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『そして誰もいなくなった』親切設計!アガサ・クリスティーが送る、初心者向けミステリー


あなたは、アガサ・クリスティーと聞いて何をイメージしますか?

今日の一冊は、ミステリーの名手アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』を紹介します。


ミステリー処女にも優しい、世界的ベストセラー


恥ずかしながら私、アガサ・クリスティーと聞いても『名探偵コナン』のアガサ博士しか出てこなかったんです。ミステリーって頭使うじゃないですか。「ぼけーっ」っと読んでると置いてかれるので、ほとんど読んでこなかった。

そんな私がなぜおすすめしているかというと「今、何がどうなってるんだっけ?」がわかりやすい親切設計になっているから。

全世界で長年愛されてきただけあって面白さはお墨付きだし、一般知識を増やす意味でも、読んでおいて損はない。ミステリー処女はぜひ、この作品から読んでみてほしいのです。

ちなみに、この記事ではネタバレしません。安心して読んでね。

登場人物なんと10人!覚えるのは諦めよう


まず、ページを開くとその登場人物の多さに度肝を抜かれるのです。

●登場人物
ロレンス・ヴォーグレイヴ・・・元判事
ヴェラ・クレイソーン・・・体育教師
フィリップ・ロンバード・・・元陸軍大尉
エミリー・ブレント・・・老婦人
ジョン・マッカーサー・・・退役将軍
エドワード・アームストロング・・・医師
アンソニー・マーストン・・・青年
ウィリアム・ブロア・・・元警部
トマス・ロジャーズ・・・執事
エセル・・・執事の妻

多い。多すぎる。しかも私たち日本人にはなじみのない、覚えづらい名前のオンパレード。ミステリー大好きっ子でもなければ「あー無理!覚えられん!」って投げ出したくなるんじゃないか。

でも大丈夫。落ち着いてください。ここは名前を覚えるのは諦めて、職業で覚えましょう。そうやって読んでも、最後まで問題なく読めます。

なんという伏線!親切設計のスタート


物語のあらすじを少しだけ。

舞台はイギリスの孤島。島の主であるU.N.オーエン夫妻に招かれた8人と、2人の執事が島の屋敷に集まるところから始まる。

なぜか招待してきたオーエン夫妻の姿はないので、とりあえず全員がそろうまで各自宿泊する部屋に入ると、こんな詩が飾ってあるのです。

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おお、なんというわかりやすさ。「きっとこの通りに事件が起こるのね!オッケー!」と安心して読み進むことができる親切設計です。

こっちは次に起こりそうなことがわかっているから、登場人物たちがこの詩に沿った行動をすると「あー!ダメダメ!殺されちゃうよっ!」ってドキドキできる面白さもある。


最後は答え合わせまで!復習もできちゃうミステリー


現実が詩の最後の『そして誰もいなくなった』にたどり着いたら、気になるのは犯人よね。この作品の何が親切かって、物語の最後に「ここにヒントがありましたよ」っていう振り返りパートがあること。

そのヒントの数々に「あー!そっかー確かに!」って納得しつつ、きっと他のミステリーも読んでみたくなる。『そして誰もいなくなった』は、そんな名著です。食わず嫌いで読まずにいた方も、この機会にぜひ。


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