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多様性をインプットする、今年の10冊2023版

今年、考え方や価値観はどれだけ進化した?

「自分の知ってる世界から人を批評している人はお子ちゃま」
とは、じゅくちょうの意見です。(お前かよ)
 読書は地味で後回しにされがちですが、長期的な視点や柔軟な発想を養うには必須の習慣。偏見や思い込みに囚われないためにも、「普遍的な知恵」は学び続けたいものです。
 じゅくちょうの選書もまた偏った視点の一つではありますが、少なからず「一人の人間に衝撃を与えた本」であることは確かです。僭越ながら紹介させていただくことで、みなさまの「ものの見方」を広げるヒントになれば幸いです。

(去年のTOP10はこちら)

今年のTOP10

10位『現代経済学の直観的思考』

読みやすさ  ★★☆☆☆
衝撃の大きさ ★★★★★
活用しやすさ ★★☆☆☆

・「物理学者が書いた経済学の本」だけあって、独自の視点がおもしろい
・社会が経済成長を止められない理由に納得、まさに常識の罠だらけ
・経済と幸福の関係をどう考えるか、人類の永遠の問いかもしれない

9位『会話の科学 − あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか』

読みやすさ  ★★★★☆
衝撃の大きさ ★★★☆☆
活用しやすさ ★★☆☆☆

・「辞書にはないけど日常で使っている言葉」を探求した一冊
・語学ではなく、日常会話の言葉を分析した視点がユニーク
・「えーっと……」みたいな言葉に隠された意味がおもしろかった

8位『伸びる会社は「これ」をやらない!」

読みやすさ  ★★★★☆
衝撃の大きさ ★★★★☆
活用しやすさ ★★★☆☆

・組織マネジメントや『数値化の鬼』で有名な「識学」代表の著書
・世間で語られるリーダー像の限界や矛盾を指摘していて痛快
・世間やコミュニティの常識に惑わされてはいけないと感じさせられた一冊

7位『冒険の書』

読みやすさ  ★★★★☆
衝撃の大きさ ★★★★☆
活用しやすさ ★★★☆☆

・ビジネス界で大きな実績をあげた人が書いた教育に関する本
・「アンラーニング」という新しい概念を、教育史になぞらえて解説
・物語的な表現はやや微妙だけど、伝えたい内容は激しく同意

6位『最高の体調 − 進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法』

読みやすさ  ★★★★★
衝撃の大きさ ★★★☆☆
活用しやすさ ★★★★☆

・現代人の課題である慢性的なストレスや疲労感について語っている一冊
・「文明病」という表現がユニークで、経済発展の代償が感じられる
・古代の習慣を守りながら、どう現代を楽しむか、習慣の見直しにオススメ

5位『Chatter − 「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法』

読みやすさ  ★★★★☆
衝撃の大きさ ★★★★☆
活用しやすさ ★★★★☆

・内省や言語化を「しない方がいい時」について詳しく解説された一冊
・「自分との向き合い方」は、やり方を間違うと逆効果になる
・集中力や客観性を取り戻すためのアイデアも具体的でかなり使える

4位『失敗の科学 − 失敗から学習する組織、学習できない組織』

読みやすさ  ★★★★★
衝撃の大きさ ★★★★☆
活用しやすさ ★★★☆☆

・成長や学習に欠かせない「失敗」について詳しく掘り下げた一冊
・失敗を隠蔽・批判するデメリットが満載、全国民が学ぶべき(笑)
・失敗から学んで成長した組織の事例もあって、希望も感じられるのが好き

3位『多様性の科学 − 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織』

読みやすさ  ★★★★★
衝撃の大きさ ★★★★★
活用しやすさ ★★★☆☆

・『失敗の科学』に続く、マシュー=サイド氏の訳本2冊目
・地域や業界、コミュニティに対して抱く気持ち悪さの正体がわかる
・「誰もが善意で行動した結果、失敗する」という皮肉がおもしろい

2位『ジョブ理論』

読みやすさ  ★★★★☆
衝撃の大きさ ★★★★★
活用しやすさ ★★★★☆

・ビジネスに対する「ものの見方」がガラッと変わる一冊
・商品や市場ではなく、「顧客」を中心に考える視点にものすごく納得
・多くのビジネス書や経営セミナーに抱いてた違和感が解消できてスッキリ

1位『心に刺さる「物語」の力 − ストーリーテリングでビジネスを変える』

読みやすさ  ★★★★★
衝撃の大きさ ★★★★☆
活用しやすさ ★★★★★

・ストーリーテリングの具体的なスキルを詳しく解説した一冊
・ストーリーの事例も豊富で、読み物としてもおもしろくてわかりやすい!
・人を惹きつける物語と、ただの自分語りとの違いがわかってスッキリ

(総括) 悪い人なんていない

今年もいろんな本を読んできて強く感じているのは、「誰もが善意で行動している」ということ。悪意に見えるものの大半は、認識のズレによる誤解か、第三者によるでっち上げであることがほとんど。読書をしていなければ、僕も偏見や思い込みに気付けないまま他者を批評していたと思います。

自分とは違う視点、多様な視点を学ぶことで、「自分に見えている世界がすべてではない」と知ることはやっぱり大切だと改めて痛感した、今年の読書でした。

人間の心理や行動原理を知るほど、人間っておもしろいな(バカだな・素敵だな)と思うことが増えます。まわりの人の言動をおもしろがれるようになれば、他者への批判も否定もなくなります。(ちなみに、「批判的な人の方が知的に見える」という罠も、心理学で解明されています)

せっかく先人たちが実体験や研究を重ねて知恵を確立してくれているわけですから、恩恵に預かりながら人生に役立てていきたいですね。自信のなさも、他者への怒りも、人生への不安も、学び続ければ解消できる。いくつになっても幅広く学び続けていきましょう!

あなたにとっての、「今年のTOP10」は?

よければあなたのオススメ書籍も教えてください。本に限らず、今年経験したこと・学んだことを教えていただけると嬉しいです。お互い「盲点」を探求・共有しあいながら、来年も「人生の物語」を分かち合っていけたら嬉しいです。今年もありがとうございました。


サポートがあると、自信と意欲にますます火がつきます。物語も人生も、一緒に楽しんでくださって、ありがとうございます。