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漢方仙人による漢方逸話『あの美味しいとろろも生薬なの!! 山薬(さんやく)について』



漢方仙人

 今回は山薬(サンヤク)という生薬について説明したいと思う。

山薬は食物としては“ヤマイモ”“ナガイモ”と呼ばれている有名な食材じゃ。

イモ類はジャガイモ、サツマイモなど普通は生で食べることは少ないのだが、ヤマイモ、ナガイモはその中でもとろろ汁、山かけ、和え物などとして生食用として好まれているのう。

これは、成分にジアスターゼという消化酵素を含み、消化にもよい食材として昔から親しまれてきたためであろう。

また、ヤマイモ、ナガイモは「山のうなぎ」と古くから言われ、精力がつくことで知られておる。

近年、その名が知れ渡ったあの八味地黄丸(はちみじおうがん)にも含まれている生薬でもある。

八味地黄丸は加齢に伴なう諸症状や尿トラブルに使用される漢方薬で、以前より人気のある処方じゃ。

生薬としての作用は、胃腸の働きを高め、滋養強壮作用(老化や精力減退など)、かぜの咳を止める、糖尿病を改善など様々な作用があるとされておる。

山薬と書かれるように、山の薬のような存在であり、薬膳の世界でも広く活用されておる。

漢方の古典には「虚弱体質を補って早死にしない。長寿を保つことができる」と記載されているのじゃ。

今回はここまで。
読者の方に少しでも興味が生まれ、漢方に触れるきっかけになれたなら嬉しく思うのう。

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