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胚のグレードを解説します!

こんにちは(^ ^)クマです!

今日は受精卵に関するお話です。

採卵して採れた卵の質ってすごく気になりますよね。

でも質って誰がどうやって決めているのかよくわからない部分が多いですよね。

実は受精卵の質は培養士と呼ばれる人たちが見た目の評価を行っています。

では詳しくお話していきましょう。


◎VEECK(ビーク)分類

受精した受精卵(胚)は分裂しながら成長していきます。

成長過程にある胚のことを分割期胚といいますが、その分割期胚を3日目まで育った初期胚の時点で凍結保存させます。

凍結するかどうかの基準は分割が綺麗かどうかなどで判断し、綺麗なものだけを凍結保存させます。

「8−1」などと表現されますがこの内訳は8は細胞数、1はグレードです。

8–1の場合、8細胞期胚グレード1となります。

グレードは1〜5まであり、数字が小さい方がいいグレードで、数字が大きくなるごとに悪くなっていきます。

グレード1〜2は卵割球が均等ですが、グレード3〜5は不均等です。

グレード4〜5はフラグメンテーションといって塵が多い状態なのでグレード3よりも悪い状態です。



◎年齢による初期胚の発生率と妊娠率

3日目までの発生は年齢による差がありません。

どの年齢でもグレードのいい胚は20%、まずますなものは45%、悪いものは30〜35%の割合です。

しかし、妊娠率で比較すると年齢の増加に伴い徐々に低下していきます。

35歳以下では33〜35%ですが、36〜39歳では30%、40歳以上では23%、43歳以上では12%となります。

やはり40歳以上では明らかに妊娠率の低下が見受けられます。

なぜグレードが変わらない胚を移植しても年齢によって妊娠率の差がでてくるのか。

それは形態的にはわからない胚の質が影響してくるからです。

例えば染色体異常が胚の形態だけでは分かりません。

年齢とともに染色体異常の確率は増加してくるので、妊娠率の低下がみられるのはそれが原因の一つと言えるでしょう。




◎Gardner(ガードナー)分類

胚盤胞の評価で使われる方法です。

胚の成長を1〜6までに分類し、さらに内細胞塊と栄養外胚葉をそれぞれ3段階のA〜Cで評価します。

内細胞塊とは将来胎児になる部分で、栄養外胚葉は将来胎盤になる部分のことです。

良好胚は分類が3、内細胞塊と栄養外胚葉がそれぞれB以上の場合を指すことが多いです。

CCとつくグレードは胚盤胞の形態不良胚と定義されることが多いです。




◎年齢による胚盤胞の発生率と妊娠率

胚盤胞は初期胚とは違い、年齢とともに胚盤胞発生率が低下します。

胚盤胞発生率は40歳以上では低下し、43歳以上では顕著に低下します。

初期胚以降でおこる遺伝子発現が年齢とともに低下もしくは異常をきたすことが年齢による差であると言われています。

胚盤胞の妊娠率は初期胚に比べると高い傾向があります。

30歳以下では52.9%、31〜35歳では48.4%と非常に高い妊娠率となっています。

しかし、36歳移行低下傾向が認められ、40歳以上では明らかに低下してきます。



◎胚盤胞のグレードと妊娠率

胚盤胞ではグレードと妊娠率に関連があります。

妊娠率はいいグレードのものを移植すると44.2%、まずまずのものでは15.3%、よくないものでは4.7%という妊娠率です。

しかし、最近は培養技術も高くなってきておりCCがつく胚盤胞を移植しても妊娠できるようになってきたとも言われています。



移植する胚を選ぶ時には悩むと思いますし、採卵にてあまりいいグレードの胚が凍結できないと落ち込んでしまいますが、あくまでも人がつけた評価であり、染色体の部分までは見た目からは分かりません。

なので、グレードが悪いから妊娠しないと諦めるのではなく是非前向きに捉えて頂ければと思います。


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