FC琉球 補強診断〜チーム別補強診断#40〜
こんにちは。
J2リーグは、すでにレギュラーシーズンの全日程を終了しました。
そこで、「チーム別補強診断」シリーズでは、2022シーズン開幕に向けた各チームの補強に関して、現時点までの成績などを踏まえ評価を行っていきたいと思います。
その上で、各選手の補強診断を『S』から『D』の5段階で評価をし、最後はチーム全体の総括も行おうと考えています。
これまでのシリーズ同様、上位カテゴリーから、北から行います。
第40回となる今回は、FC琉球編です。
ちなみに、このシリーズはJ2までですので最終回となります。
なお、すべての情報は11月6日時点となるので、ご了承ください。
また、試合出場などのスタッツは、transfermarktを引用します。
補強動向
改めて、今オフのFC琉球の補強動向を振り返っていきましょう。
なお、この表は以前の記事『2022Jリーグチーム別考察#41 ~FC琉球~』に記載されている表になります。
また、この表に記載されていない移籍情報は以下の通りです。
【IN】
ケルヴィン ←ヴィラ・ノヴァ(完全移籍)
アレックス・バレラ ←アルヘシラスCF(完全移籍)
加藤恒平 ←チェンライ・ユナイテッドFC(完全移籍)
サダム・スレイ ←FCブリシュティナ(完全移籍)
【OUT】
村瀬悠介 →FCマルヤス岡崎(期限付き移籍)
ヴィニシウス・ドスサントス →ナシオナルAC(復帰)
試合結果
選手個人個人の試合での出場データなどをみる前に、まずはチームとしてのここまでの成績を見ていきましょう。
J2リーグ
天皇杯
個人スタッツ
それでは、ここからはオフの移籍市場で加入した選手をポジション順に(GKから)見てきましょう。
①福村貴幸(←東京ヴェルディ)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
昨シーズン限りで、東京ヴェルディを構想外となり退団しました。J2で多くの試合に出場してきた選手で、経験豊富な選手ですので、最低でも準主力としての活躍が期待されているでしょう。
考察
開幕では、本職ではないボランチでスタメンすると、その後は左サイドバックの定位置を掴みました。
経験に裏付けられたプレーで、シーズンを通して左サイドバックの一番手となりました。
評価
評価は『A』としました。
期待されていた「最低でも準主力」という期待値は上回っているでしょう。主力となっており、素晴らしいパフォーマンスと言えます。
②大森理生(←FC東京)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
昨季、FC東京でプロ入りしたものの、森重選手らの壁を越えられず、あまり多くの出場機会を得ることができませんでした。
そこで、J2の琉球に移籍することで、出場機会を得ることが目標でしょう。
考察
開幕スタメンを果たし、非常によいパフォーマンスを見せました。その後、前半戦はスタメン出場ではない機会が多かったものの、後半戦になるとまた定位置をつまみ取りました。
シーズンを通じて、「出場機会」という最低限のタスクは達成したでしょう。
評価
評価は『B』としました。
期限付き移籍加入で開幕スタメンなど、シーズンを通じて主力になるかとも思いましたが、そうはいきませんでした。しかし、最低限のタスクは達成しているでしょう。
③中川創(←ジュビロ磐田)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
ジュビロから期限付き移籍で加入しました。大森選手と同様、パリ五輪世代の選手で、期待の選手です。大森選手と同様、出場機会を掴むことが目標になるでしょう。
考察
大森選手と同様、開幕スタメンを果たし非常によいパフォーマンスを見せましたが、その後は、スタメン定着できませんでした。
しかし、こちらも大森選手同様、後半戦は主力に返り咲き、多くの試合に出場しました。
評価
評価は『B』としました。
期限付き移籍加入で開幕スタメンなど、シーズンを通じて主力になるかとも思いましたが、そうはいきませんでした。しかし、最低限のタスクは達成しているでしょう。
④中野克哉(←京都サンガF.C.)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
大卒でプロ入りした京都では3シーズンで30試合超の出場とあまり多くの出場機会を掴むことはできませんでした。しかし、途中出場などで試合に出れば良いプレーを見せており、J1に挑むのではなく、J2の琉球に移籍する形で、再度、J2での挑戦を選びました。
琉球にとっては中川選手の退団などもあり、攻撃的なMF枠として獲得したでしょう。
考察
最終盤こそ、出場機会を失いましたが、それでも年間を通して試合に絡み、京都での3年間と同じくらいの試合に出場しました。スタメンの機会もそれなりにあり、非常によいシーズンを送ったと言えるでしょう。
評価
評価は『A』としました。
京都では、なかなか試合に絡めませんでしたが、今季の琉球ではしっかりと試合に絡んでおり、非常によいシーズンを送ったと言えます。
⑤大本祐槻(←アルビレックス新潟)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
昨年限りで、アルビレックス新潟を退団していた選手です。
新潟では加入後28試合の出場に止まりましたが、さまざまなチームへの移籍を繰り返しつつも、それぞれのチームで出場機会を得ており、J2で100試合を超える試合に出場した経験があります。
サイドハーフやサイドバックでプレー可能な選手で、基本はサイドハーフで考えつつも、田中選手の負傷時などはサイドバック起用でしょう。
考察
シーズンを通じて、両サイドハーフや両サイドバックなど持ち味を存分に発揮してプレーしました。
多くの試合に出場しており、主にサイドの4つのポジションを務めるなど、非常に大事な存在になりました。
評価
評価は『A』としました。
加入後、しっかりと試合に絡みました。
多くのポジションでもプレーしており、非常によい働きをしたと言えるでしょう。
⑥ケルヴィン(←ヴィラ・ノヴァ)
試合スタッツ
・Jリーグ
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
夏の移籍市場で獲得した選手です。
ヴィラ・ノヴァを退団して以降は、無所属の期間もありましたが、チームが低迷しており、得点力不足が嘆かれていた中で、新たな得点源と期待されて練習参加ののち、加入が決定しました。
考察
加入後より、多くの試合に出場しました。
スタメン出場の機会も一定程度与えられていた中で、なかなか「得点」という結果は残せず、試合に出てはいたものの期待された働きをしたかと言えば難しいところです。
評価
評価は『C』としました。
加入後、多くの試合に出場はしました。
しかし、結果は残せず、C評価にしました。
⑦加藤恒平(←チェンライ・ユナイテッドFC)
試合スタッツ
・Jリーグ
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
ハリルホジッチ監督が日本代表の監督を務めていたときには、代表に招集されるなどした選手で、海外でのプレー経験が長い選手です。
鳥栖や町田の在籍経験もありますが、それでもJリーグでなかなか結果を残すことができていませんでした。
しかし、琉球にとっては、風間選手の退団により、試合を支配できない試合が増えていたこともあり、経験豊富な選手として獲得したと言えるでしょう。
考察
加入後、多くの試合に出場はしましたが、最終盤には4試合連続でイエローカードをもらってしまうなど、最後まであまり日本サッカーに適応できなかったイメージです。
評価
評価は『B』としました。
多くの試合に出場しているものの、出場しているだけで、「可もなく不可もなし」という状況でしょう。
⑧ファン・バン・ルアン(←サイゴンFC)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
FC琉球は2021シーズンより、ベトナムVリーグ所属のサイゴンFC(SAIGON FC: 代表者 TRAN HOA BINH ,ベトナムVリーグ1所属)とアジアストラテジックパートナーシップ契約を締結しており、その関係での獲得でしょう。
考察
試合に継続的に絡むことはできませんでした。
一方で、試合に全く絡めなかったわけではないという点はポジティブです。
評価
評価は『B』としました。
当初より、多くの試合に絡むことが期待されているわけではないので、B評価にしました。
⑨ブー・ホン・クアン(←サイゴンFC)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
FC琉球は2021シーズンより、ベトナムVリーグ所属のサイゴンFC(SAIGON FC: 代表者 TRAN HOA BINH ,ベトナムVリーグ1所属)とアジアストラテジックパートナーシップ契約を締結しており、その関係での獲得でしょう。
考察
試合に継続的に絡むことはできませんでした。
一方で、試合に全く絡めなかったわけではないという点はポジティブです。
評価
評価は『B』としました。
当初より、多くの試合に絡むことが期待されているわけではないので、B評価にしました。
⑩武沢一翔(←東京学芸大学)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
東京学芸大学より加入した選手です。身長は166cmと非常に小柄ですが、ボランチとして高いボール奪取能力が持ち味の選手です。
また、足元の技術も確かであり、しっかりとサッカーを組み立てることができる選手です。
考察
開幕スタメンを果たすなど、しっかりとチームの構想に入っていきました。
ボランチだけでなく、サイドハーフなどでもプレーしており、非常に大事な選手になっています。
評価
評価は『A』としました。
大卒ルーキーとして、多くの試合に出場しました。パフォーマンスを安定しており、大卒ルーキーとして非常に良いシーズンを過ごしたと言えるでしょう。
⑪野田隆之介(←京都サンガF.C.)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
京都では、2年間で40試合の出場に留まっており、得点数も4と期待された結果は残せませんでした。その結果、今季より琉球に移籍しました。
J2での実績もある選手で、得点力に期待をしていると言えるでしょう。
考察
開幕からベンチ外となる試合もあるなど、スタメン出場の機会は多くありませんでした。
しかし、得点は5点であり、FWとして少し寂しい結果と言えます。
評価
評価は『C』としました。
経験豊富なFWとして非常に活躍が期待されましたが、得点数は5となかなか期待された活躍はできていません。
⑫アレックス・バレラ(←アルヘシラスCF)
試合スタッツ
・Jリーグ
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
スペイン2部でながらく活躍してきた選手で、夏でスペインのクラブを退団しており、同郷の監督が就任したということもあり加入しました。
考察
負傷離脱もあり、試合出場は1試合しかなく期待値を大きく下回っている状態と言わざるを得ません。
評価
評価は『D』としました。
加入後、監督と同郷ということで非常に期待されましたが、期待値を大きく下回ってしまいました。
⑬サダム・スレイ(←FCブリシュティナ)
試合スタッツ
・Jリーグ
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
獲得理由としては、先ほどのケルヴィン選手と同様に新たな得点源として加入ということでしょう。
考察
加入後、多くの試合で出場しました。3試合連続得点を決めるなど、結果を残しますが、得点後のパフォーマンスで退場すると、その後は低調なパフォーマンスになってしまっています。
評価
評価は『B』としました。
10試合程度の出場で3得点で、年間に換算すると二桁得点ですが、波があるためB評価にしました。
⑭草野侑己(←横浜FC)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
横浜FCでは、なかなか出場機会を得られず、山口への期限付き移籍に続いて、t琉球に期限付き移籍しました。
なかなか、得点力に悩まされることが多い琉球で、場面ごとに強烈な「個」がいないことが難点であった琉球にとって「個」がある草野選手の獲得は非常に大きいと思います。
考察
開幕から安定して出場機会を得ると、多くの得点を決め、チームのトップスコアラーになりました。
しかし、中盤戦以降は長期離脱もあり、最終的に半分程度の試合に出場となっております。前半戦が良かっただけに勿体無い成績です。
評価
評価は『B』としました。
前半戦のパフォーマンスは非常に良かったですが、後半戦い負傷離脱をしていたことを考えると、及第点としました。
⑮人見拓哉(←AC長野パルセイロ)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
昨季は、出場機会を求めてJ3の長野パルセイロに移籍していましたが、7試合の出場にとどまり、今季は復帰しました。
昨季の成績を踏まえても、多くの試合に出場することが期待されているとは言い難いでしょう。
考察
前半戦は試合に絡めませんでしたが、人見選手のとっては監督交代が景気になりました。
監督交代が起きた後半戦は、ほとんどの試合でメンバー入りしており、途中出場から多くの試合に出場しましたが、得点という結果は残せませんでした。
評価
評価は『A』としました。
元々の期待値から考えれば、想定以上の試合に出場できていると言えますので、A評価にしました。
全体評価
それでは、全選手の評価を振り返っていきましょう。
以上のことを踏まえた総合評価は以下のとおりです。
全体評価は「B」としました。
最終的にクラブとして非常に厳しい結果に終わったシーズンでしたが、獲得した選手に関しては一定の結果を残しました。一方で、緊急補強的側面の強い、夏の補強は軒並み失敗に終わりました。
最後に
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