自己開示する
自分のことをあれこれ言ったり、自分の意見や考えを言う前に、相談員は入居者の話を聴くのが大きな仕事です。傾聴というやつです。自分の経験に基づいていろいろと意見を言うのは基本、控えた方がいいですが、自己開示が有効なことがあります。
私は、不眠で苦しんでいる方に「眠れない夜、もう消えてしまいたいとか、死んでしまいたいとか思ったりしませんか?」と聞くことがあります。そうすると「そうなんです。何で分かったのですか?」と涙を流される方もいます。
私は「実は私も眠れないことでつらかったことがあってですね。精神科のクリニックに行ったことがあるのです。うつ病と診断されて、しばらく仕事を休んで、服薬しました」などと言うと、「へぇ、そうなんですか。そんなふうには見えませんね」「そうでしょう。今は回復して、働けるようにまでなりました。でも、眠れないときは、もう楽になりたいと思いましたよ。不眠症とか、うつは回復する病気です。〇〇さんも精神科クリニックの受診を考えませんか?きっと楽になりますよ」と答えます。
つらかった自分のことを開示し、そして回復するという希望も伝えます。そんなことで、一歩踏み出してもらえたら、いいなと思います。うつ病になったことはつらかったですが、まあ悪くない経験だったかもしれないと思えるようになりました。