『断髪女中』昭和の流行作家、獅子文六の短編集!当時は珍しい、働く女性などがテーマの作品を集めた1冊
あなたは、獅子文六という作家をご存知でしょうか?
このブログでは何回か取り上げているのですが、昭和の時代、太宰治とだいたい同じ時期に活躍されていたお方です。
いまや知らない人はいないと思われる、NHK朝の連続テレビ小説、いわゆる朝ドラ。記念すべき第1回目の原作を担当した方でもあります。
今回は、そんな獅子文六の『断髪女中』をご紹介。
登場人物やテーマが、執筆当時にはとても先進的で、今読んでもまったく古さを感じさせない、スタイリッシュなケレン味あふれる作品が詰まってます。
女性が活躍する作品を集めた1冊
この作品は「モダンガール篇」という短編集で、イキイキと活躍する女性たちを描いた作品がおさめられています。
表題作『断髪女中』は、タイトル通り女中のお話。
断髪、髪を短くするという行為は、当時の女性としてはかなり決意のいることだったそうで。「男性のような髪型にする=男性と肩を並べて社会進出を果たす」という見られ方をされる行為。
その断髪をした女中が主人公ということで、雇い主の男性との会話劇が繰り広げられるんだけども、それがなんとも考えさせられる内容で。
いまって、「女性の管理職の割合を増やそう!」とか、「男性が育児休暇を取りやすい雰囲気作りを!」とか言ってますが、そんな、仕事におけるジェンダー差について考えさせられる1冊です。
そんな作品を、昭和の時代に書けるなんて、獅子文六という人は、世の中をどんな風に見ていたんだろう。すごい。
ちなみに、これと対になる短編集、『ロボッチイヌ モダンボーイ篇』もおもろいです。そっちの方が、ゆるゆる、ゲラゲラ読めるかな。
気になる方はそちらもぜひチェックしてみてください。
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