最悪の目覚めもnoteに書こうと思ったら最悪でなかった話
朝方なると聞こえてくるあの不快な音。
もう2日目だ。
あいつの高い音で目が覚めた。
朝の4時半。
最悪の目覚め。
昨日さよならしたはずなのに、また今日も。
あいつに起こされたというイライラと、なぜ部屋に入ってきたのかわからないモヤモヤ。
部屋を不快な音が鳴り響く。たまに耳元に近づく。
子供たちは寝ているので、静かにさよならしたい。
夫も気配を感じて眠そうに起きたが、ただぼーっとしているので戦力外。
戦いの始まり
ひとまず目視で部屋中を探す。
音が大きいので、体も大きいはず。
が、朝の薄暗さと目覚めたてのぼんやり視界で全然見えない。
あきらめて、耳を澄まして居場所を探してみる。
かなり大きい音。部屋に響き渡る。
たまに大きく、時に小さく。
でも遠近感が横なのか上なのかわからず、まったく手立てがない。ただ振り回されてる感じ。
もはやこれしかない。
腕をまくって、両腕を自分の前に突き出してみる。生贄だ。でも来たらすぐにわかる。自分が犠牲になっても子供たちを守りたい。
・・・全然来ない。しかも肩が痛くなってきた。
とにかく調べる
とりあえずあいつが来ないように布団をかぶって携帯でサーチ。
あいつとの戦い方をまずは探さねば。
ふんふん。
やつらはどうやら光に集まってくるらしい。
仰向けに寝て、自分のお腹の上にライトを点けた携帯を置く。天井が明るくなった。
これであいつが寄ってきたら、一撃だ。
知らなかったけど、、横じゃなく縦でパチンとたたけば命中率が上がるらしい。
夫の活躍
私の異変を感じて、ついに夫が起き上がった。
ライトを向けた天井を見て言った。
『あ、蚊が飛んでる。』
ライトのおかげで薄暗かった部屋の隅にいるあいつがはっきりと見えたらしい。
夫は今までの静寂が嘘だったかのように勢いよく立ち上がり、壁をドーンと叩いた。
失敗。
下の子が大きな音で目覚めてえーんと泣き出すのを私がなだめる。
そしてまたすぐ寝付いた。
と、その時 パチン。
今度は手ごたえがあった?
夫は誇らしげに微笑んだ。戦いに勝ったようだ。
が、残念なことに誰かが刺されていた。
再び眠りの中へ
とは言っても長い戦いは終わった。
安堵してまたベッドに戻り横になった。久々に二度寝しよう。
長時間の戦いだったせいか、耳にモスキート音が残っている。
じきに消えるだろう。
朝日が徐々に明るくなる中、安堵と達成感を感じながら目を閉じた。
新たな戦い
徐々に薄れる意識の中、あいつの高い音が再び鳴り響き、また目を覚ます。
まさか、うそでしょ。もう一匹?
耳に残っていたと思っていたモスキート音は現実のものだった。
その現実に愕然とした。
もう一度戦いを繰り返すパワーはもはやなかった。
でも、子達を守るため、やるしかない。
新たな戦いため、また私と夫は繰り出すのだった。
戦いを終えて
2日間の連続の戦い、しかも2日目は2匹。
正直つらかった。
でもこんな目覚めの悪い朝の嫌な出来事でさえも、
noteに書こう、と思ったとたんに案外素敵なことに思えるから不思議だ。
書いてみたら意外と楽しんでいたような気さえしてくる。
とは言っても、もう明日は戦いたくない。
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