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徳島ヴォルティス 補強診断〜チーム別補強診断#36〜

こんにちは。
J2リーグは、すでにレギュラーシーズンの全日程を終了しました。
そこで、「チーム別補強診断」シリーズでは、2022シーズン開幕に向けた各チームの補強に関して、現時点までの成績などを踏まえ評価を行っていきたいと思います。
その上で、各選手の補強診断を『S』から『D』の5段階で評価をし、最後はチーム全体の総括も行おうと考えています。
これまでのシリーズ同様、上位カテゴリーから、北から行います。
第36回となる今回は、徳島ヴォルティス編です。
なお、すべての情報は11月3日時点となるので、ご了承ください。
また、試合出場などのスタッツは、transfermarktを引用します。

補強動向

改めて、今オフの徳島ヴォルティスの補強動向を振り返っていきましょう。

なお、この表は以前の記事『2022Jリーグチーム別考察#37 ~徳島ヴォルティス~』に記載されている表になります。
また、この表に記載されていない移籍情報は以下の通りです。
【IN】
 エウシーニョ ←無所属(加入)
 杉本太郎 ←アビスパ福岡(完全移籍)
【OUT】
 後藤尚輝 →栃木シティFC(期限付き移籍)
 石田凌太郎 →名古屋グランパス(復帰)
 渡井理己 →ボアヴィスタFC(期限付き移籍)
 大森博 →福島ユナイテッドFC(期限付き移籍)
 鈴木輪太朗イブラヒーム →CFバダロナ(期限付き移籍)
 
*石田選手はシーズン途中で退団していますので、今回の記事では言及しません。

試合結果

選手個人個人の試合での出場データなどをみる前に、まずはチームとしてのここまでの成績を見ていきましょう。

J2リーグ

ルヴァンカップ

天皇杯

個人スタッツ

それでは、ここからはオフの移籍市場で加入した選手をポジション順に(GKから)見てきましょう。

①ホセ アウレリオ スアレス(←ADアルコルコン)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 スペインのADアルコルコンより加入した選手で、アルコルコンではセカンドGKの立ち位置でした。しかし、元々は、FCバルセロナのカンテラ出身の選手で、非常に能力の高い選手であることに加え、監督のポヤトス監督と同郷であることもあり、主力候補としての獲得でしょう。

考察

 加入のタイミングが少し遅く、キャンプに参加できなかったため、開幕から主力となることはできませんでした。
 第6節のブラウブリッツ秋田戦で初めてベンチ入りを果たすと、その3日後のルヴァンカップで実戦デビュー。その後は、主力としてリーグ戦のほとんどの試合に出場しました。
 1試合平均失点は1を下回っているほか、13試合の無失点試合を記録しており、徳島の守備を支えた存在と言えます。

評価

評価は『S』としました。
 主力候補としての獲得であり、しっかりと守護神に定着しました。そして、シーズンを通じてハイレベルなパフォーマンスを見せ、固い守備の構築に貢献しました。

②田中颯(←京都産業大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 東京ヴェルディの下部組織出身の選手で、京都産業大学では1年生の時から試合に出場し続けていました。
 足元の技術に定評があり、ビルドアップの起点になれる選手で、攻撃面で強みを発揮します。本人も「1年目から試合に出たい」と話しており、なるべく多くの試合に絡んでいくことが期待されているでしょう。

考察

 開幕からJ2リーグでのベンチ入りは叶いませんでした。サブ組で臨んだルヴァンカップでは2試合にベンチ入りをしましたが、試合出場は叶いませんでした。
 GKというポジションの特性上、出場機会を得にくいですが、GKが多い徳島ということを考えると、来年は早くも勝負の年となるかもしれません

評価

評価は『C』としました。
 大卒ルーキーで出場機会を全く掴めなかったということはネガティブな要素です、一方で、GKというポジションの特性上、酌量の余地もあるでしょう。

③石尾崚雅(←ツエーゲン金沢)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 ツエーゲン金沢では、若い頃から主力として活躍し、コロナ禍により過密日程となった中でも、全試合フル出場という超人のような成績を残しました。
 今季より、徳島に加入しました。
 J1復帰を本格的に目指す徳島への移籍は、ステップアップ移籍であり、ここで主力となることが期待されているでしょう尾。

考察

 開幕からなかなか出場機会をつかめませんでした。
 カカ選手などがおり、選手層が厚い中でも、しっかりと控えのファーストチョイスではあり続け、ルヴァンカップや天皇杯ではフル出場を続けたものの、そのチャンスをリーグ戦での主力定着につなげることはできませんでした。

評価

評価は『C』としました。
 昨季までは、金沢で絶対的な選手であったため、徳島でも同様の働きが期待されましたが、今季はそのような活躍はできていません。

④新井直人(←セレッソ大阪)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 大卒ルーキーで加入したアルビレックス新潟では、初年度から主力として活躍するも、ステップアップしたC大阪ではなかなか出場機会を掴むことができず、今季は、J2の徳島ヴォルティスに期限付き移籍しました。
 新潟時代に、J2で通用することは証明済で、左右のサイドバックをハイレベルにこなせるという点で、多くの出場機会を掴むことが期待されているでしょう。

考察

 開幕戦は、本職ではない左サイドバックでスタメン出場すると、シーズンを通じて左右のサイドバックで多くのスタメン出場しました。
 シーズン途中にエウシーニョ選手が加入して以降は、序列が少し低下しましたが、総じて良いパフォーマンスであったと言えるでしょう。

評価

評価は『A』としました。
 期限付き移籍の目的は出場機会を掴むことであり、左右のサイドバックをハイレベルで多くの試合でこなしたということは非常にポジティブでしょう。

⑤エウシーニョ(←無所属)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 川崎フロンターレや清水エスパルスで活躍してきた「超攻撃型サイドバック」で、過去には1シーズンで8得点というFWばりの得点力を持ち合わせています。
 清水エスパルス退団後はフリーになっていましたが、名古屋から加入した石田選手の期限付き移籍が予定より早く終了してしまったこともあり、加入しました

考察

 加入直後はなかなか戦術に適応できず、試合に出場できませんでしたが、それでも中盤戦以降は主力に定着しました。
 終盤戦では、とんでもないゴールを叩き込むなど、期待通りの活躍を見せていると言えるでしょう。

評価

評価は『B』としました。
 シーズン途中での加入という非常に難しい状況でしたが、多くの試合に出場しており、最低限の仕事は果たしたと言えるでしょう。

⑥安部崇士(←ファジアーノ岡山)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季前半戦は、J1の徳島でほとんど出場機会をつかめずに、夏の移籍市場でJ2のファジアーノ岡山に期限付き移籍すると、瞬く間に主力に定着し、多くの試合に出場しました。
 今季は、徳島がJ2に降格したことやその活躍もあり、復帰をしましたが、石尾選手の加入もあり昨季同様の激しいポジション争いが待っているでしょう。

考察

 開幕から多くの試合にスタメン出場しました。
 カカ選手が不動の存在として君臨する中で、しっかりとその相方のポジションを手中に収めており、期待値以上の働きを見せていると言えるでしょう。

評価

評価は『S』としました。
 昨季はあまり出場機会をつかめませんでしたが、復帰した今季は主力ともいえる活躍を見せています。

⑦森昂大(←びわこ成蹊スポーツ大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 びわこ成蹊スポーツ大学より加入した183cmのセンターバックです。
 1年生から主力として活躍してきた選手で、決して大柄ではありませんが対人守備と空中戦に強みがあります。
 いきなり主力ではなく、徐々に試合に絡んでいきたいところでしょう。

考察

 開幕からなかなかメンバー入りできていませんでした。
 ルヴァンカップと天皇杯で少しずつ出場機会を掴みましたが、その後の出場機会につなげることはできませんでした。

評価

評価は『C』としました。
 大卒ルーキーという決して若手ではない選手ですので、評価はCにしました。

⑧長谷川雄志(←大分トリニータ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 プロ入りした大分トリニータでは、2020シーズンは主力として活躍したものの、2021シーズンは後半戦になるにつれ、出場機会を失いました。
 今季より、再起を喫しての移籍だと思いますが、J1で出場機会を掴んできた選手でもありますので、多くの試合に出場することが期待されているでしょう。

考察

 開幕から控えとしてチームのスカッドに加わりました。
 控え組でのルヴァンカップなどでは、多くの試合に出場したものの、そこでのチャンスをリーグ戦でのプレーにつなげることはできておらず、シーズンを通じて、主力とは言えないパフォーマンスでした。

評価

評価は『C』としました。
 主力となることが期待されている中で、このパフォーマンスは少し期待はずれです。一方で、しっかりとスカッドには入っていました。

⑨白井永地(←ファジアーノ岡山)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季の岡山でも絶対的な選手として活躍していた選手で、J1から降格をしてしまった徳島へ移籍することでJ1昇格を目指しました。
 徳島から見ると、鈴木徳真選手が移籍してしまったこともあり、中盤の主力の枠が一つ空いてしまったため、そこを埋める補強と言えるでしょう。

考察

 開幕からスタメン出場を続けると、シーズン中盤戦以降は、多くの試合でキャプテンマークを巻くなど、絶対的な選手としてチームに貢献しました。
 今まで、岩尾選手などが担ってた役割もこなしており、非常によい補強であったと言えます。

評価

評価は『S』としました。
 主力となるだけでなく、多くの試合でキャプテンマークを巻くなど絶対的な主力になっており、最高評価にしました。

⑩児玉駿斗(←名古屋グランパス)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 名古屋グランパスでは、厚い選手層もあって全くと言っていいほど試合に絡めませんでした。しかし、昨季の後半戦に移籍した相模原では主力になれないものの、途中出場で多くの試合に出場しました。
 名古屋グランパスとの契約も満了してしまった中で、小西選手や岸本選手など多くの選手が退団した徳島が獲得しました。

考察

 開幕では、ベンチ外でしたがその後は中盤の中央のポジションで主力となりました。
 シーズン中盤戦以降はほとんどの試合でスタメン出場しており、フル出場の機会も多くなっているなど、まさに「水を得た魚」のごとく活躍しています。

評価

評価は『S』としました。
 相模原でもスタメン出場の機会が少ないなど、主力になることを想定していた人は少ないのではないでしょうか。しかし、完全に主力になっており期待値を大きく上回っていると言えます。

⑪杉本太郎(←アビスパ福岡)

試合スタッツ

・Jリーグ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 前半戦に所属していたアビスパ福岡では、今季はリーグ戦4試合の出場にとどまっており、なかなか主力になることができず、かつて活躍した徳島ヴォルティスに移籍しました。
 そもそも、放出選手に対して獲得選手が少ないオフを過ごしたのが今季にかけての徳島でしたので、選手層を厚くする意味合いが強そうです。

考察

 加入直後から多くの試合でスタメン出場をするなど、活躍しています。
 最終節では、イレギュラーな事象により、短いプレー時間でしたが、それでもすぐに適応するなど期待値以上とは言えるでしょう。

評価

評価は『A』としました。
 加入直後からしっかりと、安定したプレー時間を確保しているなど、期待地位以上と言えそうです。

⑫櫻井辰徳(←ヴィッセル神戸)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 高校サッカーの名門、前橋育英高校よりヴィッセル神戸に加入し、プロ入りしました。初年度から一定のプレー機会を掴み、プロA契約を締結しましたが、それでもイニエスタ選手や山口選手がいる中で、主力となることは叶わず、更なる出場機会を掴むために期限付き移籍したと言えるでしょう。

考察

 開幕からスタメン出場をするなど、非常によりスタートを切りました。前半戦に関して言えば、主力ともいえる活躍を見せていましたが、杉本選手の加入や児玉選手のフィットなどにより出場機会を減らしています

評価

評価は『B』としました。
 出場機会を掴むという最低限の目的は達成しているでしょう。一方で、完全な主力になりかけていた前半戦と比べ後半戦は出場機会を減らしており、及第点としました。

⑬坪井清志郎(←アルビレックス新潟シンガポール)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季は、シンガポールのアルビレックス新潟シンガポールに期限付き移籍をしていました。
 膝の捻挫による離脱があったものの、13試合で15得点という脅威的な成績を残しており、シンガポールでの経験を生かして、徳島で少しずつ試合に絡んで行きたいでしょう。

考察

 シンガポールとJ2のリーグレベルが異なるため、一概には言えませんが、シンガポールリーグ屈指の点取屋に成長した坪井選手は、開幕からスタメンではないものの少しずつ試合に絡んで行きました
 一方で、得点という目に見える結果は残せませんでした。

評価

評価は『C』としました。
 FWという中で、10試合以上に出場のチャンスをもらいました。その中で、得点など目に見える結果を残せていないのは期待値いかでしょう。

⑭玄理吾(←静岡学園高校)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 高校サッカーの名門、静岡学園高校の心臓であり、高校世代屈指のプレーメーカーでした。その中で、j2の徳島は藤田選手など若い選手であっても実力さえあればしっかり起用される特徴もあるチームですので、出場機会なども考えての加入でしょう。

考察

 前半戦は、プロの水に慣れるために、ルヴァンカップなど控え組で臨んだ試合に出場していました。
 一方で、後半戦になると、スタメン出場やメンバー入りの機会が多く増え、徐々に序列を上げるなど、一年目としては十分に満足のいく成績でしょう。

評価

評価は『A』としました。
 前半戦は、極めて標準的な成績でしたが、後半戦になると序列を一気に上げており、期待値以上と言えるでしょう。

⑮藤尾翔太(←セレッソ大阪)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季の前半戦は、所属元のセレッソ大阪に在籍していましたが、ほとんど試合に絡めず、後半戦はJ2の水戸でプレーしました。
 水戸では主力として活躍しました。そして、徳島への移籍は、J1への昇格や藤尾選手本人のステップアップも考えての移籍でしょう。そして、宮代選手も退団していることもあり、「若手FW枠」とも言えるでしょう

考察

 開幕から多くの試合でスタメン出場し、結果的にJ2リーグ30試合に出場しました。そして、10得点を記録しており、191分に1得点の割合で得点を記録しており、大きく飛躍の年になったと言えるでしょう。

評価

評価は『A』としました。
 しっかりと、主力に定着し、二桁得点を記録するなど、結果を残しました。期待されたFWとして期待された以上の活躍を見せていると言えるでしょう。

⑯オリオラ・サンデー(←福知山成美高校)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 ナイジェリア国籍の選手で、高体連出身の選手ですが、爆発的な身体能力で攻撃を牽引できる選手で、初めは貴重な交代カードとなりたいところでしょう。

考察

 開幕からおおくの試合でベンチ入りし、途中出場したものの結果を残せずにいると、その後はベンチ外となっており、厳しいシーズンとなりました。

評価

評価は『C』としました。
 シーズン序盤はチャンスをもらったものの、それを生かせずにいると、全く試合に絡めなくなっており、期待値を若干下回っていると言えるでしょう。

全体評価

それでは、全選手の評価を振り返っていきましょう。

ホセ アウレリオ スアレス S
田中颯 C
石尾崚雅
 C
新井直人 A
エウシーニョ B
安部崇士 S
森昂大 C
長谷川雄志 C
白井永地 S
児玉駿斗 S
杉本太郎 A
櫻井辰徳 B
坪井清志郎 C
玄理吾 A
藤尾翔太 A
オリオラ・サンデー C

以上のことを踏まえた総合評価は以下のとおりです。

全体評価は「A」としました。
 多くの選手が期待値以上の成績を残しており、評価Sの選手も非常に多い印象です。

最後に

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