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PEST分析とブランディング

バタバタしてて、前回から少々時間が空いてしまいました。大阪と東京を行き来する「コト」づくりプロデューサー・コトクリ(仮)です。

今日は1つの分析手法について触れますが、これまで色々と勉強はしてきているものの、いざ実戦で使おうとすると何もできない、あるいはよくわからないという事がありました。

おそらくですが、分析って「完璧にできる人はいない」のかもしれません。でも、数をこなせば多少は経験値になると思い、まずはやってみようと思います。

PEST分析(マクロ分析)って?

今回取り上げるPEST分析は、いわば市場や業界環境などをマクロで、俯瞰して広い視点で捉えるための手順になります。別名、マクロ分析ともよばれています。今回も、きっとnoteにPEST分析について書かれている人がいらっしゃると思い調べました。

PESTとは、政治(Political)、経済(Economical)、社会(Social)、技術(Technological)の頭文字を取ったものです。これは、マーケティングの父といわれるフィリップ・コトラー氏が提唱したマクロ環境(いわば、世の中の流れ)分析のフレームワークとなります。それぞれの環境要因について、例を挙げながら整理してみます。

①政治的環境:

市場競争のルールそのものが変わり影響する点を洗い出します。

  • 法律(例:電子帳簿保存法、道路交通法での高齢ドライバーの扱いとか)

  • 条例(例:自転車のヘルメット着用努力義務、災害対策条例とか)

  • 規制緩和・強化(例:Airbnbなどの民泊、ライドシェアとか)

  • 裁判の判例(例:独占禁止法違反とか)

  • 税制(例:グリーン投資促進税制、健康経営の推進とか)

  • 公的な補助・助成(例:再生可能エネルギー、地方創生、福祉、介護、観光とか)

  • 政権の体制(例:アベノミクスとか)

②経済的環境:

売上や利益に直結する価格やコストに影響する点を洗い出します。

  • 景気・株価(例:バブル崩壊、リーマンショック、消費増税とか)

  • 物価(例:野菜、米、小麦などの食品とか)

  • 為替(例:主に輸入・輸出)

  • 金利(例:住宅ローン控除、企業の設備投資とか)

  • 消費者可処分所得(例:高級ブランド志向、節約志向とか)

  • 企業設備投資動向(例:ICT、ロボットとか、いわゆるDX関連も)

③社会的環境:

売上の元となる生活者の需要に影響する点を洗い出します。

  • 人口動態(例:少子高齢化、一人世帯、過疎化とか)

  • 世論(例:エコ、健康志向、防災意識とか)

  • 流行(例:ファストファッション、カフェ、アウトドアとか)

  • 教育(例:ICT教育、グローバル教育、生涯学習とか)

  • 宗教(例:初詣、お盆、クリスマス、冠婚葬祭とか)

  • 言語(例:インバウンド、留学とか)

  • 文化(例:おもてなし、和、かわいいとか)

  • インフラ(例:鉄道の延伸、物流とか)

  • 生活習慣(例:働き方改革、コンビニ利用、デジタル生活とか)

  • ライフスタイル(例:ミニマリズム、ワークライフバランスとか)

  • 自然環境(例:気候変動、自然災害、脱炭素とか)

④技術的環境:

市場競争の成功要因に影響する点を洗い出します。

  • 新技術(例:5G、AI、EVとか)

  • 特許(例:自動運転、スマホ、再生可能エネルギーとか)

PEST分析をChatGPTでやってみた

上記のとおり、PEST分析をするには、多方面からの情報ありきで可能となります。ただ、教科書的な進め方で闇雲にPEST分析をすると、集めた情報をどのように役立てるのか、実際によく分からなくなる場合もあります。

そこで、PEST分析をChatGPT使って、素材となるような結果出力をしてみたいと思います。勿論、既に試している方々はたくさんいるはずです!

なお、プロンプトとしては、こちらのほうがより具体的な出力が得られました。

例①:ビール

  • コンセプト:試してみたくなるアルコール0%飲料、あるいは0.5%微アルコールビール

  • 提供価値:職場のコミュニケーション、健康志向、変わらぬ美味しさ

  • ターゲット顧客:企業、若年層、シニア層

  • マネタイズ:スーパーなどの量販店での単品販売

「ビール」というカテゴリだけで見ると縮小傾向であることもわかる

例②:デジタル名刺

  • コンセプト:デジタル名刺などに使えるデザイン豊富なNFCカードの提供

  • 提供価値:従来の紙の名刺だと不要なゴミにもなりやすく、NFCカードをかざしてもらうだけで名刺交換が行える

  • ターゲット顧客:紙の名刺を使っているビジネスマン

  • マネタイズ:デザインされたカードの売り切りモデル

紙の名刺という文化が根付いているので、果たして形に残らない新たな手法は定着するか

例③:中小企業のブランド・コンサルティング

  • コンセプト:中小企業が、より大きな商圏で識別され、活躍できる「コト」づくり支援をするブランド・コンサルティング

  • 提供価値:中小企業にとって従来型コンサルティングは敷居が高いので、実際にお手伝いしながら一緒にPDCAを回し、新たな売上確保を手伝う

  • ターゲット顧客:商圏が限定的な中小企業

  • マネタイズ:伴走型支援で契約締結による月額制(半年~)

やはり主に資金面の課題が出るので、政府の支援策などを上手に活用できるかが鍵となるか

なお、出力された結果について、実際にどのように解釈するか?

いくつかの見方があり、(1)そもそもプラス(機会)の情報かマイナス(脅威)の情報か、(2)既に起きていること(事実)か、それとも将来的に(解釈や予測)か、(3)それは短期的~中長期的なのかの時間軸はどうなっているか、を整理しつつ解釈する必要があります。

ブランディングで重要なPEST分析

PEST分析は、ブランディングに限らないのですが、新規事業開発とか、自社に関わる周辺の現状把握とかにも活用できます。そして、現状把握だけでなく未来予測(あるいはリスクヘッジ)にも重要なものであることが、お分かりいただけるのではないでしょうか。

ブランディングをするうえで、何か突出した強みを露出して、それを周囲に認知してもらう必要があります。そして認知してもらうための確率が、高ければ高いほど成功しやすいといえるでしょう。

そのためにも、している事、あるいはこれからしようとしている事に対して、さらに市場においてチャンス(機会)があるかどうかをまずはじっくり分析することからはじめます。今回のPEST分析だけでなく、3C分析、SWOT分析からのクロスSWOT分析などを使って行ないます。

ChatGPTを使えば、正しいことも、場合によっては間違ったことも出力されますが、出てきた結果をしっかり考察・精査する(ただ完璧な正解を求めないように)ことで、外部の市場環境は見えてくるでしょう。ぜひ、お試しください。

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