#14日目:本も音楽のようにリミックスしても良いじゃないか。 『銀河鉄道の星』を読んで。
この記事は『「今年のオススメの本」 アドベントカレンダー2018』の14日目の記事です。
みなさんこんにちは。賀川と申します。長野県も松本市でWeb系の仕事をしています。
今回はdanさんにお誘いいただき、「今年のオススメの本」 アドベントカレンダー2018』に参加させていただきました。
本は好きなのでよく読みます。ビジネス書も小説もエッセイも漫画も面白そうであればなんでも。
今回は「今年のオススメの本」ということですので、私の今最もオススメする本を紹介したいと思います。
本紹介の前に
とその前に、私は音楽(特にロック)が好きなのです。ということで、まずはこちらの楽曲をご覧ください。
(What's So Funny 'Bout) Peace, Love and Understanding - Brinsley Schwarz
Here Comes Your Man - Pixies
Song 2 - Blur
Molly’s Lips - The Vaselines
Funny Bunny - the pillows
こちらの楽曲は何を表しているかわかりますでしょうか?
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・・
・・・・・・・・・
わからないですよね。
正解は、
私が、本家は知らなかったけどカバーで知った楽曲
でした。わかるはずがない。
つまり私が知ったのは本家のアーティストではなく下記アーティストで知ったのです。
以下がカバーした方々。
(What's So Funny 'Bout) Peace, Love and Understanding - Elvis Costello
Here Comes Your Man - Penpals
Song 2 - Weezer
Molly’s Lips - Nirvana
Funny Bunny - ELLEGARDEN
と、結構カバーで知る楽曲が多いなと。そしてカバーされるだけあって名曲揃いだなと思います。
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音楽だとカバーするのは当然というか普通のことだと思います。徳永英明やJUJUとか多くのアーティストがカバーアルバム発売してますし。
(中島みゆきの『糸』なんて何組のアーティストがカバーしていることか!!)
今の時期でいうと、キックザカンクルーは山下達郎の『クリスマスイブ』を大胆にサンプリングしたりしてます。
(『雨は夜更けすーぎーに』の部分はKREVAが歌っているそうですね。最初は山下達郎の声だと思っていました。)
カバーから本家を知ることがあるし、そして本家の方の他の曲も聞いてみようということもあります。たくさん楽曲を知っていく上でカバーから入るのは大いにアリだと思います。
(余談ですが私の妻はストレイテナーはトリビュートアルバムから入って好きになったし、ピロウズに関してはトリビュートアルバムが最高だと言っています。)
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音楽はカバーがあるのになぜ本はカバーがないはなんでだろう
話は変わって。
先日ふと思ったのが、『音楽はカバーがあるのになぜ本はカバーがないのだろう』ということです。
もちろんオリジナルで読んだ方が良いに決まっています。
しかし昔の本だと言葉の言い回しと等がどうしても古臭く、読みにくい本があるのは確かだよな、と。。
せっかくの良い本なのにそういった理由で読まれないくらいだったら、いっそのこと今風の言い方に変えた本が出てきても良いのではないだろうか。
そんなことを思っていたらありました、本のカバー。それがこちら『銀河鉄道の星』です。
こちらは宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をなんとASIAN KUNG-FU GENERATIONのボカール後藤正文さんが編集(リミックス)した本なのです。
タイトルがなぜ『銀河鉄道の星』なのかというと、この本には『銀河鉄道の夜』『よだかの星』『双子の星』の3作品が収録されています。
音楽でいうところのアルバムタイトルが『銀河鉄道の星』で、
『銀河鉄道の夜』『よだかの星』『双子の星』の3曲が入っているといった意味合いのようです。
(詳しくは本書の後藤さんのあとがきをご覧ください。)
銀河鉄道の夜は本当に有名で、確か教科書にも載っていたような(注文の多い料理店だったかも)。それくらい有名なので名前はもちろん知っていると思いますが、皆さんは読んだことはありますでしょうか。
私は小学6年の時に読もうとチャレンジしたのですが、恥ずかしながらその当時は本を読む習慣もなかったことと、この本が何を言っているのかさっぱりわからなくなり途中で読むのをやめてしまったのです(おそらく書き方や言い回しが独特すぎで頭に入ってこなかった)。
初めての本にしてはハードルが高かったんじゃないかと思います。(今思えば、その頃の自分にはズッコケ3人組が丁度良かったと思います。)
それから読む機会はあったもののなんとなく敬遠していた物語。なので20年越しの再開です。
そして読んでみたらとても面白かった
私はもともとASIAN KUNG-FU GENERATIONが大好きだったことと、本の装丁が可愛かったので本屋ですぐ買いました。
そして読んでみたらとても面白かった。こんなドキドキする冒険の物語だったのか!と驚きながらページをめくりました。
・仲間とのワクワクする冒険
(まさに親友と呼べるような友達と!)
・ちょっと怖い雰囲気の電車
(子どもだけで乗っていいのかな、という不安と楽しみの間で)
・旅先で出会う不思議な人々
(「このひとたちは一体誰だんだろう」という疑問と、「知らない大人と話している自分すごい!」という感情)
・友情と恋愛の嫉妬
(もしかしたら初恋かも!?それとも友達を取らないでほしいという嫉妬?)
・ミステリアスな旅
(この電車はどこに向かうのか)
・そしてラスト!ラスト!ラスト!
素晴らしいロードムービーのような物語。小さい頃に読むべきだったなと思いました。
文章もとても読みやすくなっていますので、小学生のお子さんがいる方はクリスマスプレゼントにいかがでしょう。
願わくは私のような読書が苦手な子どもたちに届くことを祈っています。
文章が苦手な方は、牡丹靖佳さんの絵も素敵ですので、絵だけでもパラパラ見てみてください。色々発見があると思います。(ジョバンニとカムパネルラの身長差はこれくらいなのか、とか)
最後に
ということで私のオススメの本『銀河鉄道の星の紹介』を終わりにします。最後に印象に残ったセリフを紹介してこの記事を終わりにしようと思います。
『何が幸せなのかは、わからないものです。本当に、どんなに辛いことでも、それが正しい道を進む中での出来事ならば、峠の上り下りも、全て本当の幸福に近づく一足ずつですから。』
おまけ
原作について
こちらの本を読んで原作も改めて読んでみようかなと思いました。青空分校というサイトで全文読めるようですので、こちらから読んでみようかなとおみます。
また、この本ができたきっかけはこちらの記事が詳しいです。
良い対談なのでこちらも併せてぜひご覧ください。