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『イルカも泳ぐわい。』朝井リョウも絶賛!お笑い芸人・Aマッソの加納愛子がつづる初エッセイ集

タイトルに惹かれて買ったものの、ここまで笑えるとは思ってなかった。

お笑いコンビAマッソの加納愛子さんによる『イルカも泳ぐわい。』。「Webちくま」で連載されていたエッセイ「何言うてんねん」の書籍化作品です。

読んでるあいだ、ずーっとニヤニヤしてました。

連載タイトル通り、「この人、ずっと何言うてんねん?」って混乱しました。たのしい混乱です。なおかつ読者を置き去りにしない、ぶっ飛びの塩梅もすばらしい。

とにかく文章がキレッキレ。「ただのお笑いが大好きなガキ」が、「お笑い芸人」として生きる今を、独特な空気感でつづったエッセイ集でした。


妄想力の高さに、感動すら覚えるエッセイ集

小説家の朝井リョウさんが、下記の帯メッセージを送っていました。

罠みたいな本。加納さんの頭の構造を覗けると思ったのに、さらに謎が深まったうえ、好きだけが増しました。

まさにそのとおり。罠みたいな本だった。

なんだか、ずーっとコントを見せられてる感覚。コント漫才かな。エッセイを読んでいたはずなのに、途中からまんまと加納ワールドに迷い込んでしまう。

読んでいて感じたのは、語彙や物事の形容の引き出しがとても豊かな方だなということ。造語も面白いし、この人のファンかどうかは関係なく、「言葉」が好きな人が楽しめる内容だと思う。

後輩フワちゃんの書評も!

AマッソはYouTubeチャンネルもやられていて、そちらで、相方の村上愛さん(あいぴー)が読書感想文を読んでました。仲良しね。

学生時代からの付き合いということで、当時のエピソードが書き下ろしで載っています。あとね、上の動画でも触れられていますが、後輩のフワちゃんによる書評もとっても楽しい。

あーもうほんとに読んでよかった。おもしろかった。

「お笑い」に対する情熱がゴリゴリに感じられる、お笑い芸人さん感120%の1冊。これはかなり好きな部類!おすすめです。


■この本が気に入った方には、こちらもオススメ

ハライチのじゃない方芸人と言われ続けてきた、岩井勇気さんのエッセイ。タイトル通り、事件の起きない人生なのに、どんどん読みたくなる面白さ。日常を、自分のトンデモチャレンジや考え方で面白いものにしていく手腕が凄まじいです。見習いたくなるよ。


■他にも、おすすめ揃ってます!
今、お笑い芸人のエッセイが熱い!おすすめ芸人エッセイ5選――こちらでも『イルカも泳ぐわい。』の紹介あり!
『社会人大学人見知り学部 卒業見込み』若林正恭――オードリー若林の初エッセイ。M-1準優勝後の社会人生活を振り返る
『正欲』朝井リョウ――作家生活10周年記念作品。多様性を礼賛する現代社会の違和感に斬りこんだ傑作長編

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熊野ねこ
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