今日得たその知識、きちんと自分のものにできていますか?(『荀子』栄辱篇)
今回取り上げるのは『荀子』栄辱篇からの言葉。
短いつるべ縄では深い井戸の水を汲むことはできない、という意味。
つまり、思慮が浅い人は物事を深く考えることができず、目的を達成することができない、ということを表しています。
ちなみに、「つるべ縄」とは、井戸に備え付けられている桶につながっている紐のことです。
昔話やアニメなどで時々見かけると思いますが、滑車につながっている紐をぐるぐる引っ張ると、井戸の中からバケツ(桶)が出てきたりしますよね。
以下が実際のつるべ縄です。
こちらの画像は「和光市 歴史の玉手箱 和光市デジタルミュージアム」様からお借りしました。
説明欄には以下のようにあります。
つるべがついた縄なので「つるべ縄」。
画像があるとイメージしやすいですね
「和光市 歴史の玉手箱 和光市デジタルミュージアム」様のサイトは、和光市の歴史に関する画像が豊富で、見ていてとても面白いです。
つるべ縄以外にも興味深い展示物がたくさんありますので、皆様もぜひ色々と見てみてください。
さて、『荀子』の話に戻りましょう。
思慮が浅い人は物事を深く考えることができず、目的を達成することができない、という今回の言葉。
例え手元に水を汲むための縄とバケツがあったとしても、それが井戸の底まで届かなければ、そもそも水を汲むことはできません。
人生も同じです。
仮にネットや本で知識や答えを手に入れたとしても、
それをどのように使うのか
どのように自分の目的に活かしていくのか
というHowの部分を考えられなければ、ただの宝の持ち腐れになってしまいます。
一時的に問題を凌ぐことはできても根本的な解決にはなりませんし、そもそもの考え方や習慣を変えなければ、またどこかで同じような問題に出くわしてしまうでしょう。
きちんと自分の頭で考えることができれば、次に同じような場面に遭遇しても対処ができますし、応用してさらに次のステップに進むこともできます。
簡単に答えが手に入る現代だからこそ、その答えを体得して応用させられるかどうかが大事なのだと思います。
ちなみに、応用できるくらいまで理解を深めるためには、アウトプットがおすすめです。
自分の言葉に言い換えてまとめるというのは意外と難しいものでして、学んだことを分かりやすくノートにまとめるだけでも割と苦戦します。
私も、読書後にはその本から学んだことをノートにまとめているのですが、これがなかなか時間がかかって大変です。
ですが、その過程で自分の理解が曖昧なところが明らかになるので、その部分を追加で調べたり、誰かに聞いてみたりすると、それだけで理解の幅と深さがグッと変わってきます。
実際、そこで学んだことが巡り巡ってこのnoteに活かされたりしているので、大変でもアウトプットして良かったなと思っています。
そんなアウトプットにはコツがあるのですが、初めての方には以下の書籍がおすすめです。
章ごとに細かく分かれていて読みやすいですし、著者が精神科医の方なので研究結果なども豊富に紹介されていて安心感があります。
自分のためのアウトプットだけではなく、ネットに向けた発信を強化していきたいという方には、以下の書籍がおすすめです。
元マイクロソフトの凄腕エンジニアの方の本で、ネット上でアウトプットする上での心構えやコツが分かりやすくまとまっています。
ほかにもおすすめの本はいくつかあるのですが、まずは何事も「習うより慣れろ」ですね。
自分のノートにまとめても良いですし、noteやブログに書いてみるのも良いと思います。
紙のノートであれば、ミドリのノートがシンプルで使いやすいです。
フラットに開くので書きやすいですし、裏抜けがしにくいのも良いですね。
ロフトやハンズに行くとミドリ以外にも色々なノートがあるので、自分のお気に入りの読書ノートを作ってみるのも楽しいです。
私もまだまだですが、いざというときのためにも、お気に入りのノートと一緒に普段から自分の頭で考える癖をつけていこうと思いました。
思慮が浅い人は物事を深く考えることができず、目的を達成することができない、という言葉。
Google先生やChatGPTが何でも教えてくれる時代になったからこそ、その知識をどのように活かすのかで差が出てくるのだと思います。
ネットで簡単に答えに辿り着けてしまう現代社会だからこそ、得た答えをしっかりと活用できるよう、自分自身の思考力を高めていきたいですね。