どれだけ揃えれば安心できるのか?一人暮らしの防災グッズの棚卸しをした話
お久しぶりです、KS(仮)です。今年に入って防災グッズをいくつか買い足していた矢先に、先日大きな地震が起こりました。あのときは関東住まいの自分でも恐怖を感じました。
2、3年ほど前から本格的に備えははじめていたものの、持ち出し袋に収納したままでしばらく放置状態だったので、これをきっかけに棚卸ししてみようと思い、どうせならついでにnoteで書いてみようと思い投稿することにしました。
あくまで独断と偏見も混ざっている一人暮らしでの備えになりますが、まったく準備していない、何を揃えたらわからない、これから揃えようとしている人にヒントに、費用感の参考になれば幸いです。
避難の種類と防災グッズの考え方
まずはじめに、避難には種類があります。一次避難、二次避難などと呼ばれています。一次避難は安全の確保を目的としていて、災害直後に最初の1日を凌ぐのに必要最小限のものを持って避難場所へ行きます。二次避難は生活の確保を目的としていて、十分な安全が確保されたのち、自宅に戻り避難所へ持ち出したり、自宅で避難生活を送るために必要なものになります。
自分の場合、堅牢なコンクリート住宅であるマンションに住んでいるため、二次避難は自宅避難(在宅避難)になることを想定しています。とは言え、自宅避難が困難な場合にも備え、二次避難用の持ち物もすぐに持ち出せるようにしたいと考えた結果、持ち出し袋が2つになりました(笑)一次避難用に小さいもの、二次避難用に大きいものを用意しました。
100円ショップで揃えられるものは、100円ショップで揃える
自分の場合、移動手段と地理的な関係から大型ホームセンターとあまり縁がないため、小物は100円ショップ、電気製品・高額商品はネット通販を軸に購入しています。
実際、100円ショップに行けばかなりのものが揃えられます。下の写真が、ダイソー、セリア、キャンドゥを回って購入してきたものです。
基本となるものは100円ショップでかなり揃う
具体的にどの売場でどんなものを買ったのか紹介します。
なお、だいぶ前に購入しているアイテムも多くあるため、パッケージが変更になっていたり取り扱いが終了している場合もありますのであらかじめご了承ください。
◎トラベルコーナー
1. 折りたたみスリッパ
2. アイマスク
3. 耳栓
4. 圧縮タオル(水に浸すとたちまち広がる)
5. グルーミングセット(爪切り、耳かき、ピンセットなどがセットになっている)
6. 使い捨てブリーフ 5枚入
7. 簡易ウエストポーチ
◎アウトドアコーナー
8. 虫よけスプレー
9. 軍手
10. ロープ
11. ブルーシート
12. マルチツール(万能ナイフ)
13. 着火ライター
14. カラビナ付きペットボトルホルダー
15. カラビナ付きタオルホルダー
16. 携帯クッションシート
◎防災用品コーナー
17. アルミポンチョ
18. アルミブランケット
19. 緊急用給水パック✕2
20. 非常用簡易ライト
21. 非常用ホイッスル
22. 簡易トイレ✕10セット
23. 冷却シート
24. 非常用ろうそく
◎介護用品コーナー
25. おしり・からだ拭き
◎衛生用品コーナー
26. マスク
27. 消毒綿
28. ガーゼ
29. 絆創膏
30. 綿棒
31. 包帯
32. 歯ブラシセット
33. 歯磨きシート
◎文具・日用品コーナー
34. ラップ
35. 黒ゴミ袋45L 10枚入
36. ガムテープ
37. マジック
38. 冷却シート
39. ウェットティッシュ
40. ポケットティッシュ
41. クリアコップ
◎家電コーナー
42. LED懐中電灯
43. 電池式充電器
写真を取り終えたあとで、100円ショップに出かけて追加してきたものがあります。
44. アルコールハンドスプレー
45. 折りたたみコップ
46. 反射ハンド
47. 反射タスキ
48. 伸縮ベルト(ゴムバンド)
49. 簡易ナップザック
反射バンド、反射タスキは自転車コーナーで見つけました。 夜間に安全に避難するときに必要ではないかと感じました。
伸縮ベルト(ゴムバンド)は、何か束ねるものが出てきたとき用に持っておいたほうがいいかと思い購入しました。自宅にあるトイレットペーパー1ロールも追加、差し当たって、トイレットペーパーとガムテープを潰したあと、そこに巻いておきました。
また避難所など途中で荷物が増えたとき用に手提げとしても使えるナップザックを購入しました。
ここには載せていませんが、未開封の予備の乾電池も用意しています。ただ、自分は乾電池は日常では使っていません。全部排除しました。理由は後述します。
100円ショップで揃えられる魅力はやはり価格で、失敗が許されるからこそ買うか買わないかあまり迷わないで気軽に購入できることではないでしょうか。これだけ揃えても7,000円くらいです。余談ですが、自分自身が100円ショップ大好き人間なので、頻繁に出かけては新製品をチェックするのが楽しみのひとつでもあることを付け加えておきます(笑)
これ以外に、スーパーやコンビニでもらった割箸やプラスチックスプーンなどもまとめてジッパー付きの袋に入れてストックしています。
常備薬も何か小さいケースか袋に入れておくと便利です。(自分はエネループを購入したときに付属していた電池ケースに入れています)
こまごましたアイテムは全部分類ごとにジッパー袋やポーチなどにまとめてから持ち出し袋に入れるようにしています。
100円ショップでは揃えられないけど、あったほうが良いと思ったアイテム
●スモークシャットアウト
火災などの煙から守る袋です。通常、煙は上のほうに溜まりますので低い姿勢で避難すれば良いのですが移動が大変です。これがあれば、頭から被って通常姿勢で避難ができます。
●水のいらないシャンプー
防災用としてだけではなく、日常生活でもお風呂に入れないときに、スプレーしてマッサージするだけで頭皮がさっぱりするので便利です。街のドラッグストアに大抵置いてあります。
●ウルトラライトダウン
もともとは旅行用に荷物を最小限にするために数年前に購入しました。コンパクトは正義です。
●USB充電ハンディー扇風機
こちらも、屋外でのプロ野球観戦のために数年前に購入しました。一工夫として紛失防止のために後付けでネックストラップを付けました。
電気製品は、値段が高くても安心安全で信頼できるメーカー製を選ぶべき
●多機能ラジオ
ロングセラーのソニーの多機能ラジオの最上位モデルを購入しています。電池、手回し充電、ソーラー充電で駆動します。LEDライト内蔵、携帯電話の充電もできるポータブルラジオです。1万円近くするものですが、電気製品は安物を買わないのがモットーです。過去に安物を買っていざ使おうとしたときに使えなかったことがあって以来、そう決めました。
一つ残念なのは、同梱の充電ケーブルがガラケー時代の端子(2019年購入時点)なので、スマホ用の充電ケーブルを別に用意する必要がありました。
あとイヤホンも持っておくことをおすすめします。最近のiPhoneはイヤホンジャックがないのでLighting端子との変換アダプターも必要ですね。
同梱の充電ケーブルが残念すぎるのはあるが
●モバイルバッテリー
いくつあっても良いのがモバイルバッテリーです。ここはこだわりがあってノンブランドのものは安全性や容量詐欺の問題も散見されるので絶対に買いません。(安い中国製のものが発火したなど事故があったりするので)信頼や実績のある、Anker、RAVPower、AUKEY、cheeroをおすすめします。写真中央のAUKEY社製のものを普段使いとして持ち運んでいます。
今、運用しているモバイルバッテリー。左から Anker社製 20000mAh、AUKEY社製10000mAh、cheero社製10400mAh
●充電ケーブル
基本100円ショップで手に入ります。充電ケーブルも多種多様なものが出ています。自分の場合、スマホ2台所有していて、1本でiPhone(Lighting)とAndroid(USB Type-C)が同時に充電できるもの(写真左上・写真右上)、巻取り式のもの(写真右中央)などあります。ただし、iPhone用のLightningについてだけは詳細は省きますが、MFi認証のあるものを用意しておくほうが良いかもしれません。(自分は両方持っています)
充電アダプターも1個持っておくと電源コンセントが使えるときに助かります。またコンパクトな電源タップ(写真左下)もあると便利です。これらは実際、旅行に行くときに持ち運んでいるもので使えるアイテムだと思います。
●ヘルメット
今回のタイミングで買い足したアイテムのひとつです。普通のヘルメットならば1,000円~2000円くらいですが、防災用なので収納場所を取られたくないのでお値段は張りますが折りたたみのものを選びました。
折りたためば収納に困らない
●LEDヘッドライト
夜間の避難時には懐中電灯ですと片手が使えなくなるので、両手がフリーの状態になるようにヘッドライトが良いことが分かって購入しました。GENTOS(ジェントス)社製の評判がよく、後述するランタンも同じメーカーのものを揃えています。
停電時の夜間でも万全の体制で避難できる
キャンプ用品こそが、自宅避難に絶対に必要なアイテム
●小型ガスバーナー
ちょっとお湯を沸かしたりするには便利です。カセットコンロより全然コンパクトなので屋外避難ならば嵩張らないので良いと思います。自宅避難なら、カセットコンロが使い勝手が良いかも。
コンパクトに収納できるガスバーナーは便利
●マルチツール(万能ナイフ)
キャンプでは必需品と言っても過言でないマルチツール。実は100円ショップでも売っているのですが、こういうの見るとつい、本格的なものが欲しくなってしまい、VICTORINOX(ビクトリノックス)社製のものを買い直しました。
万能なマルチツールは男のロマンです
●電池式LEDランタン
真っ暗闇で過ごすのは不安です。懐中電灯では一方向だけしか照らせないうえに、置いて使うというのが難しいですし、昔ながらのろうそくは危ないし光量も少ないためおすすめできません。おすすめなのが電池式のLEDランタンです。こちらも評判の良い、GENTOS(ジェントス)社製のものを購入しました。
置くことも吊るして使うこともできるLEDランタン
ちなみにですが、自分は乾電池は一切やめてすべて充電式電池に切り替えました。これは防災視点ではなく、電池の液漏れが起こって腐食してしまい今まで幾度も家電製品をダメにした経験から乾電池の使用はやめました。
と同時に、これが備えになることに気がつきました。先のLEDランタンは単1電池を使用するのですが、単3電池を単1電池に変換できるスペーサーというものを使うことで、日常使いの単3電池を活かせます。
またスマホの充電に、モバイルバッテリー以外で電池を入れて充電できるものを用意しておくことをおすすめします。(100円ショップで手に入ります。)
●ポータブル電源
近年注目されているポータブル電源は、キャンプなどで100V家電が使える大容量の充電池です。100Vコンセントのほか、USB出力もついていますのでスマホの充電にも使えますが、それはモバイルバッテリーで賄うとして、お湯を沸かすなども前述した小型ガスバーナーで賄うことができます。
屋内で安心安全に使えるポータブル電源は必須
これを防災用途と使うのに最適な場面は、冬場に電気毛布やパネルヒーターで暖を取りたいときだと思います。自分が購入したのは評判の良い、Jackery(ジャクリ)社製の「Jackery 400」で、4万円弱で購入(セール時)しました。Jackery としては下から2番目の容量のものになります。100V電源に加えて、シガーソケットからも充電が可能です。別売のソーラーパネルがあれば太陽光でも充電が可能です。
消費電力の少ない電気毛布や
パネルヒーターで暖が取れる
ポータブル電源は、ガソリンやカセットガスなどを燃料に使う発電機と違うので一酸化炭素中毒などといった心配もなく屋内で安心安全に使えるアイテムなので余裕があれば持っておくことで安心も得られます。
水・食料はローリングストック法でまわす
水と食料についてです。非常食を2年前に一気に揃えたときは何だかんだでそれなりの量を購入しました。水の量が圧倒的に足りていませんが、これだけで何とか1週間、10日は凌げそうな計算です。またこれらは、100円ショップの旅行グッズコーナーで販売している服の仕分け袋などで小分けにしておくことで整理しておくことができます。
商品単価が高いのでこれで総額1万4千円分ほど
中身が見える仕分け袋に入れて整理する
非常食は長期保存に適している反面で値段が高いため、その後色々学び、これらは最低限揃えたうえで、ローリングストック法と呼ばれる普段食べている食料のストックを回していくのがおすすめです。ミネラルウォーター、カップ麺、缶詰、レトルト食品、お菓子など、食べたら買い足していくというように、常に一定量を持ってそれを回していくことで賞味期限切れを防ぎます。また、昔から水は1日2リットル、最近では1日3リットル必要だとも言われています。自宅ではちょうど上下で12本ずつ、24本入るスペースがあるのでできるだけそのスペースを埋めるように常時20本近くはストックしています。
レトルトご飯やミネラルウォーターなどは大量にストック
持ち出し袋と保管場所について
最後に持ち出し袋についてお話します。冒頭でも話ました通り、一次避難用と二次避難用と2つ準備しています。
一次避難用として、100円ショップで揃えた大半のものと、多機能ラジオ、モバイルバッテリー1個、最低限の水と食料(500ml 4本+乾パン1缶)、貴重品(現金・鍵など)、常備薬、最後にヘルメットとヘッドライトはすぐに使えるようにまとめて持ち出し袋の一番上に入れておきました。ヘルメットが折りたたみ式なので嵩張らず袋に入った状態で保管できます。
なお自分は超キャッシュレス派なので普段は現金をほぼ持ち歩いていないのですが、震災時はキャッシュレス決済とはなかなかいかないと思うので、小銭(500円玉・100円玉・10円玉中心)と紙幣(千円札で1万円程度)と自宅の鍵を以前使っていた小銭入れにいれて持ち出し袋に一緒に入れています。
二次避難用には、「キャビンゼロ」というバックパックに収納しています。もともとは旅行用にこれの小さい容量のものを使っていて、自分の中で使い勝手が良かったためです。背負うだけではなく、横向きにして持つこともできるほか、ポケットなど余計な仕切りが少なく、フルオープンに近い形で開けられるのが特徴です。
ここには一時避難用以外の非常食、小型ガスバーナー、非常用給水バッグ、予備のモバイルバッテリー、下着類を中心とした着替えなどを入れています。
持ち出し袋は両方とも玄関からできるだけ近い場所に置いています。
●東京防災
災害に対する事前の備えや発災時の対処法など、情報を分かりやすくまとめた防災ブックです。紙でも頒布していますが、自分はKindleで電子版が無料でダウンロードできるので入れています。
スマホアプリ(iPhone版・Android版)もあります。「東京防災」で検索するとすぐに見つかると思います。
いかがだったでしょうか。以上が我が家(と、言っても自分ひとり専用ですが…)の防災の備えでした。ちなみにこれで総額いくらくらいなのか計算してみたところ約10万円でした。
困らない避難生活が送れるのであれば10万円は安いと思いますよ!
どれだけ揃えれば安心できるのか? それは永遠のテーマです。
そもそも経験していないこと、予想できないことには、安心できるはずがありません。ですから常にアップデートしていくつもりでいます。
今回、持ち出し袋の中身を棚卸しできたことで、仕舞い込んだままの非常食の賞味期限も合わせて確認できたので良かったです。
早速、足りないものがみつかりました。雨具です。
避難時が天気が良いとは限りません。傘は懐中電灯と同じで片手が塞がってしまい良くないということで、耐水性のあるレインウェアを買い足そうと思っています。