日々の小さな学びの習慣が、あなたの才能を磨く砥石となる(『荀子』性悪篇)
今回取り上げるのは『荀子』性悪篇からの言葉。
鈍い刃物でも、砥石で磨かれることによって必ず鋭くなる、という意味。
「鈍い刃物」というのは、人の生まれ持った悪の性質を表現した比喩です。
また「砥石で磨く」というのは、後天的な学びによって、人の本性が良い方向へ成長することを表しています。
つまり、どんな人でも学びを進めることでより良い人間になれる、ということですね。
荀子の基本的な考え方は、「人は誰でも、後天的な努力と学習によって才能を開花させることができる」というものです。
この世に生まれ落ちた時点では、何が善で何が悪か分からない状態です。
そのため、時には人として間違ったことをしてしまったり、何をやってもうまくいかなかったりすることもあります。
これを指して、荀子は人間の生まれ持った性質は悪である、つまり「性悪」と呼んでいるのです。
しかし、だからこそ荀子は、人には大きな可能性があると考えています。
もしも、人として間違ったことをしてしまったのであれば、反省して一般常識や礼儀作法を身に付ければ良いのです。
物事に失敗してしまったのであれば、失敗した原因を振り返り、足りない知識を身に付け、何度も練習を重ねれば、きっとうまくいくことでしょう。
それは切れ味の悪い包丁を研ぎ直し、その包丁が持っている本来の切れ味を発揮させるのと同じ。
研ぎ方によっては、本来の実力以上の鋭さを手にいれることもできるはずです。
大事なのは、未来に向かって自分自身の人格や才能を磨き続ける意志なのだということですね。
とはいえ、いくら学びたいとは思っても、日々色々と忙しい私たちですから、なかなか学びの時間を作ることはできないですよね。
私も残業があったり、ときどき体調を崩したりするので、よくわかります。
そこでおすすめしたい方法が、「小さな学びを毎日続ける」というものです。
これは以前ご紹介した『小さな習慣』と、先日読んだ『続ける思考』という本を参考にしています。
どちらも良い本なので、詳しいことは直接読んでいただきたいのですが、
例えば、私の場合は「古典や歴史に関する本を毎日2ページ読む」と決めています。
見開き2ページであれば、寝る前の1~2分で目を通すことができますし、枕元に本を置いておけば読み忘れることもありません。
たった2ページではありますが、1週間で14ページに、1ヶ月では60ページになります。
短めの本であれば、3~4ヶ月で1冊読める計算です。
しかも、大抵の場合はいつのまにか2ページ以上読み進めてしまうので、実際にはもっと短い期間で読み終えることができます。
人は行動すると自然にやる気が湧いてくる生き物なので、最初の1歩目をできるかぎり小さくしておけば、あとはスムーズに2歩目、3歩目と続けることができるのです。
1歩目の行動は、できれば5分以内に終わるものにすると良いでしょう。
仮に毎日5分間の学びを続ければ、1週間で35分、1ヶ月で150分(2時間半)も勉強することができます。
1日の中で2時間半を捻出するのはなかなか大変ですが、1日5分であればできそうですよね。
砥石を使うのと同じように、丁寧にコツコツと自身を磨いていきましょう。
どんな人でも学びを進めることでより良い人間になれる、という言葉をご紹介しました。
過去を変えることはできませんが、「これからどうするか」「今から何をするか」を決めることはできます。
新たに学びを始めたり、一から学び直したりするのに、遅すぎるということはありません。
私たちはいつだって学びのスタートラインに立つことができるのです。
あなたがずっとやりたかったこと、学びたかったことは何でしょうか?
もしあるのであれば、早速一歩を踏み出してみましょう。
本を1ページだけ読んでみたり、ネットで検索するだけでも構いません。
今日の一歩が、あなた自身を磨く砥石になります。
まずは小さなことからコツコツと。
未来の自分のために学びを続けていきましょう。
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