【読書メモ】手書きの戦略論「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略
Kindle Unlimitedで見つけたので読んでみました。7つのコミュニケーションの手法によって、人をどう動かすかを紐解いていきます。
マーケティングの歴史の話などもあり、7つの戦略がどのような歴史を経て、誕生していったのかも語られていて、興味深かったです。
ざっくりまとめ
・ポジショニング論は、「違い」が人を動かす
・ブランド論は、「らしさ」が人を動かす
・アカウントプランニング論は、「深層心理」が人を動かす
・ダイレクト論は、「反応」が人を動かす
・IMC論は、「接点」の統合が、人を動かす
・エンゲージメント論は、「関与」が人を動かす
・クチコミ論は、情報の「人づて」が人を動かす
・7つの戦略はどれも正しくどれも必要
メモ
7つの戦略論はどれも正しく、時代背景などによってそれぞれ発展してきた。また各戦略が補完しあっている関係にもなっている。
ポジショニング論は、いかにして競合との違いを明確してより有利な競争軸を見つけることが重要。多様性は自由だが、コモディティ化すると難しくなる。
ブランド論は、論理と感情/感覚の両面から作り上げることが重要。最近では「体験」や「接点」がブランドを作る上で重要になっている。ただし、ブランド論には即効性がない。
アカウントプランニング論は、消費者心理や行動を広告開発プロセスに組み込むこと。インサイトやクリエイティブブリーフを作成する。ただし、定量的な指標をとるのが難しく、双方向コミュニケーションにも向かない。
ダイレクト論は、顧客の反応を見てLTVを向上させることが目的で顧客との双方向コミュニケーションが重要。即効性があり、費用対効果を可視化しやすい。ただし価値づくりやブランドづくりが不得手。
IMC論は、統合マーケティングコミュニケーション(Integrated Marketing Communications)のこと。カスタマージャーニーがこれに位置する。顧客接点毎に適切なメッセージを出し、顧客との関係強化する戦略。KPIを気にしすぎて手段の目的化や定量化しやすい指標に偏重しすぎることには要注意。
エンゲージメント論は、顧客または顧客となりえる受けてに自発的に行動してもらうようにすることが重要。関与の仕方にはゆるめ・深めがあるが、いずれも即効性はない。定量的な指標も難しい。
クチコミ論は、ファンづくりやムーブメントづくりが重要。SNSがある現在ではもっとも勢いがあり注目されている戦略になる。ただしアンコントローラブルな部分が多くなりがちで、効果測定がまだまだ発展途上。
IMC論とエンゲージメント論は似ているようであるが、エンゲージメントは良い関係を築いたり満足度を高めるのがエンゲージメントではなく、顧客の主体性を鍛えるという違いが理解できてよかった。
アカウントプランニング論は、行動経済学や心理学が役に立ちそうで面白そうな分野だと思った。
クチコミ論はSNSマーケティング関連の書籍が、今はたくさんでているのでこれらを読むことで、現状をさらに把握することができそう。