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【Audible書評】You're Not Listening (Kate Murphy)

ちょうど1年前にGDCFのキャリコン研修で、傾聴のロープレに苦戦していた頃。担当講師からおすすめされた本の1つがこちら、邦題「LISTEN」、原題「You're Not Listening」です。

全人類におすすめしたい。もしこれを、全世界の人が読んで納得して実践したら、無駄な戦いが減るのではないかと思うのです。

原題のほうが、とてもストレートかつ本書の趣旨が端的に表されていて好きです。

You're Not Listening -What you're missing and why it matters-
あなたは、実はちゃんと人の話を聞いていない
- 聞き逃していることは何か、聞くことがなぜ大事なのか-

日本語版の書籍はありますがAudibleはありません。買ったのですが、分厚くて持ち歩いて読むのもちょっと・・・ということで、英語リスニングのトレーニングも兼ねて、英語版のAudibleで聞きました。今年、もっとも繰り返し聞いた本の1つかもしれません。著者自らが朗読していますが、とてもクリアで聞き取りやすいアメリカ英語です。

事例がふんだんに取り入れられ、研究論文などの論拠もはっきりしていて、安心して読める(聞ける)内容です。

テーマは、いかに人の話を「聞く」か。あるいは、いかに「聞いていない」か。

自分も含め、人と会話している時、無意識に「次に自分は何を言うか」考えながら聞いているもの。誰でも自分のことをわかって欲しいし、聞いてほしいので、つい話の主導権を握りたくなるのが常です。相手を批判して、自分を正当化したいという気持ちで発言することもあるでしょう。

ここで言う「聞く」を言い換えると、傾聴、あるいはアクティブ・リスニング。相手に関心を持って、共感を示し、安心して話せる環境の中で、相手が発言の真意をつい話してしまうような聞く態度。本当にうまくいくと、本人すら自覚していない無意識の思いが、表に出てくることもあります。

本書の例とは異なりますが、例えばこんな会話のレスポンスの例

A:昨日、xxx っていうSF映画見たんだけど、おもしろかったよ。
B:へえー、SFってあんまり見たことないな。

A:昨日、xxx っていうSF映画見たんだけど、おもしろかったよ。
C:へえー、SF見るなんて珍しいね。どんな映画だった?

Bさんは、「あまり見たことない」と自分の話で返してしまったのに対し、
Cさんは、Aさんが聞いてほしいであろう「xxx っていうSF映画」や、その映画を見たAさんの気持ちについて質問を投げかけて、Aさんが話したいことをもっと話すきっかけを提供しています。

ジェンダー差別するつもりは全くありませんが、これはあるある話です。
 男性の「聞いている」は、相手の言葉を復唱できること
 女性の「聞いている」は、相手が自分の話に共感してくれること

聞いて欲しい相手の気持ちに寄り添って、さらに深掘りする。
キャリコンの試験前も後も含めて、何度もこの本を読んで(聞いて)、日常生活の中で、傾聴モードのON/OFFを意識的に切り替えられるようになってきました。

1日中、ずっと傾聴するのは無理です。めちゃ疲れるし、現実的じゃありません。私だって、話を聞いてほしい!1 on 1や、カウンセリング時など、ここぞというところで「相手の話したいことを聞く」をやってみるといいと思います。コミュニケーションが変わって、周りの反応も変わって、自分の気持ちも穏やかになります。

詳しくは、ぜひLISTENあるいはYou're Not Listeningをお手に取ってみてください。


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