【武道家の視点】なぜ教え子たちは社会人になっても道場に戻ってくるんか?拳法道場館長が22年で見てきた驚きの真実
はじめに
みなさん、こんにちは!拳法道場「こういち館」の館長をしとるこういちじゃ。今日はちょっと特別な話をさせてもらいたいんよ。
ボクの歩んできた道
ボクはの、22年間この道場で館長として小学生の指導をしてきたんよね。最初は生徒が3人しかおらんで、家賃払うんに四苦八苦じゃった。その頃はちょうど親父から受け継いだ鉄工所の経営を始めたばかりでの。継いでわずか1年で親父を亡くしてしもうて...。鉄工の技術も知識も不十分な中、取引先との信頼関係も一から作っていかないかんといった、そんな綱渡りのような毎日を送りながら、毎晩遅くまで道場を開けとったんよ。
そうやって必死に続けてきた道場で、これまでに500人以上の子どもたちと向き合うてこれた。振り返ってみると、すべての経験が、今のボクのかけがえのない宝物になっとるんよ。
教え子たちとの再会
ほんでな、先日のことなんやけど、30歳になった教え子が道場に戻ってきてくれてね。地元大手機械メーカーの製品検査の職についとる彼が、涙を流しながらボクにこう言うてくれたんよ。
「館長、やっと分かりました。道場で学んだことが、今の自分の土台になってるんです。あの時、本心では決して好きだったとは言えない稽古が、人生で一番大切な学びであり教えやったんです」
それを聞いたボクも正直びっくりしてね。だって彼は地元の高専を出て、まじめに働きよる優秀な青年なんよ。そんな彼が、小学生の時の道場での学びに、こんな深い意味を見出すなんて。
これまでようけの教え子を見てきたつもりやったけど、この日、ボクは教え子から大切なことを教えてもらったと思うんよ。道場での学びには、学校でも、会社でも、家庭でも教えてもらえん"何か"があるって。
その"何か"については、これから詳しく書かせてもらうんじゃけど...ボクの教え子たちが社会人になっても道場に戻ってくる、その本当の理由が分かったんよ。
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