ほんの一部スイカ
「スイカは果物ではない、野菜だ」家庭菜園を営んでいる中島はそう言って、自分で育てたスイカを取るために畑に。
「それ知っています。確かメロンもイチゴも木の実ではなく、草の実だから野菜の仲間ですよね」だが中島はそれに答えず、畑にしゃがみ込んでスイカを取っている。
「野菜のようなスイカだ市販のスイカとは違うぜ」と言った。「それって、甘くないという事ですか」「スイカはきゅうりと同じ瓜の仲間だ。甘いほうがおかしい!」と中島は持論を展開する。
「甘くないスイカ」大西は戸惑うが、「タダだ、もってけ泥棒!」と中島が叫ぶと立ち上がって奥に行ってしまう。
仕方なく大きなスイカを持って帰る大西、「甘くないスイカだったら、漬物にしようか」と言いながら家に帰る。外観はどこにでもあるスイカと同じ。「とりあえず切ってみよう」という事で切ってみる。「お!」全体的に緑色しているが、中心部分は確かに赤くスイカだ。
「ほんの一部スイカだ」と大西は笑った。
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