【Audible書評】2024年に聞いた小説のリスト
2025年になりました。あけましておめでとうございます。
今年もいい作品に出会えることを楽しみにしつつ、昨年聞いた本たちをざっと振り返ります。
鈴木光司の作品(「リング」シリーズ他)
日本語学習の生徒と映画やアニメの話をする機会が多いのですが、その中で映画「リング」の日本語版と英語版の比較が話題に上がり、そういえば原作はどうなっているのだろうと思い、鈴木光司の「リング」をAudibleで聞き流し始めました。
映画と小説で、結末が全然違う?!井戸から出てくるあのシーン、小説では・・・・
そのままリングシリーズを立て続けに聞きました。リングシリーズは、回を重ねるごとに前作を否定するような、それでいてつながっている、不思議なSFでした。ホラーではなく、SFですが、それでいてホラーのような背筋が凍るシーンも。
リング
らせん(リングシリーズ第2弾)
ループ(リングシリーズ第3弾)
バースデイ(リングシリーズ第4弾)
エス(リングシリーズ第5弾)
タイド(リングシリーズ第6弾)
仄暗い水の底から
アイズ
エッジ
貴志祐介の作品
ホラー続きで、こちらの作家の作品を聞きました。
黒い家
怖いなー、グロいなー、血なまぐさいなー。
という作品を聞きたい方、救われない結末にドーンと落ち込みたい方(?!)はぜひ。「変な家」のようなミステリー感よりも、純粋にグロいです。。。
クリムゾンの迷宮
デスゲーム系でしょうか。小一時間くらい聞いて、もういいかなと思ってやめてしまいました。。知らない場所で目が覚め、知らない誰かの指示にしたがってゲームを進めないと・・・のやつです。Netflixの「イカゲーム」を超えない予感。
松本清張の作品
実写版「黒革の手帖」(米倉涼子バージョンよりも武井咲バージョンが好き)を見たことがありますが、小説を読んだことがなかったのでお試しを。
点と線
火曜サスペンス劇場に出てきそうな、昔懐かしい電車のダイヤを巧みに利用したトリックです。昔の作品は、当時の仕事の様子や(パソコンが出てこない)や文化・風習(親に決められたお見合いをする、飲み屋で芸者遊びをする)がわかったり、新幹線がない、女性一人旅は奇異の目で見られるなど、現代との差異にも風情を感じます。
また時間があったら、他の作品も聞いてみたいです。
小林多喜二の作品
おすすめに出てきたので、タイトルは見たことがあったし、長くない作品だったので聞いてみました。最初は、声優の声がなんとなく耳に合わないなと思い、別のナレーターによる朗読を聞きました。
蟹工船
戦後か戦中か、その昔の話。北海道のカニ漁にでて、がっぽり稼ぐことを狙う男たちが、危険を犯して厳寒の海原に出ていく話です。人間の命が軽く扱われていた時代の、男たちの残酷物語。。。東映か松竹のモノクロ映画ならありそうですが、今の時代、どうやっても描くことのできない世界観だと思いました。
宮部みゆきの作品
もともと小説はいくつも読んでいたのですが、2023年以前に俳優の三浦友和が朗読した『火車』を聞いて、久しぶりにハマりました。
『模倣犯』など長編は、人物像の描写がちょっと細かすぎて、内容がぜんぜん進まねーと思い断念したこともあったのですが、久しぶりに時代ものの短編を選んでみました。
影牢(かげろう) 朗読:笹野高史さん
これ、聞き始めて気がついたのですが2回目でした(ボケてました)。
朗読は、俳優で名脇役の笹野高史さん。私が今まで聞いたAudible作品の中で、最高の声の演技でした。ぜひ、高音質のヘッドホンを使って、笹野さんの息遣いまでじっくり聞いていただきたい。作品の陰湿さ、恐ろしさが引き立ちます。
山崎豊子の作品
丹念な取材に基づく長編大作を描く山崎豊子さん。
その昔読んだ『大地の子』の第1巻の衝撃は、言葉にできないものがありました。。。
別の作品は実写版の映画もありますが、最初から原作を読もう(聞こう)と思い、聞き始めたらすっかりドハマりしました。ただいま、以下の2作品とも絶賛視聴中です。
不毛地帯
華麗なる一族
不毛地帯は、大戦後のシベリア抑留の過酷で凄惨な描写のあと、軍参謀上がりの男がビジネス(商社)の世界で生きていくさまを描くもの。4巻まで一気に聞き、5巻のリリースを待っているところです。もどかしい。
待ちきれないので別の作品を聞くことにしました。たまたま、日本語学習者さんから「The Family」というドラマをNetflixで見ていると言われ、調べたところ、それは『華麗なる一族』でした。キムタク版と向井理版がありますが、雰囲気的にはキムタク版がいいかな・・・
ドラマを見始めましたが途中でやめ、Audibleで原作を聞くことにしました。財閥を広げるため、主要株主や役人・政治家の子息・親族との政略結婚が堂々と行われていた時代。本人たちの気持ちは全く無視の結婚ですが、それでも夫婦になって、親同士がつながって、子どもが生まれて、血がつながっていく。女性は結婚したら、なんの疑問もなく自然に専業主婦。こういう時代には少子化と無縁だったでしょうが、個人の幸せという観点ではつらい。今の時代に生まれてよかった。まだ絶賛視聴中です。
ビジネス書も色々聞きましたが、振り返ってみると2024年は小説をよく聞きました。2025年も、引き続きぼちぼち書評というか視聴履歴を残していきたいと思います。