『デザインの骨格』Suicaの自動改札機をデザインした山中俊治から学ぶ、感覚を射抜く言葉の大切さ
感覚を射抜く言葉を見つけよ。そうすれば、つかみかかっていることが確かなものになる。
うひょー!かっけー!
今日ご紹介する『デザインの骨格』は、デザイナーの山中俊治さんという方のブログをまとめたエッセイ本です。
冒頭の言葉は、頭の中のデザインを表現するために大切なこととして、本の中で述べられた一節。その言葉が、デザインの骨格になるよ!って話。
こうも付け加えられています。
デザイナーにとっては、言葉はとても大切です。自分がつかみかかっている大切なものを表現するために、ていねいに、にごり、陳腐、あいまい、誇張を排除していくと、ごくまれにドンぴしゃの言葉に行き当たります。
これ、すべての創作活動に共通する考え方よね。
わたしも、こうして毎日読書感想文のような文章で本をおすすめしていて、ときどき、ほんとーにときどき、「あ!これだわ、わたしが伝えたかった感情は!」って文章が出てきたりする。
ちなみに、紹介しておいて悪いのですが、Amazonには中古しか無かったー!しかし、他の通販サイトは取扱なしになっていたので、一応載せておきますね。この感じだと書店にも無さそうなので、取り寄せてもらうのが良いかな?定価は1,760円なので注意!
日常に溶け込んだあのデザインを考察する1冊
もうね、何がおすすめかって!知的好奇心をくすぐる内容がてんこ盛りなのです。iPhone、MacBookに代表されるApple製品の分解話から、その細部に宿るこだわりの解説が始まり、一気に引き込まれちゃう。
あとね、Appleとダイソンの対照的な理想についての解説も興味深かった。Appleは「新しい使いやすさを提案」するのに対し、ダイソンは「新しい機械原理」を提供するって話。
Appleはユーザビリティ(直感的にこう使うんだなってわかるような使いやすさ)を追い求めたデザインになるけど、ダイソンは必ずしもそうじゃないんだって。たしかに、ダイソンのドライヤー、電気屋さんで試したとき使い方わかんなかったわ。だけど、その革新的なところに、ずば抜けた魅力があるよね。
これ以外にもたくさんの「えー!そうなんだ」が詰まってるので、ぜひ読んでみてください。ちょっと文章長くなったので割愛しましたが、代表作である駅のSuicaを「ピッ」とするところのデザイン秘話は、かなり読みごたえがある。
では、今日はここまで。
『デザインの骨格』に興味を持ったけど「新品を定価で手に入れるのが手間だわ」って方は、続編の『デザインの小骨話』もおすすめ。こっちも面白い!
■他にも、おすすめ揃ってます!
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