サンフレッチェ広島 補強診断〜チーム別補強診断#16〜
こんにちは。
Jリーグも開幕してから数ヶ月が経ち、すでに後半戦が始まり、チーム状況を見直しての目標の再設定が行われています。
そこで、「チーム別補強診断」シリーズでは、2022シーズン開幕に向けた各チームの補強に関して、現時点までの成績などを踏まえ評価を行っていきたいと思います。
その上で、各選手の補強診断を『S』から『D』の5段階で評価をし、最後はチーム全体の総括も行おうと考えています。
これまでのシリーズ同様、上位カテゴリーから、北から行います。
第15回となる今回は、サンフレッチェ広島編です。
なお、すべての情報は7月21日時点となるので、ご了承ください。
また、試合出場などのスタッツは、transfermarktを引用します。
補強動向
改めて、今オフのサンフレッチェ広島の補強動向を振り返っていきましょう。
なお、この表は以前の記事『2022Jリーグチーム別考察#16 ~サンフレッチェ広島編~』に記載されている表になります。
また、この表に記載されていない移籍情報は以下の通りです。
【IN】
ナッシム・ベン・カリファ ←エスペランス・スポルティーブ・ドゥ・チュニス(チュニジア)(完全移籍)
【OUT】
仙波大志 →ファジアーノ岡山(期限付き)
永井龍 →ファジアーノ岡山(期限付き)
*なお、仙波選手は今季加入の上での移籍ですので言及しません。
試合結果
選手個人個人の試合での出場データなどをみる前に、まずはチームとしてのここまでの成績を見ていきましょう。
J1リーグ
ルヴァンカップ
天皇杯
個人スタッツ
それでは、ここからはオフの移籍市場で加入した選手をポジション順に(GKから)見てきましょう。
①野津田岳人(←ヴァンフォーレ甲府)
試合スタッツ
・Jリーグ
・ルヴァンカップ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
城福監督の元、プレーした2020年はなかなか出場機会を得ることはできず、2021年は出場機会を求めたJ2のヴァンフォーレ甲府へと移籍し、シーズンを通して出場機会を得ることができました。
城福監督が退任し、新たにスキッペ監督を招聘し、チームとして新たなフェーズに入る中で、もう一度、本所属チームでチャレンジしたいという意味での復帰と言えるでしょう。
主力候補としてではなく、ポジション争いを繰り広げてほしいという意味合いと言えるでしょう。
考察
以前は、攻撃的なポジションで活躍をしていた選手ではありましたが、今季はボランチで起用される機会が多く、川辺選手が抜けた穴を完全に埋めていると言えます。
E1の日本代表にも選出されるなど、現在はチームを引っ張る選手として活躍をしており、飛躍の一年となっていると思います。Jリーグだけでなく、天皇杯でも全試合に出場しており、現在のスキッペ監督率いる広島にとって絶対的主力になりました。
評価
評価は『S』としました。
レンタルからの復帰ということで、なかなか主力に定着をすることを想定できていたかと言えばそうではありませんでしたが、ついには日本代表に選ばれるまでになりました。この活躍は、期待値を大きく上回っていると考え『S』としました。
②川村拓夢(←愛媛FC)
試合スタッツ
・Jリーグ
・ルヴァンカップ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
アカデミー出身の川村選手は、出場機会を掴むために、愛媛FCに期限付き移籍をし、主力として79試合に出場しましたが、チームのJ3降格に伴い、所属元であった広島に復帰し勝負することになりました。
J2では、通用することが折り紙付きの選手ですので、J1の舞台でポジション争いをしながら、どれだけ通用するかを試す一年になるでしょう。
考察
開幕直後は、3試合連続出場するなど、しっかりとチームの戦力構想の中に入っており、ルヴァンカップでも開幕から2試合連続出場としっかりと構想に入っていました。
しかしながら、負傷離脱をしてしまい、スキッペ監督が来日後は負傷離脱期間が多くなってしまいました。第21節で、実戦復帰を果たしましたが、監督の戦術を浸透させる中での離脱は非常に痛かったと言えるでしょう。
評価
評価は『B』としました。
復帰直後から出場機会を掴み、しっかりチームの構想の中に入っている感じはあったものの、それでも負傷離脱によって厳しい状態になってしまいました。しかし、実戦復帰を早めにするなど、チームの構想の中に入っていることは間違いなさそうでこの評価にしました。
③ナッシム・ベン・カリファ(←エスペランス・スポルティーブ・ドゥ・チュニス)
試合スタッツ
・Jリーグ
・ルヴァンカップ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
現在の広島において、個人技で局面を打開できる選手は少ない状況でした。藤井選手などスピードのある選手は揃えていましたが、最前線に似たようなタイプの選手はおらず、チュニジアのチームを退団しフリーになっていたカリファ選手の獲得に動いたと考えられます。
元スイス代表の経験もある選手で、ドイツのヴォルフスブルクでのプレー経験があり、ドイツ人のスキッペ監督が以前からプレーを知っている可能性もあり、主力になることを期待されての獲得と言えるでしょう。
考察
加入後、第10節でリーグ戦初出場を果たすと、その後はリーグ戦全試合に出場するなど、しっかりとチームの主力に定着しています。ルヴァンカップや天皇杯においてもスタメン出場機会は少ないですが、それでも途中出場で全試合に出場するなど、チームの攻撃に変化を加える意味でも必要不可欠な存在となっています。
評価
評価は『S』としました。
期待値は高かった選手ですが、シーズン途中での加入ということで適応が難しい中、瞬く間にフィットし、チームにとって欠かせない戦力になり、カップ戦においても出場していることを見れば攻撃陣の核と言えそうです。
④満田誠(←流通経済大学)
試合スタッツ
・Jリーグ
・ルヴァンカップ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
流通経済大学より仙波選手(ファジアーノ岡山)と共にサンフレッチェ広島に加入した大卒ルーキーです。元々、サンフレッチェ広島の下部組織出身の選手で大学での4年間を経て復帰したという状態です。
スピードもある選手で、線が細い選手ではありますが、高い攻撃センスを持っている選手です。タイプとしてはエゼキエウ選手と似ているイメージでもありますが、大卒一年目から徐々に試合に絡むことはできるポテンシャルを秘めている選手です。
考察
開幕からはベンチ外となりましたが、スキッペ監督来日後の初戦となったFC東京戦でプロ初スタメンを左サイドハーフで果たすと、第7節でプロ初ゴールを決めるなど、早速結果を残しました。
その後は、ベンチ外となった湘南ベルマーレ戦を除き全試合でスタメン出場を果たし、主にサイドハーフや攻撃的MFで起用されており、すでにリーグ戦で5得点5アシストを記録しているなど、大卒ルーキーとは思えない結果を残しており、E1の日本代表にも選出されました。
評価
評価は『S』としました。
正直、これに関しては文句なしと言えるのではないでしょうか。大卒ルーキーとしてスタメンになるだけでなく、完全に主力に定着し、Jリーグでも屈指のアタッカーになりました。
⑤棚田遼(←サンフレッチェ広島U18)
試合スタッツ
・Jリーグ
・ルヴァンカップ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
下部組織出身の選手で、173cmとFWとしてはかなり小柄な選手ではあるが、小刻みな動きでのポジショニング修正がうまく、タイプとしては広島のレジェンド、佐藤寿人選手のようになる可能性を秘めている選手です。
一年目からレギュラーということは難しいとは思いますが、まずは、ジョーカーとして定着するために、カップ戦を中心に出場したいところです。
考察
評価は『B』としました。
チームの戦力構想に少しずつ入ってきている様子はあり、負傷者が多いことも要因であるとは思いますが、それでも徐々に出場機会を掴んでいるのは期待通りと言えるでしょう。
全体評価
それでは、全選手の評価を振り返っていきましょう。
以上のことを踏まえた総合評価は以下のとおりです。
全体評価は「S」としました。
おそらく、このシリーズとしては初めて最高評価をつけました。例年から、補強する人数は少ない傾向のあるサンフレッチェ広島のオフシーズンではありますが、今回は、5人中3人が主力に定着し、他の2人もしっかりと戦力構想に入ってきているということを考えると、非常に素晴らしい補強であったと思います。
最後に
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