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「遠い家族」前田勝さんの本を読んで深く深く考えた(基本ネタバレだらけ)その7

 それは。
「色々大変だったけど、なんとか乗り越えて生きているよ。だから、同じような経験をしている人も、きっと大丈夫」
 と言うためだとしたら、どうだろう。
 そのことに説得力を持たせるには、細かいエピソードは絶対に必要。
「もう昔のことで忘れちゃったけれど、辛い思いもたくさんした」
 では、感情移入はできない。
「え・・・そんなことまで?」
 と思って初めて、
「この人も立ち直れたのだから、私も頑張ろう」
 と思ってくれるのではないか。
 そこには、当然痛みを伴う。フラッシュバックに苦しむこともあるだろう。
 けれどもその経験が役に立つのだとしたら、それくらいは我慢できる。そうでなければ、幾多の辛い日々は、無駄死にしてしまう。
 これは、あくまで私の推測。 
 でも、あとがきに似たようなことが記されているので、あながち大ハズレではないと思う。
 そして。
 私も前田さんと同じ気持ちで、文章を紡いでいる。
 私の体験を読んだ方たちが、どんな形であれ、
「大丈夫」
 と感じてくださるように、心をこめて書いているつもりだ。
 つたない筆力では届かないかもしれないけれど、一人でも二人でも笑顔で生きることができる人が増えてくれると良いな、といつも願っている。
 私が「遠い家族」を読んで、
「やっぱり希望を持って生きていくのが大事だよね」
 と強く思ったように。
 ありふれた言葉だけれど、使い古されてもいるけれど、キーワードは「希望」だ。それを、改めて教えてくれた前田さん、本当にどうもありがとう。
 
 

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