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帯に短し襷に短歌

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素朴に歌を詠むということへの憧れがある。素朴に詠めるようになりたいと思うのである。とにかく詠んでみないことにははじまらない。「こんなものは短歌とはいいません」なんて言われたってい…
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#帰省

たまに短歌 かわったこと わかったこと

たまに短歌 かわったこと わかったこと

いつまでもあるはずのない「いつも」あり
年に数度の故郷の空

いつまでも あるはずのない いつもあり
ねんにすうどの ふるさとのそら

今年は家人の実家に帰省中の元旦に地震に遭い、5月の連休中に地下鉄の駅で倒れて救急搬送されて入院し、夏に風呂釜が壊れて銭湯通いをし、盆の帰省先を台風が掠めて行った。宮崎では大きな地震があり、予て危惧されている南海トラフの危険性が現実味を増した。今や線状降水帯の発生に

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焼石に水

焼石に水

里帰り照らす陽射しは変わりなく一億五千万キロの熱

夏休み暑さはいつか忌避の的国民総出我慢大会

暑くても家で徒然耐えられず不要不急の外出ばかり

世間は夏休みだというのに私は休暇をとることができずカレンダー通りの生活。今年は8月11日から13日までが連休だったので、この時期に新潟県柏崎市にあるツレの実家に帰省する。コロナ前までは、新潟の海沿いの地域は、少なくとも東京よりは過ごしやすかった。ところ

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月例落選 短歌編 2022年11月号

月例落選 短歌編 2022年11月号

恒例「月例落選」シリーズ。『角川短歌』11月号への投函は雑詠が8月9日、題詠が10日。

題詠の兼題は「ホーム」。「家」ではなく「ホーム」というのがミソなのだろう。今や少なからぬ人々は終の棲家が老人ホームだったりもする。歌を詠むとなると自分の経験に基づかないと何も思いつかない質なので、投函した3首は全て「家」の方だ。

家なき子家は自分でつくるもの「あなた」と「わたし」落ち着き所

マイホームロー

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盆帰省 2022

盆帰省 2022

年毎に簡単になる切符取り故郷行きのとき305
としごとに かんたんになる きっぷとり
ふるさとゆきの とき305

使わない線路が増えて草だらけ広い敷地が賑わいの跡
つかわない せんろがふえて くさだらけ
ひろいしきちが にぎわいのあと

今の家人と所帯を共にするようになって9年になる。毎年盆と正月は柏崎にある家人の実家を訪ねる。2020年の盆から2021年の盆にかけては感染症の影響で帰省を自粛し

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年末年始

年末年始

「短歌入門」第3回課題提出。2020年1月7日に投函したと手帳に書いてある。この時点では新たな感染症が発生したことはお上が認識しているが、世間では関心は薄かった。当たり前の年始の様子を自分も詠んでいた。

除夜の雪鐘楼の屋根膨らまし鐘の音呑み込む堪忍袋

年明けて大きな手帳使いだす文字は大きく他は変わらず

帰省してあと何回の正月と言い合いながら囲む食卓

一首目は空想の風景を詠む。「除夜の雪」と

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去年の今頃

去年の今頃

「短歌入門」第2回課題は昨年11月の終わり頃に提出。

正月の帰省切符を予約するついに始まる2020年

恒例のワインの会で開ける瓶年々減るのは高齢化の所為

通勤でいつも見かけたあの人がいつのまにやら消える年末

「今時分」より少し前のことである。盆と正月は妻の実家を訪ねる。2020年の正月は帰省したが、盆は帰らなかった。例の感染症で、自分たちが訪れがために何か厄介なことが起こるというようなこと

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