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漢方仙人による漢方逸話『夏場の常備薬に藿香正気散がおすすめじゃ~!』の巻

今回は藿香正気散(かっこうしょうきさん)について説明するとしよう。
これは「夏かぜからくる胃腸障害」に使う処方じゃ。

夏かぜは西洋医学的には、アデノウイルスやエンテロウイルスなどにより発生し、のどの痛み、胃腸症状、発熱、咳、鼻水などの一般的な症状を呈するとされており、特に、腹痛、下痢などの胃腸系の障害が発現するとされておる。
そして、夏は脱水症状になることも頻繁で、夏かぜは治りにくく長引くことも多くみられるのじゃ。

そんな「胃腸型の夏かぜ」に対応するのが藿香正気散なのじゃが、中心生薬はネーミングにもなっている藿香じゃ。
シソ科のカワミドリという植物の全草で、それほど身近なものではない植物なのじゃが、藿香は体を温めながら発汗解熱し、さらには胃腸を整える作用があるとされておる。
かぜ薬として有名な葛根湯と比べると、かぜを治す作用は葛根湯より弱いのじゃが、胃腸を整える作用は強いと言えるのしゃ。

漢方の格言で「冬の麻黄、夏の藿香」というものがあってのう。
葛根湯は麻黄を含んでおり、藿香正気散は藿香が中心生薬じゃ。
藿香正気散は夏にお腹をこわして下痢や食欲不振があり、さらにはやや微熱や悪寒があるような場合には最適な漢方薬といえよう。

今回はここまでじゃ。
読者の方に少しでも興味が生まれ、漢方に触れるきっかけになれたなら嬉しいのう。
それでは、また次回じゃ~!

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