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クラブ別戦力評価#20 ベガルタ仙台
記事編集日:2023年2月6日
みなさん、こんにちは。
本日より、2023シーズン開幕に先立ちまして、昨年も行いました戦力評価を行っていきたいと思います。
すでに、2023年に入り、各クラブが新体制発表、キャンプインなどという状態になってきました。
「クラブ別戦力評価」の第20回は、ベガルタ仙台編です。
評価軸としては、「GK」から「FW」の各ポジション、そして「その他」として監督などのスタッフや継続性を「SS」「S」「A」「B」「C」「D」「E」の7段階評価をしていきたいと思います。
移籍市場
ここまでの、移籍市場の動きを振り返っていきましょう。
画像は、Jリーグ公式の移籍情報ページのキャプチャになります。
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<考察>
今季のベガルタ仙台の移籍市場はとても動きは活発でした。
シーズン終了直後から素早い動きを見せました。
昨季、出場機会を掴んでいた選手のうち、退団した選手としては平岡選手と富樫選手が退団しました。
守備と攻撃の要が移籍したということにはなりますが、伊藤監督の愛弟子でもある小出選手やロアッソ熊本で圧巻のパフォーマンスを見せていた菅田選手を獲得しています。
ローンで加入していたキム・テヒョン選手の期限付き移籍期間を延長できましたので戦力値の維持、強化はできていると言えます。
攻撃陣に関しては、富樫選手が退団したものの中山選手を残留させたほか、韓国Kリーグで2度の二桁得点を記録しているホ・ヨンジュン選手を獲得しています。
他にも、多くの出場機会を掴むことができていなかった石原選手、名倉選手、ストイシッチ選手、吉野選手が退団。夏に期限付き移籍し、即主力になった佐藤選手も退団してしまいました。
一方で、獲得選手に目を向けると浦和レッズでのプレー経験もあり、ポルトガル一部のポルティモネンセで主力でもあったエヴェルトン選手を獲得しました。
正直、J2のレベルというかJ1レベルでも規格外の力を持っている選手で「チート級」と言えます。
他にも、期待の若手である山田選手をC大阪から加入。
ヴィッセル神戸でポリバレンとさを持ち味に多くの試合に出場していた郷家選手を”復帰”させました。J1での経験がある2人の獲得はいろいろな意味で大きいだろうと思います。
そして、個人的が一番大きいと思うのは林選手の獲得です。
度重なる負傷離脱によりここ2年間の公式戦出場はありませんが、海外でのプレー経験もあり、A代表選出経験もあるなど経験豊富な選手です。そして、ここ2年間の公式戦出場がなかった期間に「試合に出なくてもチームに貢献する」ということを経験しており、戦力面はもちろん、チームを支えるベテランという意味でも獲得は大きいと思います。
評価
GK
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最初にGKです。
昨季は、小畑選手が21試合。杉本選手が15試合。ストイシッチ選手が6試合に出場していました。
ストイシッチ選手がFC町田ゼルビアに移籍することになりましたが、メインであった二人は残留しています。
若手の小畑選手。中堅の杉本選手という構成でしたが、FC東京より経験豊富な林選手を獲得しており、非常に層が厚いチームに変貌したと言えます。
J2のチームですが、J1である程度の出場機会を掴んでいた選手が3人いるという状況は、J2レベルとは言えず、屈指の戦力値・戦力層ということができます。
このようなことを踏まえ、評価は最高評価の『SS』としました。
DF
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次にDFです。
昨季は42試合で59失点と決して守備が固いチームということはできませんでしたが、伊藤監督就任前はあまりなかった「無失点試合」が少しずつ増えてきております。
加えて、シーズン前のキャンプから戦術を落とし込める今季に関してはより守備面での安定を図ることができると思います。
ベテランの平岡選手が退団してしまったことはネガティブな要素ですが、蔚山から期限付き移籍で獲得していたキム・テヒョン選手の期限付き移籍期間を延長できたことは非常にポジティブでしょう。
加えて、ヴァンフォーレ甲府時代に伊藤監督の元で守備の要として大きく貢献していた小出選手を獲得した他、昨季のロアッソ熊本で非常によいパフォーマンスを見せていた菅田選手も獲得しています。
他にも、若狭選手なども残留しておりますので総じてポジティブな印象です。
戦力値に関しては申し分ありませんが、3バックを採用するとしては選手数に若干の不安が残ります。加えて、伊藤監督ではなかったとは言え失点数が良かったわけでないということを踏まえ、評価は『B』としました。
MF
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次にMFです。
ウイングバックに関しては、昨季サイドハーフでプレーしていた選手とサイドハーフでプレーしていた選手がポジションを争うでしょう。
しかし、右の真瀬選手、左の内田選手、蜂須賀選手、氣田選手といった昨季の主軸メンバーが多く残留していることに加え、秋山選手が復帰。鳥栖から相良選手が期限付き移籍で加入など選手数・実力ともに申し分がない陣容であると思います。
ボランチに関しては、フォギーニョ選手と松下選手が残留しています。
特に、松下選手に関しては昨季は終盤戦まで負傷離脱していましたが、最終盤ではボランチで主力になっており開幕時からフル稼働できる今期は期待感が高まります。
昨季のメンバーで見ると吉野選手が横浜FCへ移籍していますが、ポルトガルのポルティモネンセからエヴェルトン選手を獲得しています。
浦和レッズで日本を経験していることに加え、ポルトガル一部でレギュラーであったことを踏まえても、J2ではチート級と言える選手であり期待感が高まります。
MFに関しては、遠藤選手が残留するなど多くの選手の慰留に成功した他、一番大きいのはヴィッセル神戸から”復帰”した郷家選手ではないでしょうか。
中盤のポジションであれば基本的にどこでもこなすことができるポリバレントな選手で、それ故に「便利屋」のような起用をされがちですがどのポジションで出ても計算できる選手であるということです。
中盤の戦力層を満遍なく厚くすることのできる選手であり、彼の獲得は仙台の中盤の戦力値・選手層を一気に厚くする補強と言えるでしょう。
このようなことを踏まえ、MFの評価は『SS』としました。
昨季の主力級選手が全員残留したことに加え、郷家選手、エヴェルトン選手など実績・実力十分な選手を獲得していることを要因に考えました。
FW
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次にFWです。
FWに関しては、中山選手とともにダブルエースとして活躍していた富樫選手がサガン鳥栖へと移籍しました。
中山選手の負傷離脱時など非常によいプレーを見せていた選手であるだけに彼の退団は非常に痛いです。
が、富樫選手に代わる得点源として韓国よりホ・ヨンジュン選手を獲得しています。
韓国のKリーグで2度に渡り二桁得点を記録したことのある選手であり、身長も高いことから空中線でも強さを発揮できます。
「Jリーグでの実績」という観点では富樫選手に分がありますが、韓国一部リーグでの実績があるため期待値も高まります。
また、セレッソ大阪から期待の若手である山田選手を期限付き移籍を獲得しました。
16歳でJリーグ初出場するなど若い頃から期待されていた選手で、中山選手とホ選手とのポジション争いに勝つことができればセレッソへの復帰も見えてくるだけに期待感が高まります。
他にも、産業能率大学より加入した菅原選手は仙台の下部組織出身の選手で「4年越しの復帰」です。
大卒一年目から出場期秋を掴むと思いますので、与えられた出場機会の中で結果を残せれば一気に主力に台頭するかもしれません。
また、昨季の得点数67は昇格組にも匹敵する数字であり、富樫選手が退団したとはいえ、新たな得点源を獲得していることもポジティブです。
一方で、ホ選手に関してはJリーグでの実績がないこともあるので、少し懸念点ではあります。
このようなことを踏まえ、評価は『S』としました。
その他
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最後にその他です。
伊藤監督に関しては「就任二年目」という扱いになりますが、とは言え終盤戦だけですので普通の二年目とは少し異なります。
終盤戦のみの指揮であった昨季は戦術の落とし込みとかはできませんでしたが、今期に関してはキャンプから戦術の落とし込みができるため非常にポジティブです。
他方で、「継続性」という観点では新監督よりはいいものの純粋な二年目と比べるとネガティブです。
このようなことを踏まえ評価は『B』としました。
フォーメーション
フォーメーションは、2022シーズンの終盤(伊藤監督就任時)に採用したのは3バックですので、今季も3バックでしょう。
その上で、メンバーを見て、2トップにしたいということもあり3-4-1-2というフォーメーションで予想してみました。
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GKは、昨季多くの試合で出場機会を掴んでいた小畑選手と杉本選手に加え、実績・経験豊富な林選手を加えた3選手でのポジション争いになりそうです。
林選手に関しては、負傷によりここ二年間の公式戦出場がないことが懸念点ですので、いきなり主力予想はしませんでしたが、この3人の中で圧倒的な選手はおらず横一線の争いでしょう。
3バックは、昨季も主力であったキム・テヒョン選手が残留していますので、彼が中心になるでしょう。
加えて、甲府時代に伊藤監督と共闘しており、戦術面でのアドバンテージもある小出選手もいきなり主力になってもおかしくありません。
もうひと枠は、昨季も出場機会を掴んだ若狭選手とロアッソ熊本で素晴らしい活躍をした菅田選手の争いになるというのが自然ではないでしょうか。
右ウイングバックは、右サイドバックとして多くの出場機会を掴んでいた真瀬選手が入るのが自然でしょう。
控えとしては、石原選手が退団しているため、加藤選手や左サイドでのプレーもできる蜂須賀選手などが入るのではないでしょうか。
左ウイングバックに関しては、先述した蜂須賀選手と内田選手、氣田選手の三つ巴の争いになるのではないでしょうか。
個人的には、氣田選手を主力予想しています。
氣田選手は攻守両面にハードワークできる選手ですので、ウイングバックにしても機能すると思います。
ボランチに関しては、ポルトガル一部でも主力であったエヴェルトン選手は、実績・実力ともに申し分なく主力と考えるのが自然でしょう。
コンビを組むのはフォギーニョ選手と松下選手の争いになると思いますが、松下選手は負傷離脱から復帰した後主力になっており、今期は主力になってもおかしくありません。
トップ下に関しては、中島選手と郷家選手の争いになりそうです。
郷家選手はポリバレントな選手で、トップ下以外での起用も考えられそうですので、予想としては昨季も圧倒的なプレーを見せた中島選手を入れています。
また、ベテランの遠藤選手はこのポジションと最前線での併用となりそうですので、主力予想はしていません。
最前線は、昨季も得点源として活躍した中山選手を軸とすることになりそうです。
相方としては、韓国で活躍したホ選手と山田選手の争いになりそうですが、韓国Kリーグでの実績を見ると、ホ選手の方に分があるため、ホ選手を主力予想しています。
まとめ
これまでの評価をまとめます。
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目標
現実的な目標は、「J1昇格」になるでしょう。
昨季までの主力選手がある程度残留していることに加え、大型補強ともいえる補強を敢行したシーズンですので、悲願のJ1復帰を果たしたいシーズンであると言えるでしょう。
最後に
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