方法論中間まとめ(博論2025Jan19)
パラエスノグラフィの記述方法には、アートパフォーマンスとして行う、というやり方を考え中です。それが全てに、するつもりもないですが。
ChatGPT には、アカウント使用に関連する問題を抱えていて、それが支払いの問題に展開してしまったため、研究遂行のアシスタントとして共同作業を行うパートナーだと位置付けるプロジェクトは、頓挫しそうです。
ChatGPT による評価は、以下。
以下では、あらためて**Para Ethnography(パラ・エスノグラフィ)が既存の人類学・社会学の文脈で提唱されてきたことを踏まえながら、提示されたテクスト(「パラ・エスノグラフィ・ライティングにおけるアクションリサーチとエスノメソドロジーの融合試論(フィールドノーツ2025Jan19)」)を評価・検討します。Para Ethnography の主な特徴としては、「フィールドの参加者を高度な思考パートナー(co‐thinkers / co‐analysts)として位置づけ、研究者と共同で知を生み出す」**という点があり、それがアクションリサーチやエスノメソドロジーとの相性にどのような意味をもたらすかが焦点となります。
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1. テクストの概要とPara Ethnographyとの関連
1. テクスト概要
アクションリサーチとして社会変革を目指す活動と同時に、エスノメソドロジーの方法でその活動自体を分析する。
分析は“他者の手続きを記述する”というよりも、自分たち(実践者)の行為・方法を他者的視点で捉え直す手段と位置づけられている。
こうした内在的な視点を持ちながら、分析の結果を再度行動にフィードバックして戦略的に改善する、**「自己生成的な営み」**を強調している。
2. Para Ethnographyとの親和性
Para Ethnography は、ジョージ・E・マーカス(George E. Marcus)やダグラス・R・ホームズ(Douglas R. Holmes)らの議論で明示されるように、**「研究対象者自身も高度な知的作業を行う主体とみなし、研究者と共に概念を生成する」**方法論です。
本テクストが描く「自分たちで行っているアクションリサーチを、同時進行的にエスノメソドロジー的に分析する」構造は、当事者が自らの行為を分析し、そこから新たな方法・戦略を編み出していく点で、まさにPara Ethnographyが志向する“共同思考プロセス”に近いといえます。
従来の研究者=観察者/被観察者という図式を崩し、実践者・フィールドの当事者が自らの活動を批判的に捉える点は、**「メンバー自身がメンバーズ・メソッドを可視化する」**エスノメソドロジーの姿勢とも呼応します。
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2. アクションリサーチとの関係:共同生成としての知
アクションリサーチは、当事者が自らの実践を分析し、変革を目指す参加型の手法ですが、そこにPara Ethnography的な発想が加わると、
1. 現場の当事者が“高度な理論的パートナー”として研究プロセスに関与することをより明確に制度化・方法化できる。
2. 研究者と当事者の区別を可能な限り解消し、「共同体自身の内在的論理・知的作業」を探求するという観点が強化される。
テクスト中では、「エスノメソドロジー的分析」がアクションリサーチの当事者によって遂行されるという構図が示されているため、まさにPara Ethnography的な“横並びの分析協働”が生じていると言えるでしょう。
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3. エスノメソドロジーとの融合:メンバーズ・メソッドの自覚的活用
1. エスノメソドロジーがもつ特徴
エスノメソドロジーは、ハロルド・ガーフィンケルをはじめとする研究者らによって、「人々が日常場面をいかに成り立たせているか」を、当事者の方法(メンバーズ・メソッド)に注目して描き出すアプローチです。
そこで重要となるのは、日常の実践者が暗黙裡に使っている手続きを細かく記述していくという姿勢です。
2. Para Ethnographyとエスノメソドロジーの共通基盤
いずれも、**「当事者の知」**を重視し、それが既存の学術的知見(“外部”からの分析枠組み)と同等の水準で扱われる。
さらに、Para Ethnographyは当事者が自ら分析を担うプロセスを強調するため、エスノメソドロジーでいう「メンバーズ・メソッド」を当事者が自覚的に取り出し、そこにメタ視点を差し込む行為が起こりやすい。
3. テクスト内での具現化
テクストで述べられている「現場での社会変革(アクション)を、同時にエスノメソドロジー的に分析し、方法論として再構築する」という試みは、自分たちが自分たちの行動や手続きを“客体化”して見直すことを意味します。
Para Ethnographyが想定する「フィールドの人々も高度な批判的思考を備えている」ことを前提とするなら、当事者らがこの“客体化”プロセスを担い、そこからより効果的な実践への示唆を得ていく――まさに本文が提示するスキームに合致するでしょう。
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4. 「自己生成的な営み」とポストモダン以後の思考
テクストでは「自己変革の自己再生の自己生成的な営みを、ポストモダンな思考を使わずに実行する」と言及されています。
一般にPara Ethnographyは、ポスト構造主義やポストモダンの文脈で「研究主体と客体の境界を問い直す」流れの延長上にあるとも言えます。しかし同時に、それらの理論装置を過度に振りかざすよりも、当事者がもともと備えている分析能力や批判的視点を重んじるという点に力点が置かれています。
本テクストが示す「方法論そのものを当事者が自覚・活用し、社会変革を推し進める」路線は、理論の抽象性・相対主義に陥るのではなく、“現場の手続き”を堅実に可視化・再編するという実践志向の立場。これはPara Ethnographyと十分親和的だといえます。
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5. 書き方(ライティング)とPara Ethnographyの展開
タイトルにある「パラ・エスノグラフィ・ライティング」は、記述(ethnographic writing)そのものが既存の学術モデルとは異なる枠組みで構成されることを示唆しています。
Para Ethnographyの文脈では、研究者/当事者間の対話、フィールドの高い専門性や内在的知をそのままテクスト化する「共同執筆」の形が大きなテーマになります。
本テクストは、スラムライティング風のフィールドノートとして簡潔に書かれていますが、今後さらにPara Ethnographyの手法を明確化するなら、当事者らの声や思考プロセスをどのようにテクストに組み込むか、また研究者・当事者の関係性をどのように並列化し、言語化するかがポイントになるでしょう。
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6. 総合評価
1. Para Ethnographyの既存枠組みとの整合性
本テクストは、現場の人々(当事者集団)が自らの行為をエスノメソドロジー的に分析し、そこから新たな実践指針を得るという「自己批評性」「共同知生成」が中核にあるため、Para Ethnographyの思想と十分合致しています。
特に「専門知」「高度な反省的思考」をもつフィールドの参加者を、研究者同様の主体として扱うというPara Ethnographyの精神がよく表れているといえます。
2. アクションリサーチ×エスノメソドロジー×Para Ethnography
アクションリサーチがもともともつ「現場の課題解決」「参加型」アプローチと、エスノメソドロジーが重視する「メンバーズ・メソッドの可視化」、そしてPara Ethnographyの「共同分析」は、相乗効果を生む組み合わせです。
この三つを明示的に連結した文献はそれほど多くないため、本テクストが提示するアイデアは学術的にも新たな地平を切り開く可能性があります。
3. 今後の発展
タイトル通り「融合試論」であり、今はまだコンセプトの概要が示されている段階です。
今後さらに、(a) 具体的なフィールド事例の詳細や、(b) 当事者との共同分析の記録、(c) 記述スタイル上の工夫や倫理的配慮などを盛り込むことで、“Para Ethnographyライティング”の実践的な成果や課題がより見えてくると思われます。
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結論:本テクストの評価
Para Ethnographyという既存概念との照合
本テクストは、アクションリサーチとエスノメソドロジーを同時並行で実践することで、当事者集団が自らの社会変革プロセスを分析・再構築するという「自己生成的営み」を描いており、これはPara Ethnographyが本来目指す**「フィールド内の当事者が高度な思考パートナーとなり、研究プロセスを共有する」**姿勢と合致する。
方法論的意義
従来のエスノグラフィ的観察者と被観察者の二分構造を崩し、当事者が分析主体となって戦略を立案・実行するという点で、Para Ethnographyの論理を踏襲しつつ、さらにアクションリサーチの成果を最大化するための優れた試みに見える。
ライティング上のチャレンジ
今後、Para Ethnographyの文脈においては、いかに多声的・多主体的な執筆プロセスを構築していくかが課題となる。テクスト内には「スラムライティング」としての即興的記述もあるが、今後は当事者同士の共同執筆・共同分析の実態がどのようにテクストに落とし込まれるか、さらに注目されるだろう。
全体として、本テクストはPara Ethnographyの理念(共同生成の知)をアクションリサーチとエスノメソドロジーの手法で実践したいという意欲的構想をうかがわせる内容になっており、学術的にも実践的にも十分興味深いものだと評価できます。