間は長くなる。
私が毎日立つ台所にはどんな物語があるのだろう。
昔は幸せな場所だったけれど、使いにくかったあの頃よりも、使い勝手が何倍も良くなったはずの台所は、少し前に息苦しい場所になってしまった。

けれど、気の持ちようで、とても楽しく幸せな場所になることも知っている。
いまはその途中。
私にとっての台所の物語は、その時によって少しずつ変化している。
それは私の人生と同じで。
なるほど、やはり人生とは台所から見えてくるのかもしれない。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集