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人生を豊かにする中国古典の名言#55

【今日の名言】

仁者は財を以て身を発し、不仁者は身を以て財を発す
(読み:ジンシャはザイをモッてミをハッし、フジンシャはミをモッてザイをハッす)

『大学』伝十章

徳のある人は財産を使って自分を向上させようとし、徳の無い人は自分の身を犠牲にしてでも財産を得ようとする、という意味。

お金の使い方に関する話ですね。

つまり、お金を得ることを目的とするのではなく、手段として使いなさい、ということですね。


ここでおすすめしている使い方は、「身を発す」ものに使うこと。

つまり、自分自身を向上させるものに使う、ということです。

要は自己投資ですね。

自己投資と聞くと、何か資格を取ったり、ビジネス書や難しい本を読んで勉強したりするイメージがあるかもしれません。

ですが、私はそれだけではないと思っています。

  • 映画やドラマを見て感動する

  • ライブやコンサートに行って音楽を味わう

  • アニメやゲーム、漫画などでワクワクする

  • 博物館や美術館に行って過去に思いを馳せる

  • 海や山に行って自然を感じる

こういった、自分の体や心に前向きなエネルギーを与えてくれるものも立派な自己投資だと思います。

勉強だけが全てではありません。

創作や音楽、歴史に美術、そして身の回りの大自然など。

色々なものを見て、聞いて、感じて、そのときに思ったことのすべてが自分の糧になるのです。

孔子も音楽から前向きなエネルギーをもらっていた一人でした。

斉という国で楽団の演奏を聴いた際には、感動のあまり、食べた肉の味が分からなかったと言っているくらいの音楽好きです。

『論語』の中でもたびたび音楽に言及しています。

音楽の前向きな力は皆様も感じたことがあると思いますが、孔子もその一人だったのですね。


定期的に文化や芸術、自然に触れることはとても良い自己投資です。

ワクワクしたり、楽しい気持ちになったりすることで、創造性も刺激されます。

個人的におすすめなのは、「アーティストデート」です。

アーティストデートとは、自分の内なる子供(アーティスト・チャイルド)と向き合って、小さい頃に持っていた好奇心や創造性を取り戻す方法のこと。

週に1回、1~2時間程度のまとまった時間を取り、自分がやりたかったことやワクワクするようなことをやる、というものです。

これはどんなに小さなことでも構いませんし、無理にお金をかけなくても大丈夫です。

例えば、

  • 見たかった映画を見に行く

  • 前から気になっていたアニメや漫画を読んでみる

  • 近くの書店や図書館で本を探してみる

  • 近くの博物館や美術館に足を運んでみる

  • 近所を散歩してみる

などなど。

大事なのは、自分が素直に「やりたい」と思えることをやること。

自分の気持ちに正直になることで好奇心と創造性が刺激され、前よりもポジティブな一日を過ごすことができるようになります。

より詳しい方法は、アーティストデートの提唱者であるジュリア・キャメロンさんの著書に書かれていますので、そちらをご覧ください。

私もときどきコンサートを聴きに行ったり、博物館に足を運んだりするのですが、そういったいつもとは異なるワクワクすることをした日は、とても前向きな気持ちになれます。

先月の後半に見に行った歌舞伎もとても良かったです。

こう考えると、孔子の件もある種のアーティストデートと言えるのかもしれません。

皆様もぜひ、自分がワクワクするような自己投資を探してみてくださいね。


記事内でご紹介した名言は、以下の回で詳しく取り上げています。

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