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完璧主義を手放す 仏教から学ぶ「ほどほど」のすすめ



1. はじめに

今日は
「完璧主義を手放す 仏教から学ぶ『ほどほど』のすすめ」
というテーマでお送りしたいと思います。

みなさんは、何かに取り組むときに
「もっと完璧に仕上げたい」
と思ってつい頑張りすぎてしまうことはありませんか。

時間や体力を大幅に使ってしまい、心身ともに疲れ切ってしまうことがあるかもしれません。

自分としてはベストを尽くしているつもりでも、ふと後から振り返ると
「そこまでやる必要はなかったかも」
と思うこともあるのではないでしょうか。


2. 現代社会に見る完璧主義

「たとえば」、会社で作るプレゼン資料を何度も何度も修正して、気づけば夜中になっている。朝までかかることも珍しくない。

あるいは家事をするときに、ほんの少しのホコリも見逃せなくて、細かい場所まで徹底的に掃除をしていたらいつの間にか半日が過ぎてしまう。

他には、SNSの投稿をするときに文章の表現や改行の位置、句読点の使い方など、あらゆる細部にこだわりすぎて投稿ボタンを押すまでに何時間もかかってしまう。

こうした状況は、現代社会によくある「完璧主義」の典型例だと言えます。

完璧主義というと、ポジティブなイメージを持つ方もいるかもしれません。仕事でもプライベートでも、こだわりをもって完成度を高める姿勢は、しっかりした性格の証でもありますし、他者から頼りにされることも多いでしょう。

しかし、その一方で、自分で自分を追い詰めてしまう可能性も大きいのです。


3. 完璧主義がもたらす代償

完璧主義は、一見すると良い性質のように思われがちですが、実際には大きな負荷を生むことがあります。

まず、心と体への影響があります。
常に100点を目指して頑張り続けると、寝つきが悪くなったり、疲労を感じやすくなったり、時には
「もう何もやりたくない」
と燃え尽き症候群になってしまうこともあります。

達成感はあるかもしれませんが、その後に大きな反動が来ると、次の行動に移る気力を失ってしまうかもしれません。

さらに、人間関係に及ぼす影響も見過ごせません。
自分に厳しい人は、知らず知らずのうちに周囲の人にも同じ基準を求めてしまいがちです。

その結果、
「どうしてここまできちんとできないの」
と相手を責める気持ちが強まってしまうと、人間関係にひびが入ってしまうことがあります。

また、
「いつでも完璧にしなければ」
という考え方は、行動を始めるハードルを高くする原因にもなります。

なかなか取りかかれないうちに、時間だけが過ぎてしまい、最終的には思うように成果が出せないまま終わってしまう。

こうしたことが重なると、「やっぱり自分にはできない」と自己嫌悪につながる場合もあるのです。


4. 仏教の教え「中道」とは

ここで、仏教における重要な教えのひとつ「中道(ちゅうどう)」を見てみましょう。

これは、お釈迦様が
「どちらか一方の極端なやり方に偏らない」
ということを説いたものです。

極端に走ることを戒め、ほどほどのバランスを大切にするという考え方は、現代の完璧主義にも通じる示唆を与えてくれます。

あれもこれも完璧にしなければと思わずに、今の自分に無理のない範囲を見極めることが、実は長く続けるためのコツかもしれません。


5. 「いい加減」の本来の意味

日本語には「いい加減」という言葉があります。

現代ではネガティブな文脈で使われることが多く、たとえば
「いい加減な人」とか「もういい加減にしなさい」というように、
「適当にやっている」といったマイナスイメージを伴うことが多いでしょう。

しかし、本来「いい加減」とは「ちょうどいい塩梅」「物事の適度な状態」を指す言葉です。

仏教が説く「中道」のように、物事をほどほどに保つという考え方がここにも表れています。

毎回100点満点を目指してヘトヘトになるよりも、自分に無理がない範囲でベストを尽くすほうが、実は長期的にはパフォーマンスが高まることも多いものです。


6. 完璧主義から解放される3つのヒント

では、具体的にどうすれば完璧主義から解放されることができるのでしょうか。

ここでは三つのヒントを紹介します。

ヒント1. 完璧の基準を見直す

一番大切なことは、自分の「完璧」の基準を下げてみるということです。

いきなり「全部を適当に」と言っても難しいかもしれませんが、
「これくらいで十分」
というラインを意識的に設定し直すと、取り組みに対する気持ちがかなり楽になります。

「失敗しても大丈夫」
「まずは始めよう」
と思えれば、最初の一歩が踏み出しやすくなるはずです。

ヒント2. 小さな失敗を練習の機会として受け入れる

完璧主義の人は失敗をとても恐れがちですが、失敗は成長のチャンスでもあります。失敗しても世界は終わらないし、自分が大きく傷つくわけでもありません。

むしろ、失敗から得られる学びは、次への成功の糧になることが多いです。

小さな失敗を積み重ねることで、少しずつ自分の失敗耐性も高まっていきます。

ヒント3. 日々の生活にマインドフルネスを取り入れる

日常の中で、今この瞬間に意識を向ける
「マインドフルネス」
を実践してみるのもおすすめです。

余計な先入観や思い込みから離れ、今の自分にとって必要なことに集中できるので、
「もっと頑張らなくちゃ」
というプレッシャーや
「これではまだ足りない」
という不安を緩和してくれます。


7. ほどほどを実感するためにできること

上で挙げた三つのヒントをさらに深めていくためには、具体的なアクションも大切です。
たとえば「今日は絶対に全部完璧にやる」という目標を立てる代わりに、「今日は一つできたらOK」という小さな目標を立ててみると、意外と気持ちが軽くなるものです。

また、家事や仕事の合間に1分だけ深呼吸をしたり、
自分の体の感覚や気持ちをチェックする時間を作ったりすると、
忙しい日々の中でも「中道」や「いい加減」の心地よさを実感しやすくなります。


8. 今日のポイントと次回予告

今日のポイントは、「完璧主義=悪いもの」ではなく、
「行き過ぎた完璧主義が心や体に負担をかける」
ということ。
そして仏教の教えである「中道」を参考にして、
自分なりの「いい加減」を見つけることの大切さです。

明日から始められる一歩としては、まず「これくらいでいいかな」と思えるようなハードルを意識的に作ってみることをおすすめします。

次回は、完璧主義とも深い関連がある「先延ばし癖」についてお話ししたいと思います。
完璧を求めるあまりにスタートできない、そんな悩みを抱える方はぜひご覧ください。

今日のお話が「なるほど」と思えた方は、ぜひいいねボタンを押していただけると嬉しいです。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。


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