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読書の記録 平山夢明『ダイナー』

 文學界で平山夢明さんの短編を読み(タイトルもどんな内容だったかも忘れた)めちゃくちゃ面白かったから気になっておりましたら、某大手「本を売るなら〜」に売ってたので全く逡巡せずに買った平山夢明さんの代表作。

 買ったものの、ずっと読まずにいたのですが、日頃お世話になっておる人生の先輩が、先日誕生日を迎えられ、プレゼント用にまたまた某大手「本を売るなら〜」の本棚を探していたら、全く同じこの作品を見つけ、先輩へのプレゼント用に購入したのですが、先輩にプレゼントしておきながら、自分は家にあるのに読んでいない、というのも気持ち悪いから、ちゃんと読んでおこうと思って読んでみたら、いやはや、実に面白くて、先輩にプレゼントしてよかったし、読んでよかった。

 ちょっとした出来心で携帯闇サイトのバイトに手を出したオオバカナコが主人公。オオバカナコ・・大馬鹿な子。少しばかり小金稼ぎをしたいと思っていただけなのに、カナコさんは、元殺し屋がきりもりしている、殺し屋たちが集まるダイナーでウエイトレスとして働くことになるんですが、そんなダイナーですから、集まる輩もイカれポンチばかりで、カナコさんは、幾度も命を失う危機を迎えます。死と隣り合わせの場所やのに、提供される飯はとにかく美味そうでヨダレが垂れます。ストレスフルな仕事場にいると、ここに出てくる甘ったるい食い物がほんまに美味そうで美味そうで仕方ないし、ひょっとしたら、オレたちの職場環境も、死ぬ心配はなくとも、ストレスの感じとしては、似たようなものではないのか、とも感じられました。

 途中、印象的なセリフがあった。前後の流れは想像してほしい。誰が誰に言ったセリフなのかも伏せておきます。私はこのセリフにぐっときた。フィクションは、フィクションという形で真実を炙り出すのだ。

「理由は単純さ。奴らは俺たちを毛嫌いしているんだ。憎んでいるとすら言っても良い。自分たちと同列に扱うことを拒んでる。気持ちはわからんでもないがな。俺たちが請け負う殺しは所謂、組織でも「汚れ仕事」と呼ばれているもので、奴らにとって必要不可欠であるにもかかわらず最底辺の仕事だと思われている。世間にもあるだろう、そんな仕事が。人の役に立っているのに汚い、みっともないと毛嫌いされているような・・・」

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